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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

子どもたちが感染する「手足口病」。最近、感染拡大が続いています

コラム2022/09/07

子どもたちが感染する「手足口病」。最近、感染拡大が続いています

手足口病は夏季に流行し、7月にピークを迎えるウイルス性の感染症ですが今年はピークを過ぎても勢いが止まらず、むしろ警報レベルになっているそうです。

今年は、久しぶりに行動制限がない夏休みで、免疫のない子供たちが多く感染が増加したと見られています。

手足口病とは

手足口病(hand, foot and mouth disease:HFMD)は、その名が示すとおり、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症で、1950年代後半に認識されたウイルス性発疹症であり、我が国では1967年頃からその存在が明らかになった。

本疾患はコクサッキーA16(CA16)、CA6、エンテロウイルス71(EV71)などのエンテロウイルスが原因ウイルスである。

基本的に予後は良好な疾患であるが、急性髄膜炎の合併が時に見られ、稀であるが急性脳炎を生ずることもあり、なかでもEV71は中枢神経系合併症の発生率が他のウイルスより高いことが知られている。

※国立感染症研究所の説明参照

手足口病の特徴は

□夏季に流行し、7月にピークを迎える。

□何度もかかってしまうことも。

□まれに大人も感染することがある。

子供の3大夏風邪

夏になると子どもを中心に患者数が増える感染症が、「手足口病」「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)」。

“子どもの三大夏風邪”と呼ばれたりもしますが、例年6月から8月にかけてそれぞれの流行がピークを迎えますので、特徴や注意点を確認し、事前の感染対策に備えましょう。

「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)」はまた改めてご紹介させていただきますね。

どんな症状?

潜伏期間は、3〜6日です

口の中の粘膜や手のひら、足の裏、足の甲などに水疱性の発疹が現れて、1〜3日間発熱することがあります。

水疱は、かさぶたにならずに治る場合が多く、1週間程度でなくなります。

また、1〜2ヶ月後に手足の爪がはがれることがありますが、大事にはいたらずすぐに新しい爪が生えてきます。

ですが、口の中にできた水疱がつぶれた後にできる口内炎(口の中にできた潰瘍)がひどく、食事や飲みものを受けつけなくなることから、「脱水症状」を起こすこともあります。

また、原因ウイルスの「エンテロウイルス」は無菌性髄膜炎の90%を占めるため、まれに脳炎を伴って重症化することもあるので注意が必要です。

初期症状が【発熱】のため、「新型コロナ」との見分けが難しいとされ、中には、「新型コロナ」と「手足口病」に同時感染している事例もあるとのことです。

大人も注意が必要

東京都のデータでは、この8月の手足口病の感染者のうち13%は60歳以上であったと示しています。

手足口病は、くしゃみなどの際に出る飛沫によって感染する「飛沫感染」と、舐めて唾液や鼻水がついたおもちゃの貸し借りなど、手が触れることで感染する「接触感染」が主な感染経路です。

また、回復後も口(呼吸器)から1〜2週間、便から2〜4週間にわたってウイルスが排泄されるので、おむつなどの交換後に汚染された手指を介して感染が広がります。

お孫さんからうつることもありえますので、より徹底した手指消毒が重要になりますね。

まとめ

改めて感染対策として、手洗いは流水と石鹸でしっかりと、タオルは共有しない、おむつ交換時は排泄物を適切に処理し、他のひとがふれないようにして、触った後は、しっかりと手洗いをするなど、感染対策に努めていきましょう。