よくある質問
-
70歳になる父が近頃怒りっぽく、先日も外食時に箸が出てこないだけで店員さんを怒鳴りつけました。とても温厚な父だったのにと、家族みんな動揺しています。
高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネジャーが皆さまの疑問にお答えします。
■「傾聴」と「共感」で怒りの感情を抑えてあげましょう
以前は温厚だったお父さまが必要以上に怒っている姿を見ると、ご家族はどう接していいのか悩んでしまいますよね。性格の変化が起こる理由は、主に2つあります。1つ目は、老化に伴う脳機能の低下です。「怒り」の感情は脳の前頭葉が担っていますが、加齢などによって脳が萎縮すると、判断したり感情を抑えたりすることができにくくなってしまいます。これまで理性的に判断できたことも抑えが利かず、感情的になりやすくなるのです。2つ目は心の問題です。特に男性は定年後に人間関係が寂しくなる方も多く、社会的に孤立しがちです。人との関わりが薄れてしまうと自己肯定感が下がって、不満や不安がたまりやすくなるようです。
お父さまが感情のコントロールを見失わないためには、ご家族の協力が必 要 で す 。怒り始 め たときは 、否 定 をしな い で 、受 け 入 れるようにしてくだ さい。目線を合わせてしっかりと話を聞き“共感”してあげましょう。また、新しい行動や出会いなどは脳を刺激し、心の穏やかさにつながります。老人会や趣味の集まりなどへの参加を促してみてはいかがでしょうか。散歩などの運動も効果的です。エネルギーの発散ができる環境をつくって、気持ちを 昇 華させてあげましょう。
あらゆる感情の中で一番コントロールが難しいのが「怒り」。最初は小さな ことでも 、徐 々 に エ スカレ ートして 止 められ なくなることもあります 。今 の 時代、高齢者のカスタマーハラスメントが問題になっていますし、感情的なやり取りが続くとお父さまもご家族も疲れ切ってしまいます。怒る頻度が増えるなどの症状が強く出始めたら、うつや認知症、脳梗塞の初期段階かもしれません。ご家族だけで抱え込まずに医師に相談してみましょう。
新規で在宅医療を
お考えの方へ