コラム2022/04/20
糖尿病とこころの関係性
日々生活をしていると、「今更聞きにくいな」とか「調べるの面倒だな」とか思うことありませんか?このコーナーでは簡単に、なんとなく知っておけば役立つであろうお話をQ&Aで紹介させていただきます。
糖尿病とこころの病気には関連があると聞きました。なぜでしょうか。
確かに、糖尿病とうつ病などこころの病気には関連があります。その理由として、糖尿病とうつ病の共通した病態生理として、ストレスや慢性炎症があります。
糖尿病とうつ病は、両方の疾患を合併する患者さんの割合が高いといわれています。
海外において、2型糖尿病患者さんがうつ病を併発するリスクは、糖尿病でない方と比べて15%程度高く、またうつ病患者さんが2型糖尿病を併発するリスクは、うつ病でない方と比べて60%程度高いという報告があります。
その理由として、糖尿病患者さんでは、一般的なストレスに加え、血糖コントロールに伴う心理的なストレスがあること、うつ病患者さんでは血糖を上昇させるホルモンの分泌が増えることなどが考えられています。
うつ病とは、「抑うつ気分(気分の落ち込み)」、「興味や喜びの喪失」、「食欲や体重の増減」、「集中力の低下」など、普段とは異なる気分の変化が1日中、連日起こるような状態をいいます。
このような気分が落ち込んだ状態や、普段とは異なる栄養状態は、糖尿病の治療にも影響をおよぼす可能性があります。
例えば、治療に前向きに取り組めなくなったり、血糖値が不安定になったりする、などが挙げられます。
糖尿病とうつ病を併発していることが早期に分かれば、適切な治療を早期に始めることができます。
うつ病のある糖尿病の患者さんで、うつ症状を改善することで血糖コントロールも改善した、という報告もあります。
糖尿病とうつ病の共通した病態生理として、ストレスや慢性炎症があります。
白衣高血圧という言葉がありますが、緊張すると血圧が上がる「白衣高血糖」というのもあります。
心理的なストレス度が高いと将来、2型糖尿病になりやすいと言われています。
ストレスが過度にたまらないように、食べたり、飲んだりすること以外の自分にあったストレス解消法をみつけることが大切です。
また、風邪や肺炎など急性炎症に対して、糖尿病という病気は炎症が持続的にある「慢性炎症の病気」と言われています。
火事でいうとボヤの状態が続いているようなものです。
慢性炎症を抑えるには、食べ過ぎ防止や節酒、運動などで血糖コントロールをよくすることが大切です。
このように糖尿病とこころの病気には深い関連があるのです。
まとめ
血圧変動とストレスの関係性は今までにもありましたが、やはり精神的なことからも影響はありますね。自分に合ったストレス解消法を見つけておくのも良いかもしれません。