コラム2021/03/03
食後高血糖を抑える「セカンドミール効果」って何?Vol.3
食後高血糖を抑える「セカンドミール効果」って何?Vol.3
野菜を最初に食べる「ベジファースト」は、今や“常識”とまでいわれています。1度の食事だけを考えると、野菜から食べることはもちろん健康効果を期待できるやり方です。でも、それに加えて「セカンドミール効果」を考えてみてはいかがでしょうか。今回は、先日ご紹介したセカンドミール効果を発表したジェンキンス博士が提唱したGI値についてのお話です。
GI値とは何?
セカンドミール効果を発表したジェンキンス博士は、GI値を提唱したことでも知られています。GI値とは、ブドウ糖の血糖上昇率と比較して、食品ごとにどれほど血糖値を上昇させるかを数値化したものです。ブドウ糖を100とした場合、80以上はGI値が高く、49以下は低いという形で分けられます(50~79は中間=中GI値)。つまり糖質を多く含む食品ほどGI値が高く、血糖値を上昇させやすいことを意味しています。
GI値の高い食品、低い食品とはどんなもの?
□主食
主食でGI値が高いものはパンや精白米、うどんなどです。低いのは全粒粉のパスタや玄米がゆなどです。つまり、精製された小麦粉や米などは、GI値が高くなる傾向があることがわかります。そばや玄米などは中間に分類されます。
□野菜
野菜でもGI値が高いものがあります。ジャガイモやニンジンなどです。中GI値の野菜類はカボチャやトウモロコシ、里芋、さつまいもなどが挙げられます。根菜やイモ類は、GI値が中間から高いものが多いといえます。トマトやキャベツ、タマネギ、レタスなどは低GI値の野菜です。根菜類のなかでも大根はGI値が低い食材です。
□魚・肉類
魚・肉類ではGI値の高いものは少なく、ほとんどが低GI値の食品です。中GI値の食品ではかまぼこ、ちくわといった魚肉加工品とウニなどが挙げられます。牛レバーやベーコン、チャーシューも中GI値です。
□きのこ類と海藻類、乳製品
きのこ類と海藻類、乳製品は全般的にGI値が低いため、血糖値が気になる場合には、これらの食品を積極的に摂るようにしましょう。 チョコレートやドーナツ、キャンディなどはGI値が高く、クッキーやポテトチップスも低くはありません。これらの食品を朝食代わりにしたり、間食で食べ続けることは避けたほうがいいでしょう。
GI低値の食品摂取=血糖値の急上昇予防!?
GI値の低い食品を多く摂ることが、血糖値の急上昇を防ぐことに結びつきます。そして、朝食で血糖値の上昇しにくい食品=低GI値の食品を食べると、昼食後の血糖値の上昇を抑える効果が期待できるとジェンキンス博士は唱えています。
まとめ
昼食にもバランスのとれた食事を摂るに越したことはありません。しかし、時間に追われる現代人にとって、1日3食すべてをバランスのとれた食事にすることはなかなか難しいでしょう。ならばせめて朝食を重視することで、生活習慣病などのリスクを減らせるように簡単にできることから食事を見直してみましょう。