よくある質問
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認知症の母と外出するときに注意することはなんでしょうか?
高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。
入念な準備とゆとりを持った予定をたてて五感を刺激して認知症の悪化予防を。
認知症の方のみならず、高齢になると外出の機会が減少し、家に閉じこもりがちになります 。しかし、外 出していろいろな人と触 れ 合い四 季 の 景 色を見たりすると五感が刺激され、認知症の悪化防止にもつながります。外出時には体力や疲れへの配慮と、行き先などの予定を事前に立てておくことがポイントです。
認知症の特徴として、脳が疲れやすいことが挙げられます。特にいつもと違う環境に置かれると、環境に適応しようとしてさらに疲れてしまいますので、長い行程は避け十分に休息がとれるよう、ゆとりを持った計画を立てましょう。トイレの場所は事前に確認し、早めにトイレを促すなどの配慮をします。また認知症の方は疲れてくると、なぜ今ここにいるのか、どこに向かっているのかがわからなくなり、不安を感じることもあります。目的地を何度も丁寧に伝え、パンフレットを見せるなどして、安心してもらいましょう。また体力や持久力、足腰の強さは個人差があるので、日頃からどの程度歩けるのかを把握しておくことが大切です。
外出時で特に気をつけることは「ちょっと待ってて」などと言って短時間でも一人にしないこと。本人は「はい」と言っても認知症の方は目の前に何か興味があると、言われたことを忘れてそちらに歩いていってしまいます。介助者は「トイレに行くぐらい」「レジの支払いをするぐらい」と簡単に思いがちですが、認知症の方はなぜここにいるのかがわからなくなり動いてしまいますのでご注意を。もしトイレに行くなら、二人で入れる身体障害者用のトイレをお すすめします 。また「お母さん、子どもの頃に戻って手をつなぎましょう」と言い、手をつないだり腕を組んだりしてスキンシップを図りながら外出すると、お母さんの顔にいつもより素敵な笑顔が見られますよ。くれぐれも手を離さず「ちょっと待ってて」と言って一 人にしないこと。疲れたら無理をしないで、介護タクシーなどの利用も考えてみましょう。
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