コラム2021/01/27
高齢者の不眠(ふみん)はなぜ起こる?
高齢者の不眠(ふみん)はなぜ起こる?
高齢者の方々の中には「眠りが浅くなった」と不眠の悩みを抱えている方が多くいます。「朝早く目覚める、夜中に何度も起きる」などの症状を訴えている方も珍しくありません。今回は、高齢者の不眠について、原因と対策をご紹介いたします。
不眠とはどんな症状?
不眠の症状は、大きく2つに分けられ、体内時計のリズムの乱れ」によって起きていると考えられます。
早朝覚醒:朝早く目覚める状態
中途覚醒:夜中に何度も目覚める状態
高齢者の不眠の原因は?
□睡眠の必要量が減る
高齢になると、仕事や育児などの日中の仕事が減少します。 それに伴い、若い頃と比べて消費エネルギー量も少なくなり、必要とされる睡眠時間も減っていきます。
□最高体温が低下する
人の体は、1日の中で体温が変化しています。
体温が「最も低い時」 ⇒ 起床する前
体温が「最も高い時」 ⇒ 就寝する前
朝目覚めてから体温が上昇、就寝前にピークになってからは、また低下していきます。体温が下がると、エネルギー代謝が抑制され、脳を休ませることができます。高齢者は、最高体温が低く、体温を下げるのに必要な時間も短くなるために、睡眠時間も減少する傾向があります。
□睡眠ホルモンの減少
睡眠を促すホルモンの「メラトニン」により、人の体は眠気を感じるようにできています。
年齢を重ねると、この分泌量が減少します。
そのために、寝付けなかったり、寝てもすぐに目が覚めてしまいます。
不眠の対策は?
□寝つきが悪い場合
まず、生活リズムが以前よりも前倒しになっていないか確認しましょう。
※「食事・入浴・就寝」が早い場合は注意!
上記のような場合、本来眠くなる時間より前に床についている可能性が考えられます。
寝つきが悪い場合、眠気と就寝のタイミングを少しずつ調整していくことが大切です。
「眠くなってから布団に入る」
「朝は決まった時間に起きる」 など
□夜中に目が覚める場合
実は、年齢を重ねるごとに深い眠りが減少し、浅い眠りの時間は相対的に長くなります。
60代の平均睡眠時間は約6時間で、これ以上は寝ようとしても浅い眠りが増えるか、目覚めてしまいます。
高齢者は睡眠時間が減ると理解し、必要とする睡眠時間だけ眠れば十分と覚えましょう。
※「6~7時間ほどの睡眠」が適切です!
□朝早く目が覚める場合
この症状は、男性に多く見られ、生活リズムが前倒しになってしまうことが原因です。
まずは、朝起きる時間を一定に保ちましょう。
高齢になって睡眠時間が減ったとはいえ、毎日変化しているわけではりません。
現在、必要な睡眠時間が何時間かを知ることが大切です。
体内時計を整える方法
体内時計の狂いが「高齢者の睡眠の乱れ」へと繋がります。 以下のポイントを参考にし、生活リズムを調整していきましょう。
生活リズムの確認項目
● 朝は決まった時間に起きる
● 日中は外出し、太陽の光を浴びる
● 適度な活動で、ほど良い疲労感を得る
● 睡眠の1時間前に入浴する
加齢とともに、睡眠の質や時間も変化します。
「起床時間が、毎日の生活と合ってない」
「睡眠が浅くて、何度も起きてしまう」
上記のように感じた場合は、現在の自分が必要とする睡眠時間を把握して、生活リズムを調整することが大切になります。
番外編:寝れない時の対策法
今日から始めることも出来るので、是非参考にしてみてくださいね。
✓寝る前に好きな香りのアロマを焚いて眠りにつく。
✓枕を変えてみる。
✓寝る前に簡単なストレッチをしてから布団に入る。
まとめ
今回は、高齢者の不眠について記載しました。眠れないならちょっと環境や習慣を変えてみるのはいかがでしょうか。「朝から元気に活動して、夜は早めに休む」を心掛け、質の高い睡眠を目指しましょう!