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人生100年時代を生き生きと過ごすための人生設計

コラム2021/03/10

人生100年時代を生き生きと過ごすための人生設計

人生100年時代を生き生きと過ごすための人生設計

定年退職後の人生設計、していますか?「人生100年時代」と言われています。定年が60歳から65歳になってきているとはいえ、人生の約3分の1程度は定年後の人生です。では定年後に自分が何をして過ごしているか想像がつきますか?「平成23年 社会生活基本調査結果」(総務省統計局)では60代前半の無業者(男性)の平日の過ごし方を見ると、多くの人がテレビを見て過ごしています。「テレビが大好き」というのであれば趣味として良いことかも知れません。しかし、もし自分の好きなことや趣味をして生き生きと過ごしているイメージがあまりわかない場合は、今のうちから人生設計について考えてみるのはいかがでしょうか。

体の健康+心の健康=真の健康寿命

「健康寿命(Health life expectancy)」という言葉を聞いたことがありますか?2000年にWHO(世界保健機関)が提唱した概念で、「日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のこと」を表します。厚生労働省では「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされており、2016年の男性の健康寿命は平均72.1歳、女性は平均74.8歳というデータが示されています。定年を60歳と考えると、約12~15年間が体に不自由さを感じること無しに過ごせる時間ですね。

健康とは?

この場合の「健康」とはどのような状態でしょうか?WHOによる「健康」の定義は、「身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない」とされています。しかし、「健康寿命」の計算方法には、「精神的・社会的に良好な状態」というものが含まれていません。
このことから、体が問題なく動き、心も元気で、社会的なつながりもある、ということが「真の健康寿命」と考えた場合、あなたの「真の健康寿命」は何歳くらいになると思いますか?定年退職後の生活をイメージして、心躍る趣味や生きがいもなく、楽しく語り合える友人や仲間もおらず、なんとなくテレビばかり見ている生活になりそうであれば、あなたにとって60歳くらいが「真の健康寿命」かもしれません。「真の健康寿命」を延長するには、心の健康や社会的に良好な状態を保つための何らかのアクションや準備をしておくことが重要と言えます。

心の健康を保つには?

では、どのようなことが心の健康につながるのでしょうか?
心と体は連動しており、体調が良くないために、気分が鬱っぽくなったり、逆に精神的に参ることがあったりした場合に、体に負担が来ることが往々にしてあるので、心と体の両方をメンテナンスしていくことが重要です。体については「痛い、苦しい」などの症状が出やすく、病院での検査もわかりやすい数字や画像で表れるので、意識しやすいかと思いますが、「心の健康」は血液検査のようにわかりやすい客観的なデータもなく、心の疲れが増すと、辛いことが辛いと自覚できなくなります。「心の健康」のバロメーターは、「寝ること」「食べること」「体を動かすこと」がちゃんとできているか、「楽しいこと、悲しいこと」など、自分の気持ちの動きがちゃんとあるか、集中して取り組むことができるか、などを日々モニタリングしていくことが大事です。そして、何よりも、「あれ?ちょっといつもと違うな」と気づいてくれるような仲間がいることが大切です。

まとめ

コロナ禍による弊害で人と接することなどに制限が出てしまいました。ですが、感染予防にも気を付けて、人生100年時代を生き生きと過ごすために、「真の健康寿命」を延ばす取り組みを今から始めてみませんか?