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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

胸が痛い!なんで??

コラム2022/05/16

胸が痛い!なんで??

突如胸に痛みが…。そんな訴えを利用者さんから聞いたことはないでしょうか。

胸が痛い原因

胸痛には、臓器の疾患が原因のものと、それ以外のものが考えられます。

臓器によるものでは、心臓(狭心症、心筋梗塞など)、肺(気胸、肺塞栓)、胃などの疾患が考えられます。

ほかには肋骨を骨折している場合や、帯状疱疹のようなウィルス性の感染症由来の痛みもあります。

胸痛の様々な原因と特徴

心臓由来

・狭心症…心筋梗塞との違いを見分けることが大切です。痛みの程度や持続時間が判断の目安になります。病院ですでに狭心症の診断を受けている場合は、ニトロペンなどが処方されているはずですので、舌下に入れることで痛みは治まります。

・急性心筋梗塞…突然生じる前胸部んお痛みで、狭心症と異なり30分以上持続します。痛みは強烈で、左上腕や咽頭部などに放散痛を感じることもあります。高齢者では、胸痛がない心筋梗塞もあるので、注意が必要です。

・解離性大動脈瘤…突然、胸部から背部へ放散する激烈な痛みです。大動脈が裂けていいくにしたがい、痛みが移動していきます。ショックに陥り、死に至ることが多いのも特徴です。

肺由来

・肺塞栓…突然、心臓の鼓動が激しくなり、呼吸困難、胸の痛みを伴うのが特徴です。肺の血管が詰まることで起こります。長期間寝たきりの人が身体を動かしたときなどに起こりやすく、ショックに陥ることもあります。

・気胸…突然の胸痛、呼吸困難、動悸、咳などが特徴です。肺の一部が破れて空気が漏れる病気です。自然気胸は特に原因がなく、20歳代の痩せ形の男性に多く起こる傾向があります。

・肺がん…持続性の鈍い痛みがあり、咳や痰、発熱を伴うことが多くみられます。高齢者では、肺がんでも痛みはあまり訴えないことがあります。

お腹の臓器によるもの

・胃潰瘍、膵炎、胆石症など…胸痛の他にそれぞれの臓器部分に、痛みを伴うことが多いのが特徴です。

内臓以外からくる痛み

・肋間神経痛…肋骨の走行に沿った痛みで、さまざまな原因で起こります。

・肋骨骨折…咳や深呼吸で肋骨にひびくかどうかが、鑑別の要点です。痛みを訴える場合は、転倒などで胸部をぶつけていないかどうかよく聞く必要があります。さらしを巻くなどで、3週間くらいで痛みはとれてきます。

・帯状疱疹…肋間神経の走行に一致したところに痛みが出ます。肋骨に平行して、皮膚に赤い湿疹が出てくるので診断がつきます。

胸痛への対応

心筋梗塞や肺塞栓などの場合には、すぐにでも医師に診てもらわなければなりません。

下手に時間が経過すると、命に関わる問題に発展する場合もあります。

肋骨の骨折などでは、そのような心配はありません。

その痛みがすぐに医者にかかったほうがよいのかどうかを判断する目安は、痛みの程度もありますが、飲んでいる薬が決め手になることもあります。

狭心症や心筋梗塞の薬が処方されているときには、まずはそれを使ってみる事です。それでも痛みが治まらない時にはすぐに受診しましょう。

まとめ

今回は、胸の痛みについてお話しました。

場合によっては、命に関わる可能性もあるため、心臓疾患などがないかを確認しつつ、必要があればすぐに受診するようにしてください。