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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

よくある質問

  • 足腰が弱って歩くのを嫌がるようになった母に「シニアカー」を購入しました。気に入ってあちこち出歩くようになったのは娘としてうれしいのですが、交通事故を起こさないか心配になってきました。少し控えてほしいのですが、あまり乗るなとも言えず悩んでいます。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    ご家族が一緒になって、安全な乗り方について確認することが第一。乗る前の点検も重要なポイントです。

    「シニアカー」と呼ばれる「ハンドル型電動車いす」は、介護保険制度の福祉用具貸与種目の対象でもあるため、急速に普及してきています。足腰が弱くなり歩行が困難になってきた高齢者にとって、散歩や近隣へのお買い物などの行動範囲をご自身で広げることができるのは、生きがいにもつながっているのだと思います。

    警察庁の発表資料を見ると電動車いすの交通事故は年間180件前後発生しています。事故の多くが朝8時~正午の時間帯に発生していて、道路横断中が最も多いようです。電動車いすは道路交通法上では「歩行者」の扱いのため統計上には表面に出てきませんが、死傷者は年々増加しています。また、歩行者や自転車に対しては加害者にもなる乗り物ということも、意識して乗っていただく必要があります。

    ところで、お母さまは自動車運転免許を取得した経験はありますか? 実は、電動車いすを利用する高齢者の多くが「取得したことがない」と答えています。運転するときの正しい姿勢や乗降の仕方、発進や走行、停止の仕方、安全確認の方法に加えて、飲酒後は乗らない、乗っているときは携帯電話を使わないなどの運転ルールを、ご家族も一緒になって確認していただくといいでしょう。そして、バッテリーや電源ボタン、アクセル、ブレーキなどの安全点検は、ご家族が日常的に必ず実施するようにしてください。

    お母さまの認知機能や身体機能が衰えてきたと感じたら、よく話し合って乗ることを極力控えてもらうようにする方がいいですね。その際は、お母さまの楽しみを奪わないように、言い方などには十分配慮を。ご家族に気兼ねしないで、気軽に送迎を頼みやすい雰囲気づくりや関係づくりを日ごろから心がけてくださいね。

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