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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

脳卒中の警告サイン、すぐに救急車を!

コラム2020/10/14

脳卒中の警告サイン、すぐに救急車を!

脳卒中の警告サイン、すぐに救急車を!

歩けなくなったから往診に来てほしい、訪問したらめまいを訴えていてどうしようもできないなど初回の往診対応のご依頼を頂くケースもありますが、状況によっては緊急搬送のほうが良いこともあります。なぜそうなのか、どういう可能性があるのかという中で今回は脳卒中についてお話致します。

脳卒中とは

脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、脳が障害を受ける病気です。 脳卒中を発症すると、障害を受けた脳が司っていた身体機能や言語機能が失われたり、場合によっては死に至ることもあります。 脳卒中には、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、破れる「脳出血」や「くも膜下出血」があります。

脳卒中の代表的な症状

もし下記の様な症状が一つでも”突然に”生じたなら、直ちに救急病院、または脳神経外科や神経内科のある病院にかかってください。
□ 突然出現した顔、手足のしびれ、または脱力感。特に右側の手足、あるいは左側の手足といった片側だけに起こった場合
□ 突然出現した言葉の障害あるいは混乱状態。舌がもつれた感じ、言いたいことが言えない、相手の言葉が理解できないなど
□ 突然出現した片目、あるいは両目が見えない、見えにくくなる症状。
□ 突然出現しためまい、歩行障害
□ 突然出現した原因不明の激しい頭痛

突然次のような症状が生じたら救急車を!

□突然、目が見えなくなった、あるいは、見えにくくなった
□突然、めまいに襲われたり、うまく歩けなくなった
□突然、激しい頭痛に襲われた
□突然、顔や手足がしびれたり、脱力感が出現した
□突然、言いたいことが言えなくなったり、相手の言葉を理解できなくなった

どうして早く病院へ行った方がいいの?

脳卒中を疑ったら、躊躇せずに直ちに119番に電話して救急車を呼んで下さい。”脳卒中を起こしたら動かしてはいけない”というのは大きな間違いです。一刻も早く専門病院での治療が必要です。できる限り早く、正確な診断をして治療を開始するほど、良い治療結果が期待できます。 意識を失って風呂場やトイレで倒れた場合には、注意深く居間に運んで、呼吸がしやすい楽な姿勢で横にして、救急車の到着を待ってください。また、嘔吐があった場合には、吐物で窒息することのないように気をつけてください。
特に脳梗塞の場合には、発症してから数時間以内に治療を開始すれば、症状を早期に回復させ、後遺症を最小限にくいとめることができる可能性があります。また、上記のような症状が出現した後、数分間で全て回復してしまったとしても安心はできません。これは” 一過性脳虚血発作”と言って大きな脳梗塞の発作が起こる前触れであり、重要な危険信号です。直ちに専門医を受診してください。

ACT FAST

米国脳卒中協会では、脳卒中を疑う人に対して、3つのテストをすることを推奨しています。そのうち1つでもあれば脳卒中を疑います。「ACT FAST」というキャンペーンです。
Face:フェイス・顔
笑って下さい
片方の顔が下がっていませんか?
口角が下がっていませんか?

  • Arms:アーム・腕

両手を挙げてください
片方の手が下がってきませんか?

  • Speech:スピーチ・言葉

簡単な文章を言って下さい
ろれつがはっきりと回っていますか?
文章を正しく繰り返せますか?
言葉が理解できていますか?

  • Time:タイム・時間

これらの症状がどれかひとつでもあれば、時間が勝負です
119番に電話するか一刻も早く病院に行って下さい
脳梗塞は1分1秒でも早く治療を開始することが大切です
脳細胞はどんどん死滅していきます

脳梗塞の症状は3つの「ヘン」:日本脳卒中協会

日本脳卒中協会では、
口がヘン!
言葉がヘン!
手がヘン!
と3つの「ヘン」な症状が「突然に」現れたら、脳梗塞のサインなので すぐに救急車を呼んで(119番をして)、病院へ行くことを推奨しています。

まとめ

モニタリングで訪問されたときなど状況が一変してるところに出くわす可能性はありますよね。本人を外来受診させられないから往診をお願いするというのも一手ですが、状況によっては緊急搬送のほうが良いこともあります。早期発見、早期治療のため注意しましょう。