コラム2022/04/04
長引く咳には要注意!2週間以上続けば風邪ではない
咳が長引いていても「風邪が治っていないのかな」と軽く考えがちですが、2週間以上続く咳は風邪ではない可能性があります。
風邪の原因は80~90%がウイルスで、残りが細菌などとされています。
風邪のウイルスは体内に侵入して増殖しますが、通常は免疫機能が働くため、安静にしていれば自然に治ります。
一方、細菌による風邪はふつうの風邪に比べて症状が重くなることもありますが、抗生物質を使うことで速やかな治療が可能です。
早期治療したい「咳ぜんそく」
重篤な病気ではなく、長引く咳の原因として近年増加しているのが咳ぜんそくです。
咳ぜんそくは、気管支ぜんそくの1歩手前の状態で、放っておくと3人に1人は気管支ぜんそくに移行するといわれています。
気管支ぜんそくは完治しにくく、年間約1800人が亡くなっています。そのため、咳ぜんそくのうちに治療することをオススメします。
咳ぜんそくは気道の粘膜に常に炎症が起こっている状態です。
ホコリはもちろん、湯気、冷たい空気、香り、花粉などちょっとした刺激に敏感に反応して激しい咳が出て、なかなか止まらなくなります。
風邪がきっかけになることが多いのですが、花粉や天候、疲労やストレスが原因になることも。また、花粉症や食品添加物、PM2.5などが要因となって発症するケースが増えています。
「COPD」
もう一つ、長引く咳の原因として増えているのがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気です。
喫煙者の15~20%が発症するといわれ、喫煙歴が長く、1日に吸う本数が多い人ほど重症化する傾向にあります。
40歳以上の人口の8.6%およそ530万人の該当者がいると推定されていますが、自覚症状に乏しく、病気の存在も知られていないこともあって、残念ながら治療を受けている人が少ない病気です。
初期段階では階段を上ったときに息切れがしたり、咳や痰が続いたりする程度にすぎないことが多いです。
息苦しさを自覚して受診したときには、炎症が進行して肺機能がかなり低下していることも少なくありません。
喫煙者の方で、長引く咳が気になるときには早めに呼吸器の専門医を受診して、肺の状態をチェックすることをオススメします。
風邪ではないかも?咳チェック
長引く咳には、もしかしたら病気が隠れているかもしれません。咳の特徴や咳以外の症状をセルフチェックしてみましょう。
- 天気によって、咳がひどくなる
- 夜間(深夜・寝入りばな)に咳が出る
- 明け方に咳が出る(咳で目が覚める)
- 冷たい空気に触れると咳が出る
- 会話中に咳が出る
- エアコンの風に反応して咳が出る
- 湯気に反応して咳が出る
- 咳が出るとなかなか止まらず、出ない時は全くでない
- 階段の上り下りや少しの運動で息切れがする
- 同世代の人と同じペースで歩くのが辛い
- 呼吸がぜいぜい、ヒューヒューする
チェック項目が1つでもあれば、風邪以外の病気の可能性があります。
呼吸器専門医を受診しましょう。