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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

在宅看取りと検死

コラム2022/11/04

在宅看取りと検死

在宅介護に関わっている方が、知らない内にお亡くなりになった場合、警察による現場検証と検死が必要になる場合があります。

今回は検死が必要になる場合のルール等について解説いたします。

検死が必要な場合とは

自宅などの病院以外で亡くなった場合、かかりつけ医が死亡診断書の作成ができなかった場合に、警察の検察官と医師が遺体を確認する“検死”が必要になります。

ご自宅で亡くなった場合の基本的なルール

自宅で亡くなった場合、かかりつけ医の診察を24時間以内に受けており、死因が診察に関連した病気であればその医師による死亡診断書の交付が可能です

また、24時間以上経過していても死後に改めてかかりつけ医が故人の体をチェックし、これまで診察をしてきた病気で亡くなったのだと確認できれば、やはり死亡診断書の作成が可能です。

逆説的に言えば、これら以外の状況で亡くなった場合はたとえかかりつけ医がいても勝手に死亡診断書を交付することはできません。

国が示す死亡診断書作成のルール

1949年、当時の厚生省が医務局長通知によって、診療が継続している患者がそれに関連する死因で死亡した場合、24時間以内なら、あらためて死後診察しなくても、24時間以降は死後の診察を行うことによって、死亡診断書が書けることを明確にしています。

また、「死亡診断書」か「死体検案書」かの選択は、診療中の患者であるか否かによって区別するものとし、診療中であっても死体検案書の発行を要する場合は、診療中の状態とは全く別の原因による死に限定しています。さらに診療中でない場合、すなわち生前にその死亡の原因となった疾病を診察したことのない死体について、その死亡の確認や死亡原因、死亡時刻などの推定をすることとなり、この場合に作成するのが死体検案書であるとしています。

<参考資料>

「診察中の患者」の定義

診療継続中とはかかりつけ医の治療や療養指導を受け、入院や定期的な通院、薬剤の投与を受けるなど、かかりつけ医が自らの管理下にあると判断した場合をいい、最後の診察からの時間経過によって一律に規定されているものではない。何日前までの診察なら良いのかというような定めはなく、病状に応じて医師の判断に委ねられており、医学的にも社会通念上も妥当な判断が求められる。

また、収容先病院の医師も、画像や心電図、他院からの情報提供などにより、病死であることが診断ないし推定できる場合は異状死体には当たらず、死亡診断書が発行できる。

かかりつけ医が死後病院に赴き、死後の診察をして死亡診断書発行することも想定されます。

まとめ

今回は、検死のルールについてお話いたしました。

かかりつけ医をつけていれば検死を間違いなく避けられるわけではありません。

しかし、日ごろから診察を受け状態を把握してくれている医師がいれば確率はグンと下げることができますから、できる限り、かかりつけ医を持ちましょう。