よくある質問
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通院がつらいの一歩手前でできること「独居高齢男性の脱水傾向に気づき、早期に在宅医療を導入」
■ 基本情報
年齢・性別:80歳・男性
居住地:名古屋市守山区
家族構成:独居(独身)。兄弟は5人おり、1名は県内、他は遠方在住
保険情報:生活保護受給中
介護保険:要介護1(1割負担)■ 主な健康課題
- 高血圧症
- 下肢閉塞性動脈硬化症
- るいそう(著明な体重減少・栄養状態の低下)
■ 訪問診療導入の経緯
長年、近隣の医療機関にて外来通院を続けていたが、次第に体力低下やるいそうの傾向がみられ、腰痛などの身体症状で救急搬送を受けることが増えていった。
ある日、屋外で倒れて搬送されたが、大きな異常はなく脱水と診断され帰宅。以降も通院自体が負担となりつつあり、本人の体力や生活環境をふまえ、訪問診療への切り替えが選択されることとなった。
■ 在宅支援の内容と経過
訪問開始時点では、食事や排泄は自立しており、外出も短距離であれば可能であった。日々の生活に一定の主体性がある一方で、水分摂取の低下や食欲不振が断続的にみられ、脱水傾向への備えが必要な状態であった。
在宅医師による定期的な訪問により、急変時にもご本人や支援者が状況を把握しやすく、生活の中での安心感が高まっていた。
■ 支援の転機と生活の見直し
その後、再び脱水を契機とする体調変化があり、生活の場を見直す選択がなされ、施設入所へとつながった。
訪問診療の支援により、ご本人は慣れた環境の中で日常を維持する時間を持つことができた。その期間は、生活の見直しに向けた準備期間としても、一定の意味を持ったように思われる。
■ ADL・認知機能(訪問導入時)
- 食事/排泄:自立(総入れ歯使用、外出も可能)
- 入浴:自宅浴槽のまたぎ動作は難しく、週1回デイサービス利用
- 認知機能:HDS-R 25点(軽度の低下あり)
この事例は、通院継続に不安が出てきた高齢者において、どのように生活を支えていくかを考えるひとつの手がかりとなる。
訪問診療は、医療的処置だけでなく、「見守り」や「判断のタイミング」を支える役割も果たしており、こうしたケースでは特にその意味が大きい。
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