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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

歳を取るとになると背が縮む!?

コラム2022/03/07

歳を取るとになると背が縮む!?

身長ってどれぐらい気にしていますか。

というのも、40歳を超えると背が縮むという話があるんです。

特におじいちゃんおばあちゃんは背が縮んだと言われますが実際のところどうなんでしょうか。

今回は、背が縮んだという一因になりうる「老人性円背」について解説します。

【老人性円背】ってなに?

高齢者の背中や腰が「大きく曲がった状態」のことを指します。

女性に多く見られます。

具体的な症状

◆ひどい痛みを感じることは少ない

◆背筋を正す時は要注意!

(背筋の骨折、脊椎損傷に至ることも)

原因はなに?

◆骨密度が低い

骨密度は「加齢」によって減少することが既に確認されており、その減少率が男性よりも女性の方が大きいと言われています。

骨密度が低い状態で無理に力を入れると「圧迫骨折」を誘発します。

「骨粗しょう症」は要注意!

◆痛みを特に感じない

◆「骨折」した実感がない

上記のまま、次第に腰が曲がっていきます。

本人は、自然な老化現象という認識を持つかも知れません。

治療法はあるの?

カルシウムの摂取

カルシウム摂取を心がけ、骨を丈夫にすることで「圧迫骨折」を防げるようになります。

ビタミンD・マグネシウムはカルシウムの吸収を良くする作用があるため、一緒に摂るとより効果的です。

筋肉をほぐす、適度な運動

背中が曲がった状態で無理に背筋を伸ばそうとすると、さらに悪化する恐れがあります。

そのため、上半身の筋肉・骨格をほぐす運動を取り入れていきましょう。

ムリのない範囲で、胸を張ったり背中を伸ばしたりする動きを行い、可動域を広げていくのが効果的です。

サポート器具の活用

正しい姿勢を保つため、コルセットやサポーターを活用するのも良いでしょう。

また、背中が曲がってしまったお年寄りの骨盤と背骨を支え、楽な姿勢で座らせてくれる椅子もあります。

ご家族様と一緒に探してみるのも良いですね!

介護をするときの注意点

老人性円背において、痛みが出る箇所は「首回り・腰回り」です。

実際に介護をする際は、痛みのある箇所に注意を払いながらゆっくり行いましょう。

身体に力が入る動きの際には、サポートをしながら、背中に負担がかからないように注意!

老人性円背になると、腰をかがめた姿勢になるので視界が低く、上部への注意が疎かになりがちです。

歩行の際は上部への注意を払い、室内では頭上に物を置かないようにしましょう。

まとめ

「老人性円背」は、高齢者特有の症状ではありますが、それだけに予防もできます。

日頃からカルシウムを多く摂ることで、骨密度を高くするように食生活を心がけ、 適度な運動を行い「身体を鍛える意識」が必要です。

「いつまでも元気でいてほしい」というご家族の思いが、高齢者をやる気にさせ、 病気の予防に対して、より一層の関心が強くなります。

ちなみに、とあるクリニックの解析では40歳以降平均すると10年で1cm縮むとのことですよ。