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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

コラム2021/01/20

高齢者向けの便秘解消法~「排便体操」で便秘の克服~

高齢者向けの便秘解消法~「排便体操」で便秘の克服~

歳を重ねるにつれ、便秘の悩みを持つ人が増加傾向にあるのをご存じでしょうか?その原因として、食習慣や服用中の薬の影響、運動不足などさまざまなものが考えられます。便秘解消の中には、薬を服用するという方法もありますが、日常生活の工夫で便秘を解消していくことも大切です。今回は、便秘を解消する「排便体操」についてご紹介いたします!

「仰向けの状態」で排便体操

膝抱え
1. 仰向けで、膝を立てた状態になります。
2. 地から足を離し、胸の位置で膝を抱えた状態で「5秒間」静止します。
3. お尻が浮くように、反動をつけてリズミカルに軽く揺り動かしてください。

10回を1セットで、2~3セット行いましょう。
※両足が難しい場合には、片足ずつでもOK!

□ここがポイント!
● お尻が床から浮くこと
● みぞおち、おへそ、下腹部の3点が近づいてお腹にシワができるようにする

介護者がいる場合には、膝を顔のほうに寄せる感じに押してあげましょう。
膝や股関節に違和感を覚えたり、痛みを感じる時は お尻を支えて揺らすようにしてください。

「仰向け」腹式呼吸

1. 口をすぼめてゆっくりと息を吐きながら、お腹をへこませ、できるだけ息を吐きます。
2. 全身の力を抜き、自然と息を吸います。

※上記の呼吸法を、10回以上行って下さい。

□ここがポイント!
そばに人がいる場合には、お腹に手を添えて、少し押してもらいましょう。
※腹式呼吸のコツがつかみやすくなります!

・「の」の字マッサージ
大腸の形に沿って「の」の字を描くように行うマッサージです。

1. おへその下
2. 右下腹部
3. おへその上
4. 左下腹部

1~4の順に、時計回りに手のひらで 10回円を描くように指圧します。
(力加減は、押したときに1~2cm沈む程度)

5. 左の腰骨の出っ張り部分~内側の下部分にある箇所(S状結腸の上)を、 手のひら、もしくは親指の根元でゆっくり10回押します。
※上記の流れを、2セット行います。

□ここがポイント!
マッサージをする際は、腹部の緊張を解くために膝を少し曲げると良いですよ。

・「座った状態」で排便体操

腹式呼吸

1. 椅子に座ってお腹に手を当てます。
2. 口をすぼめ、ゆっくりと息を吐きます。
3. 全身の力を抜き、鼻から吸い込みます。
(お腹が膨らんでいることが重要)

※上記の流れを、10回以上行います。

□ここがポイント!
息を吐くときは上体を前傾に、吸うときは身体を起こすようにすると良いですよ!

・上体を左右に「ずらす」

1. 椅子に座って背筋を伸ばし、腕を左右に床と平行になるまで上げます。
2. 腕を床と平行にしたまま、腰から上を右にずらし「3秒間」維持します。
3. もとの体制に戻し、次は左にずらします。
※上記の流れを、20~30回行います。

□ここがポイント!
腕が上がらない場合は、肩が下がらないように注意すれば大丈夫です。 「ひねる」のではなく「ずらす」ことを意識してみましょう!(その際は、上体の向きはできるだけ維持)

・「押し合い」腹筋トレーニング

※この体操には「パートナー」が必要です。

1.相手と向き合うように、椅子に座ります。
2.お互いに腕を前に伸ばし、手を組みます。
3.1回「5秒」のペースで押し合います。

※上記の流れを、5回行います。

□ここがポイント!
肘が曲がる、体が傾くと腹筋が働きません。
「お腹に力がかかっていること」を意識して、実践してみましょう!

まとめ

今回は「排便体操」について記載しました。高齢者の場合、姿勢の悪さや筋力低下・活動量の低下が原因で便秘になることが多いです。そのため、姿勢を維持する為の筋肉や、いきむ為の腹筋に刺激を与えることが大切です。簡単な「ストレッチ」も効果があります。ご自身のからだとも相談しながら、日々の生活の中により多くの運動を取り入れましょう!