コラム2022/08/31
薬の処方はシート処方?一包化処方?
医師が訪問診療でご自宅に訪問する前に、相談員が事前面談でご自宅にお伺いして、薬を確認する際、シート処方か一包化処方かを確認します。
一包化処方のほうが楽だろうし、飲み忘れが少なくなると思うのですが、デメリットについてもお伝えさせていただきます。
一包化とは
一包化とは何種類かの錠剤を服用する場合などにそのお薬を機械にかけて薬包紙にまとめて1袋にすることです。
よくビニールや紙袋で小分けになっているアレです。
一包化のメリット
患者の薬の飲み間違いや飲み忘れが少なくなることが、一包化調剤の最大のメリットです。
残りの薬剤の個数が合っているかも一目で確認できますので、服薬管理もしやすくなります。
その他にも、高齢者など手の力が弱くてPTPシートからカプセル剤などを取り出すことに困難を覚える方も、一包化製剤に変更するとシートから取り出す作業をしなくても済みますので、飲みやすくなることが期待できます。
処方日数や処方内容によっては、1錠や2錠などのバラ錠が出ることもあります。
バラ錠は小さいので紛失しやすくなってしまいますが、ワンドーズで包状に管理するなら紛失する可能性も減らすことができます。
デイサービスへの持ち込みにも便利です。
デイサービスのスタッフさんの手間を減らすことにつながるため、周りの人にもメリットがでます。
一包化のデメリット
最大のデメリットは、薬剤師が調剤する時間が長くなり、その結果、患者を長時間待たせてしまうことがあることです。
PTPシートから薬剤を取り出す業務なども増えますので、混みあっている時間帯などは、患者に目安となる時間を提示して、後で受け取りに来るように指示しなくてはならないかもしれません。
また、複数の薬がまとまって1包に入っていますので、どの薬がどのような効果を持つのか分かりにくくなるというデメリットもあります。
薬の形で種類を見分けることができる説明書をよく読み、患者各自がそれぞれの薬効や副作用を理解する必要があるでしょう。
「一包化加算」という料金が加算されます。
負担割合が大きいなどで少しでも安く済ませたいなどの理由があるなら、削減できる部分にはなります。
どういう人は一包化が向いているのか
「薬の種類が多くて、服用するときにわかりづらい…」
「手が不自由で、くすりを何種類も出すのが難しい」
などの悩みがある方にとっては、飲み間違いやお薬をなくしてしまったりなどがなくなり、大変便利かと思います。
まとめ
デメリットに待ち時間とありますが、当院の訪問診療においては処方箋発行時に利用されている薬局へ処方箋をFAXしています。
そのため、待ち時間が極力少なくなるようなしくみで動いていますので、待ち時間にはついては気にする必要はあまりないかと思います。
その他のデメリットについても一度検討してみて、どちらがよいか一度考えてみてはいかがでしょうか。