コラム2021/01/04
介護ロボットをどう使う?~国も無料窓口でアドバイス~
介護ロボットをどう使う?~国も無料窓口でアドバイス~
「言うのは簡単だよ」「実用的じゃない」。そんな言葉をしばしばお聞きします。
ICTやクラウドサービス、センサー、介護ロボットなその最先端技術を用いたソリューションの介護現場での有効活用は大きな期待が寄せられている一方で、導入に対する困難感や、不安を多くの方々が口にしています。
そういった状況に対し、最新のソフト・ハードの導入について、専門家による相談対応や伴走的なサポートを受けられる事業者向けの相談窓口が、今夏から全国規模で開設されています。北海道から九州まで11か所。愛知県では国立長寿医療研究センター 健康長寿支援ロボットセンター(〒474-8511 愛知県大府市森岡町7-430)が相談の窓口となっておりビデオ通話などを通じたWEB相談も可能となっています。
厚生労働省が後援しているもので、補助金などの支援策も詳しく教えてもらえます。
<相談窓口公式サイトはコチラ↓↓↓>
https://www.kaigo-pf.com/
“どう使うか”がキーワード
相談窓口ではそもそもどんなソリューションがあるのか、それを使うことでどんな効果が得られるのか、体験展示もあって一から説明を受けられます。予備知識がなくても全く問題ありません。運営サイドは“適切な活用方法の共有”に注力しています。いくら革新的なツールでもうまく機能させるためには適切なマネジメント・オペレーションが必要不可欠だからです。
窓口では介護サービスの種類、事業所の規模、、製品のタイプなどに応じて、過去の導入事例から得られた正しい運用のノウハウをレクチャーしてくれます。現場で試しに使う試用品の貸し出しも行っています。
まずは課題の見える化を
専門家に自身の職場の実情を伝え、多角的なアドバイスを受けられるメリットは非常に大きなものです。ベクトルをどう向けるかがはっきりするほか、新たな視点・知見が得られるので、結果として目的達成の確立、スピードを上げることができます。
窓口の運営を担うNTTデータ経営研究所の足立圭司氏はこう語っています。「まずは個々の現場の課題を見える化することが非常に大事、そのうえでマッチするソリューションをみつけ、事業所にとって最適なオペレーションを模索していく。そうした伴走的なサポートを重視しています。」
新型コロナウィルスの感染拡大が続く中、WEB相談という選択肢も用意されています。複数の職員で同時に話を聞いたり、相談窓口へのリードタイムを短縮することができるほか、リアルの窓口とは違い、その場にいない専門家へすぐにつなげるなどの柔軟な対応も取りやすいそうです。
適切な期待値を持つことも大切
現在では様々な企業が開発へと乗り出し、ソリューションも急激に進化し続け、以前に比べてかなり使い勝手の良いものも多く排出されています。それでもやはり、新たな機器の導入には負担もかかるもの。活用方法のポイントを掴み、すでに慣れ切っている仕事の流れを変えていくプロセスでは、どうしても一定の追加的な労力が必要になります。
大切なのは、「良くなるのはそれを乗り越えてから」という意識をしっかりと持つことです。初めてパソコンを使い始めたとき、はじめてスマホを使うようになったときと同じように多くの職員が無理なく対応できるようになると、業務効率が向上したことが目に見えて現れてきます。
NTTデータ経営研究所の足立氏は、「新たな技術を導入した初日から、すぐに負担が軽減するということはあり得ない。適切な期待値をもってもらうことも非常に重要」と指摘し、「新たな技術を使うだけで、目の前の課題が一気に解決されるわけでもない。導入に伴い、ほかに取り組まなければならないことも出てくる。窓口ではそうした点も含め、業務改善やサービスの質の向上につながる支援をトータル的に実施している」といいます。
まとめ
今回は、国のロボット導入の相談窓口のご紹介を致しました。新たな技術を活用して業務改善を図ることは今後も事業を継続していくために避けては通れないミッションです。高齢者人口の増加により介護ニーズは増加していく一方で、人口減によってマンパワーの確保は一段と困難になります。サービスの質を担保しつつ、業務効率の向上、職員の負担軽減、職場環境の向上を実現していかなければなりません。あらゆる課題に対して、人の手で解決するという前提ではなく、「テクノロジーを活用できないか」という目を持つことが非常に重要です。
厚生労働省も、今後さらにこうした分野でインセンティブを拡大していく構えとなっています。無料の窓口がある今、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。