コラム2022/07/20
薬の正しい保管方法について
なぜ薬を正しく保管する必要があるのか
薬の成分は天然または、合成の化学物質です。なので、誤った保管方法で保管してしまうと化学変化を起こし、薬の持つ本来の効果を損なう可能性があります。
薬の持つ効果を安全に十分に発揮させるためには、正しく保管する必要があります。
基本原則としては、直射日光・高温・多湿を避けることが大切です。したがって、大半の薬は冷暗所(室温15~25℃で直接日光が当たらないところ)での保管が適切であると言えます。
特に夏場は直射日光が当たってしまう窓際や、高温になる車中などはできるだけ避け、高温になりにくい場所を選ぶようにしましょう。
また、できるだけ冷やせる場所といっても冷凍庫など凍結してしまうような場所にしまうことも避けなければなりません。冷蔵庫内でも場所によっては凍結してしまう場合もあるので注意しましょう。
梅雨の時期には湿気にも注意が必要ですし、幼児や服薬コンプライアンスの認識が薄い患者さんがいる家では、手の届かないところに保管する必要もあります。
剤形ごとの異なる保管方法
散財・錠剤・カプセル剤
湿気を防ぐためにフタの閉まる缶やプラスチック容器などに、可能であれば乾燥剤と一緒に保管しましょう。
冷蔵庫に保管すると、出し入れの時に生じる温度差によって結露が生じることがあるので避けましょう。
液剤(シロップ剤)
冷暗所か冷蔵庫に保管しましょう。
ただし、薬によっては冷蔵庫内に保管すると固まってしまうものもあります。その場合、キャップや瓶の口に薬がついていると蓋が開かなくなることがあるので、使用の際は開け口の部分を清潔に保ちましょう。
液剤(点眼薬、点耳薬)
冷所保存の指示があるものは、冷蔵庫内に保管してください。
遮光が必要な場合は、必ず添付の遮光袋の中に入れて保管してください。
軟膏
冷暗所か冷蔵庫内に保管してください。
特に、2種類以上の薬を混ぜ合わせてあるものは、できるだけ冷蔵庫内に保管するようにしましょう。
坐剤
挿入部を下にして冷暗所、あるいは冷蔵庫内に保管してください。
一度溶けてしまったものは、再度固まらせて使用することは避けてください。
注射剤
凍結を避けて、冷蔵庫内に保管してください。
糖尿病患者が使うペン型注射器は、使用前は冷蔵庫内に、一度使用を始めたら冷暗所に保管しましょう(※結露を避けるために冷蔵庫には入れないようにしてください)。
まとめ
今回は、薬の保管方法についてお話をしました。
夏場は室内が暑くなる可能性もあります。
正しい保管方法ができているかチェックしてみてくださいね。