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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

実は“隠れCOPD”!?~利用者さんは大丈夫?~

コラム2022/01/17

実は“隠れCOPD”!?~利用者さんは大丈夫?~

新型コロナウィルスが猛威を振るい、国民全員が感染の脅威にさらされる中、喫煙歴などがあり肺の健康が損なわれている方々は感染リスクも高いとともに重症化リスクも高くなるため、特に注意が必要となります。

そのような呼吸器疾患の代表が「慢性閉そく性肺疾患(COPD)」です。

日本には約530万人の患者さんがいると推計されています。

しかし、健康診断の胸部レントゲン検査だけでは100%発見に至ることは難しいという側面があり、多くの患者さんが未発見の“隠れCOPD”と言われています。

COPDの早期発見と早期治療の重要性

COPDは動脈硬化のような心臓・血管の病気、糖尿病や骨粗鬆症など、肺以外の様々な病気も誘発する可能性があります。

特に注意が必要なのは肺がんです。

COPD患者は健康な人の約10倍も肺がんを合併しやすいと言われています。

また、先の述べたようにCOPD患者は感染症にもかかりやすく重症化リスクも高くなります。

しかし、一方で、早期発見し治療を受けることができれば、肺がんのスクリーニングを重点的に受けて進行前に手を打ったり、医療機関からインフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種を勧められるたり、禁煙についてもその重要性を医師から改めて再認知させられるため、増悪を予防することができます。

COPD早期発見のためのチェック表

ではCOPDを早期発見するにはどうしたら良いのでしょう。

まず、COPDの患者さんの自覚症状としては、慢性の咳や痰、労作時の呼吸困難があげられます。

COPDの原因の90%は喫煙であるため、喫煙歴のある患者さんで、且つ、このような症状があればCOPDが疑われます。

下の表は、独立行政法人 環境再生保全機構 様が出している「COPD早期発見のためのチェック表」です。

COPD-PS利用に関するガイドライン

(COPD情報サイト 一般社団法人GOLD日本委員会)

各設問に対し、ご自身に最も当てはまる回答の点数を書き込み、合計が4点以上であればCOPDの可能性があると考えれらます。

その場合は早めに医療機関に受診しましょう。

まとめ

チェック表の中の「息切れ」などは高齢になると年のせいと思い見落としがちになってしまいそうです。

また、たばこを吸わない人も、タバコから立ち上る「副流煙」によって悪影響を受けている恐れがあるため、喫煙者に限らず誰にとっても他人事ではない病気と言えます。少しでもおかしいなと思い当たることがあれば、かかりつけ医に相談しましょう。