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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

心に寄り添う接遇とは~接遇マナーを考える~

コラム2019/08/13

心に寄り添う接遇とは~接遇マナーを考える~

心に寄り添う接遇とは~接遇マナーを考える~

先日、当院の同メール配信にて「病院のおもてなし」についてお話をさせて頂きました。昨今、接遇があらゆる業種で取り上げられ「おもてなし」の重要性が増しています。患者様、利用者様、関係者様、我々医療者、各々の笑顔があふれる現場をつくっていく為に、今回は基本的な接遇マナーについてのおさらいをさせて頂きます。新社会人に戻った気持ちでお読みいただけると幸いです。
そもそも接遇とは何なのだろうか
「接遇」という言葉は、おそらく皆様も一度は聞いたことがあるかと思います。よく似た言葉に「接客」という言葉がありますね。通常は同じ意味で使われることが多いこれらの言葉ですが、接遇には「遇する」つまり「おもてなし」という言葉が入っているという点でこの二つの言葉は大きく違っています。お客様に必要なサービスを提供するのが接客、お客様に最高のサービスを提供しようと心を込めて接するのが接遇といったところでしょうか。医療・介護の業界での接遇は、「思いやりの心」。ここに尽きるかと思います。目の前にいる患者様、ご利用者様、そのご家族様が何を求めているのか、喜びや不安、痛みや苦しみを想像して、その気持ちに寄り添い行動する事。これが我々の業界での接遇だと私たちは考えています。

想いを可視化することがおもてなしの基本

医療・介護の業界での接遇は「おもいやりの心」。そうは言っても、患者様、ご利用者様への思いやりの心はこの業界の方なら誰もが持っているものかと思います。しかしながら、持っているだけでは伝わらないという事に留意が必要です。その想いを目に見えるものにするのが接遇マナーです。

おさらい!接遇マナー5原則

接遇が注目されるようになり、様々な講座や研修が行われています。講座を受けたことがある!社会人になったときに接遇研修があった!という方も少なくないかと思います。ここでは、どんな講座や研修でもマナーの基本として話される「接遇マナー5原則」を紹介いたします。既にご存じの方がほとんどかと思いますが、おさらいのつもりでお読み頂ければと思います。

1.表情

表情は「笑顔」が基本となります。「表情筋が上がっていること」、「目が三日月型になっている事」、「上の歯が8~10本見えている事」。これらが接遇での笑顔の条件になります。いわゆる「パーフェクトスマイル」と呼ばれるものですね。

2.身だしなみ

ここで一番大切なことは清潔感です。見た目だけではなく臭いにも気を配る必要がありますね。身だしなみは相手に見える部分なので、何かと指摘されることも多くなるところかもしれません。「髪の毛の色」、「服装」、「靴」、「化粧」、「アクセサリー」、「香水」など男性と女性とで違いはありますが、気を配らなければならない所が多いですね。

3.挨拶

マナーの基本は「挨拶に始まり、挨拶に終わる」と言われます。挨拶がより良い信頼関係を構築する上で最も重要だと仰られる方も少なくありません。ポイントは「最初に気づいた人がすぐに声をかける」「目が合った時は、常に挨拶、会釈、声掛けを実践する」「職員間の挨拶も心を込めて行う」といった所です。笑顔で挨拶をすることは、患者様、ご利用者様に対する気配り、心遣いの現れと言えるかもしれません。

4.言葉遣い

「おもいやりの心」を言葉に宿すためには、やはり言葉遣いに気を配る必要があります。具体的には敬語が基本です。そして、声の抑揚(イントネーション)も大切な要素です。自分自身は普段の調子で話したつもりでも、相手には無愛想、ぶっきらぼう、ぞんざいな感じに受け止められることもあります。正しい敬語を身につけ、イントネーションにも注意しながら丁寧にお話をするように心がけたいですね。

5.態度

いわゆる「立ち振る舞い」」と言われているものです。立ち方、座り方、歩き方、物の受け渡し方など立ち振る舞いには様々なものがあります。ですが、その中でも基礎の基礎と呼ばれているものが「姿勢」です。意外と押さえておかなければならない点が多いのが「姿勢」ですが、一つのポイントは、相手には常に自分の前面を見せ「正対」して接する事です。とくに上半身を相手に常に見えているようにするだけで印象は変わるはずです。

以上が接遇マナー5原則と呼ばれているものです。おもてなしの心を伝えるためにぜひ押さえておきたいですね。

今回は接遇についてお話をさせて頂きました。現在、医療技術は確実に進歩していますが、以前よりも診察時間や入院日数は反比例的に短くなっています。患者さんとの接する時間が物理的に少なくなっている分、当院としても、一秒一瞬を大切に患者様の気持ちに寄り添う病院であり続けていきたいと思っています。これからも全スタッフ一丸となって、問題解決力、接遇力を磨き、より信頼される病院を目指していきます。