コラム2021/03/24
花粉症の症状が出る仕組みと対処法について
花粉症の症状が出る仕組みと対処法について
春先に多くの人を悩ます花粉症の症状は「アレルギー反応」として現れたものです。このような症状はどのようなメカニズムで起こっているのでしょうか。症状を軽減するための対策と合わせて見ていきましょう。
花粉症のメカニズム
花粉症は、目や鼻の中に入ってきた花粉の小さな粒子が粘膜にくっつき、それを身体が異物として追い出そうとする免疫反応によって起こります。春先のスギ、ヒノキ、秋口のブタクサなど、季節によって違った花粉が症状を引き起こすので「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれることもあります。
アレルギーを引き起こすアレルゲン(この場合は花粉)が粘膜にくっつくと、体内で抗体が作られ、抗体がマスト細胞という細胞にくっつきます。
この状態で再びアレルゲンが侵入してくると、マスト細胞からヒスタミンなどの「アレルギー反応を引き起こす物質」が放出され、くしゃみ・鼻水・鼻詰まり・目のかゆみ・充血・涙などの症状が引き起こされるのです。
また、「去年までは大丈夫だったのに今年から急に花粉症になった」という経験をされた方もいらっしゃるでしょうが、これはマスト細胞が反応するレベルまで抗体が溜まったタイミングが、たまたま「今年」であったためと考えられます。
ただし、どのくらいまで溜まると症状が出るかについては個人差があるので、毎年同じ量の花粉を吸い込んだからといって全ての人に必ず症状が出るというわけではありません。
花粉症の症状を抑える対策
花粉症の症状が出ているのに我慢しすぎてしまうと、仕事や学校などの日常生活に支障が出ることもあります。症状とうまくつきあっていくためにも、市販薬をうまく使いましょう。
花粉症の市販薬の多くが「第一世代の抗ヒスタミン薬」です。第一世代の抗ヒスタミン薬は眠気を引き起こしやすい特徴があるので、仕事のときに眠くなってしまうからと花粉症の薬を使うことを避けていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
眠くなると困る状況のときは、眠気が起きにくい「第二世代の抗ヒスタミン薬」がおすすめです。どのような薬が自分に向いているかは、薬剤師さんがいる薬局で相談してみましょう。
また、花粉症はそもそも花粉と接触しなければ発症しませんから、以下のような工夫をして「花粉を避ける」ことも大切です。
□花粉飛散情報をこまめにチェックし、花粉が多く飛んでいるときは外出を控え、窓を開けないようにする
□花粉が多い日には、洗濯物や布団を外に干さない
□外出時にはメガネやマスク、帽子を着用する
□帰宅したら玄関先で花粉をよく払い、洗顔とうがいをして鼻をかむ
□こまめに掃除して、室内に花粉がない状態を保つ
このようなセルフケアをしても軽減できないときは、早めに病院を受診しましょう。病院では、市販薬よりも効果が持続しやすい処方薬やレーザー治療などで治療を進めていきます。また、受診する時期によっては免疫療法で根治を目指せる場合もありますので、医師に相談しながら自分の症状やライフスタイルに合った治療方法を見つけていきましょう。
花粉との接触を避けて薬をうまく利用しながら「花粉症シーズン」を乗り越えよう
花粉症は体内に一定量の抗体が溜まることで発症するので、花粉症を発症している人もしていない人も「花粉との接触を避ける」ことが重要になってきます。また、症状がひどくなってきたときは無理せず薬に頼ることも大切です。
ただし、薬は用法用量を守って使用し、改善しないときは早めに医師に相談しましょう。
まとめ
今年は新型コロナの関係もあり、マスク着用や帰宅時の手洗いうがいが日常化していますが、逆にマスクの着用にストレスに感じてしまう人もいます。余談ですが、麻生太郎財務相(80)がマスク着用について、「マスクなんて暑くなって口の周りがかゆくなって最近えらい皮膚科がはやっているそうだけど。いつまでやるの?」意見を述べ、物議を醸しています。真意はともかく、しばらくはマスク着用の常態化は変わらないかと思いますので、ストレスをうまく軽減しながら、可能な限り対策を徹底していきましょう。