コラム2022/10/27
零売薬局って知ってますか?~処方箋なしで薬が買える薬局~
零売薬局とは
医薬品の販売形態のひとつである「零売」とは、処方箋を持たない患者さまに対して、医薬品販売を行うことを言います。
処方箋に基づき医療用医薬品を提供する「調剤」、一般用医薬品を販売する「OTC販売」とは区別されます。
零売自体は以前から存在していますが、一般的な薬局ではあまり行われておらず、利用者からも認知されていませんでした。
しかし、近年の医療費増大や顧客からの要請を背景に、健康増進や利便性向上を目指した零売薬局が注目されているのです。
15,000種類ともいわれる医療用医薬品のうち、ほぼ半数近くにあたる7,300種類を処方箋なしで買えるのが特徴です。
薬の種類について
私たちが目にする薬(医薬品)にはいくつかの種類があり、それぞれの種類ごとに販売方法が決められています。
たとえばドラッグストアや薬局で普通に買える薬は「OTC(Over The Counter)医薬品」といい、購入の際に処方箋は必要ありません。
一方、病院で診察を受ける際に処方される薬は「医療用医薬品」といい、原則として購入の際は医師の処方箋が必要です。
一般的に、OTC医薬品よりも医療用医薬品の方が効果が高いとされています。
さらに医療用医薬品も「処方箋医薬品」と「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」に分けられます。「処方箋医薬品」というのは医師や歯科医師の処方箋が絶対に必要な薬、そして「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」は必ずしも処方箋を必要としない、つまり「零売」の対象となる薬です。
零売薬局を使うメリット
医療機関へ行く時間がない時
例えば、仕事が忙しくて受診に行けない、家事や子育てに追われて受診に行く時間も余裕もないといった場合、零売薬局は一つの選択肢として活用できるかもしれません。
市販薬よりも強い効果を期待したい時
零売で取り扱いしている医療用医薬品の中には、市販薬よりも効果が強い薬もあります。
また、零売で購入する際には、薬剤師とじっくりと相談した上で購入することができるため安心感もあります。
スイッチOTCとは
医師から処方される医療用医薬品のうち、副作用が少なく安全性の高いものを市販薬(OTC医薬品)に転用(スイッチ)したものです。
まとめ
零売薬局やスイッチOTCのように医療機関で処方されていた薬が身近に入手できるようになったことでセルフケアの幅も広がるかと思います。購入時は薬剤師さんに相談できるので、不安なく使っていけたらいいですね。
ちなみに、名古屋だとセルフケア薬局やおだいじに薬局が零売薬局として稼働していますので、気になった方は利用してみてはいかがでしょうか。