コラム2022/06/03
発熱について
発熱とは
人間は生きていれば体温があり、体温調節機能により、ほぼ一定に保たれます。
この健康な時の体温を私たちは“平熱”と呼んでいまが、個人差があり、一人の人でも1日のうちでの変動や、年齢による変化があります。
そして、具合が悪いときなどに体温が高くなることを“発熱”と呼んでいます。
通常、37.5℃以上に上がったときを発熱の目安としますが、高齢者で平熱が35℃台と低い人の場合は、37℃でも異常値といえます。
熱を測る習慣
熱のあるなしは、体調の把握に大変重要です。そして、平常より体温が高いかあどうか、どのくらい高いのかということは体温計で熱を測ってみなければわかりません。そのためにも、まず平熱を知ることが大切です。
平熱を知るには、しばらくの間、毎日一定の時刻に体温を測ってみます。
仮に平熱がわかっていなくえも、いつもと様子が違う時には、まず熱を測ることが必要です。
「急にちゃんと歩けなくなった」と連れてこられた高齢者の熱を測ると、39℃もあったということが時々あります。
“いつもと違う”と思ったらまずは熱を測ることを習慣にしましょう。
発熱の原因
高齢者の発熱では、まず風邪などの呼吸器感染症を疑います。呼吸器とは口から肺までつながっている咽頭や気道などの身体の部分のことです。そこの、咳や痰などの状態をまずチェックします。
呼吸器症状がない場合は、尿路感染症などが考えられます。尿路感染症の一つである腎盂腎炎などでは、突然39℃台の高熱が出ます。
その他、発熱の原因はたくさんありますので、37.5℃以上の発熱のときにはすぐに受診をしましょう。
発熱時の注意と援助
まず、安静を保ち不必要なエネルギーの消耗を防ぎます。
ついで、悪寒がなければ氷枕や貼付薬で身体を冷やします。
このとき脇の下や、頸部など大きな動脈が走っている部位にあてると効果があります。
発刊を伴うので、いつもより水分を多く摂ることも必要です。
解熱薬の種類
発熱は、風邪、肺炎などの菌やウィルスを排除しようとする生体防御反応ですから一概に熱を下げる事がよいとは限りません。まず、熱の原因を治療することが基本になります。
しかし、熱によって睡眠が妨げられたり体力が消耗したりして、回復が遅れることがあるので、体温調節機能に働いて熱を下げる薬を使用します。
これらの薬は鎮痛作用も併せ持つので、解熱鎮痛薬といいます。
<解熱鎮痛剤>
■使用上の注意点
指示された1回の使用数量、1日の使用回数、使用間隔などを守りましょう。なるべく空腹時を避け、多めの水で服用しましょう。
解熱剤で、湿疹や喘息発作が起きたことがある人は、服用せずに医師・薬剤師に相談してみてください。
■副作用
粘膜の腫れ、湿疹、胃腸障害、喘息発作の誘発
■解熱鎮痛剤の種類
①ピリン系解熱鎮痛薬(※薬疹などが出やすいため、最近ではあまり使われません。)
・SG配合顆粒
②非ピリン系解熱鎮痛剤
・アセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ、アルピニー)
・PL配合顆粒(ピーエイ錠)
③非ステロイド性抗炎症薬
・アスピリン ・サリチルアミド ・ポンタール ・ボルタレン ・ロキソニン
・インテバン
まとめ
昨今では、発熱となるとコロナなのか、コロナじゃないのかだけに注目されがちですが、当然のことながら、それ以外が原因の発熱も存在します。
まずは発熱に対する基本的な知識を身につけておきましょう。