コラム2022/03/16
アルブミンと低値の原因
血液検査の結果からは様々な身体の異常を読み取ることができます。
今回は、そんな数ある数値の中から「アルブミン」にフォーカスして、解説させていただきます。
アルブミンって??
アルブミン(血清アルブミン)は血液中のたんぱく質の一種です。食べ物由来のたんぱく質の量が反映され、栄養状態の指標として用いられます。3.7~5.5g/dlが基準となっており、3.5g/dl以下の場合、栄養不良とみなされます。
アルブミンは体の栄養状態を示す決定的な指標となり、余命と生活機能障害の予知因子となるので、高齢者の健康にとっては重要な指標となります。
アルブミンが低い!原因は??
アルブミンが低値の場合、下記のような要因が考えられます。下記を疑い、他の検査数値や症状と照らし合わせて原因を考えていくこととなります。
低栄養
タンパク質の摂取不足や、消化吸収障害が要因となりアルブミンが低下することがあります。低栄養の場合、食事量が少なくなっていることが考えられるため、ヘモグロビンの値も低下していることがあります。
ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群とは、尿にタンパクがたくさん出てしまうために、血液中のタンパクが減り(低たんぱく血症)、その結果、むくみ(浮腫)が起こる疾患です。
つまりアルブミンが尿に出てしまっている状態で、血中アルブミン血が低値となります。
成人ネフローゼ症候群の診断基準は、尿蛋白3.5g/日以上(随時尿において尿蛋白/尿クレアチニン比が3.5/gCr以上の場合もこれに準ずる)が継続し、血清アルブミン値が3.0g/dl以下に低下することとなっています。
肝障害
アルブミンは肝臓で作られます。そのため、肝硬変や肝臓がんで肝臓におけるタンパク合成機能が低下すると、低アルブミン血症が生じることになります。
炎症性疾患
熱傷などの外傷や手術後で炎症があると、その部位でタンパク質の消費が増加し、急激に血清アルブミン値が低下することがあります。
ちなみに…
ではアルブミンが高ければ、栄養万全なのかというともちろん、基準値を超えての高値は良い状態とは言えません。
高値の場合は、脱水症が考えられます。脱水により血管内の水分が減少し、濃縮された状態となるためです。
まとめ
今回は、血液検査の値の中の「アルブミン」についてお話しました。今度、血液検査の結果をみることがあれば、一度気にして見てみて下さい!