よくある質問
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“通えてはいたけれど”の段階で支援が始まったケース
■ 基本情報
年齢・性別:91歳・女性
居住地:名古屋市中区
家族構成:本人と長男の2人暮らし(キーパーソン:長男)
市内に次男夫婦も在住
保険情報:後期高齢者医療(1割)/要介護3(1割)■ 主な健康課題
- 巨細胞性動脈炎/リウマチ性多発筋痛症(通院加療中)
- 虫垂膿瘍
- 腹部大動脈瘤
- 骨粗鬆症/圧迫骨折
- 帯状疱疹後神経痛
- 坐骨神経痛/腰部脊柱管狭窄症/腰椎すべり症
■ 訪問診療導入の背景
長年、大学病院でリウマチ性疾患の加療を受けていたが、圧迫骨折や神経痛による動作の不安定さが目立ち始め、外出自体に負担を感じるようになっていた。
定期通院は継続する方針であったものの、日常的な健康管理や体調の急変対応には限界があると感じ、通院の負担軽減と在宅支援の両立を目的に訪問診療を導入。
ご本人・ご家族ともに「何かあれば大学病院で対応してほしい」という意向が強かったため、訪問診療は“あくまで日常の見守りと支え”という位置づけで介入を開始した。
■ 支援中の経過
訪問診療開始後は、定期訪問に加えて、状態に応じた薬剤調整や注射対応を実施。
また、大学病院での診察希望が出た際には、紹介状の手配や情報共有の橋渡しを行い、希望に沿った医療連携を保っていた。その後、転倒による入院を契機に在宅復帰が難しくなり、施設入所へと支援の場が切り替えられることとなった。
在宅での支援は終了したが、それまでの訪問診療の関わりがあったことで、退院後の経過観察や医療情報の引き継ぎがスムーズに行えた。■ ADL・生活状況(訪問導入時)
- 食事・排泄・移動に部分的な介助が必要
- 通院は可能ではあるが、動作に不安定さあり
- 痛みや倦怠感に波があり、体調変動のフォローが求められる状態
■ 医療処置
- 注射対応(疼痛・炎症コントロール目的)
- 状態に応じた訪問頻度調整および紹介状対応
■ 一言まとめ
“通院はできているけど、そろそろ限界かもしれない”――その段階で支援を始めることで、急変や転機に備えた準備が自然と整っていく。
訪問診療は、「完全に在宅しかない」という状態よりも、その手前から入っておくことで、ご本人・ご家族の選択肢を広く保つ役割を果たせる。
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