コラム2022/09/12
気管支炎と肺炎
肺炎・気管支炎とは?
ウィルスや細菌が喉や鼻の粘膜から侵入すると、鼻水やくしゃみ、喉の痛みなどのいわゆる「風邪症状」を引き起こします。侵入したウィルスや細菌に対してわれわれの身体は自己免疫で抵抗します。
しかし、病状が進行すると喉から気管支へ炎症が広がり、咳が出て痰が絡んできます。これが“気管支炎”です。
排菌しようとする反応ですが、悪化すると息苦しさなどを感じるようになります。
これが、気管支よりさらに奥へ進行し、肺まで達すると“肺炎”になります。
高齢者や慢性疾患を患っている方は感染への防御反応が鈍くなっていることが多いため、感染には特に注意が必要です。
症状
ウィルス性肺炎の痰はと透明で、細菌に感染すると黄色、緑色、茶色、灰色など濃い色の痰が出てくるようになります。
通常は発熱を伴いますが、普段から鎮痛剤などを使用している高齢者などは、発熱がないままに肺炎になってしまうこともあります。
色々な肺炎
■誤嚥性肺炎
様々な要因で嚥下機能が低下し、“むせ”が出るようになります。肺へ飲み物の一部と一緒に菌が入り込むと誤嚥性肺炎を引き起こす原因となります。
■レジオネラ肺炎
レジオネラ症は、主にレジオネラ属菌に汚染されたエアロゾル(細かい霧やしぶき)の吸入などによって、細菌が感染して発症します。循環式の風呂や、入浴施設で菌が増殖しやすく感染を引き起こします。
レジオネラ属菌は人から人への感染はありません。
■マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です。 小児や若い人の肺炎の原因としては、比較的多いものの1つです。 例年、患者として報告されるもののうち約80%は14歳以下ですが、成人の報告もみられます。
■間質性肺炎
リウマチなど膠原病に合併することもありますが、様々なことが原因となる肺炎です。
ステロイドや免疫を抑える薬が必要で、時には薬そのものが原因となる場合もあります。間質性肺炎には、普段よく使われる抗生物質の効果がないので、早期診断・早期治療が大変重要となります。
治療
細菌が原因となって引き起こされた気管支炎と肺炎の場合、その原因となっている菌に効果のある抗菌薬を投与します。
また、ウィルスが原因の場合でも、肺炎後の二次感染があったり、その予防の目的で抗菌薬が投与される場合もあります。
まとめ
肺炎と一言にいっても様々な種類があります。何が肺炎を引き起こす原因となったのか、原因追及をすることも大切です。