よくある質問
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きれい好きだった妻が、認知症と診断されてから入浴を相談者より嫌がるようになりました。
高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。
「お風呂って気持ちいい!」を思い出す声かけと工夫を
入浴は身体を清潔に保つだけでなく夜の睡眠効果を促し、血行循環や代謝機能を高め、褥瘡の予防にもつながる大切な行為です。しかし認知症の症状が進むとお風呂が好きだった人が入浴を拒否するケースが多くあります。本人には入りたくない理由があるのです。
高齢者になると認知症に限らず体力が落ち、入浴を面倒だと感じる場合があります。加えて、認知機能の衰えから入浴手順が分からなくなったり、不安感から裸になることに抵抗を感じているのかも。まずは本人が入浴に納得していることが大切です。拒否されても「お風呂に入らないとダメ」というような無理強いは控えましょう。まずは本人が納得しそうな理由や、興味を引く声掛けで工夫して。例えば入浴剤を入れて「温泉に入りましょうか」と声を掛けてみては? お風呂の気持ち良さを思い出してもらうための足浴や手浴などの部分浴もおすすめです。一人で入ることを不安がる場合は「私が手伝うので大丈夫ですよ」とサポートの姿勢を表してください。入浴の際はできるだけ本人が行い、できない部分を本人の習慣に合わせて手助けするよう心掛けましょう。また浴室は転倒などの危険も伴います。段差などの見直しをはじめ、滑り止めマットや手すりなどで入浴環境を整えましょう。またシャンプーなどのボトルの区別などに困っていないかを観察して、一人で入れる場合でも見守ってくださいね。
介助には体力を使います。無理をせずタイミングに合わせて訪問入浴やデイサービスを利用することを検討してください。入浴は週に2~3回程度で問題ないのです。入浴を拒否されても、本人が嫌がる理由を理解する思いやりを持って対応しましょう。「お風呂って気持ちいいもの」と思っていただくことが何より重要なのです。
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