コラム2022/07/05
骨粗鬆症について
骨粗鬆症とは
骨にはタンパク質やリンなどとともに、多くのカルシウムが含まれています。骨粗鬆症とは、骨に含まれるカルシウムなどの量(骨量)が減少し、骨の中の構造が壊れて、脆く壊れやすい状態になっていることをいいます。
骨は腸で吸収されたカルシウムなどが血流により運ばれて新たに作られ、同時に古くなった骨は壊され、身体のほかの部分と同じように常に新陳代謝されています。
様々な原因でこのバランスが崩れると、骨に含まれるカルシウムの量が減少するのです。
骨粗鬆症になる割合
骨粗鬆症は圧倒的に女性に多い病気です。女性は閉経後に、女性ホルモンの減少とともに骨量も急激に減少するので、それが原因です。60歳代の女性の半数、70歳代では70%の人が骨粗鬆症になっていると思われます。男性では、60歳すぎから徐々に増えて、70歳以上の40%程度の人がなっています。現在わが国では、1000万人以上の患者がいると推定されています。
症状
骨粗鬆症自体は、痛みなどの症状が少ないのが特徴です。骨粗鬆症を起因として骨が脆くなり、骨折が起こりやすくなります。それで初めて骨粗鬆症だとわかり、治療を始めることも多いのです。
骨粗鬆症の症状としては背骨の骨(椎体)が潰れて背丈が縮んできたり、背中が曲がって丸くなってきたりします。腰の痛みも起こりますが、それは骨粗鬆症自体の痛みというよりも、腰の骨が潰れることによる痛みであることが多いのです。
骨粗鬆症になりやすい人
閉経後の女性によく発症するほか、もともと痩せていたり、胃腸の弱い人に発症しやすい傾向があります。喘息やリウマチで、ステロイド剤を服用している人も、薬の副作用で骨粗鬆症になります。適度のダイエットをしたり身体を動かさない人、外に出ることが少なく日に当たらない、カルシウム摂取が少ない、タバコを吸う人などもなりやすいといえます。
予防と治療
日本人はカルシウム摂取量が少ない傾向にあります。まずはカルシウムを含む食事を沢山摂ることです。さらに、ビタミンDの摂取と日光に当たることを勧めます。また重力に抗する運動(散歩程度で良い)も骨への刺激となり、骨粗鬆症の予防となります。治療には、骨の形成を促進する薬と、骨の減少を抑える薬が使われます。
カルシウムを補充できる食品
骨を健康に保つためにはカルシウムが多く含まれている食品を摂る必要があります。
下に挙げた食品はカルシウムが多く含まれる食品です。この中から、1日2種類、日頃の食事内容に追加すると、ほぼ必要なカルシウム量を摂取することができます。
<カルシウムを効率よく補える食品>
・干しひじき ・チーズ ・納豆 ・小松菜おひたし ・めざし ・しらす ・人参
・ヨーグルト ・豆腐 ・牛乳 ・煮干し ・ごま ・がんもどき ・たまご ・いわし、かつお など
まとめ
今回は、骨粗しょう症についてお話しました。
この季節は、日中は気温が上がり部屋にこもりがちになってしまいます。
人によってはカーテンも閉め切りで、電気もあまり点けない方もみえられるかもしれません。
適度に日光に当たらないと骨が弱ってしまいますよと、無理のない範囲でアナウンスしてみて下さい。