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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

よくある質問

  • 痛みをコントロールしながら、デイサービス利用を目指す94歳女性

    ■ 基本情報

    年齢・性別:94歳・女性

    居住地:名古屋市名東区

    家族構成:長女および長女の夫と同居(3人暮らし)/夫は既に死別

    保険情報:後期高齢者医療(1割負担)

    介護保険:要介護2(1割負担)

    ■ 主な診断(既往・現病歴)

    • 脊椎圧迫骨折
    • 両膝変形性関節症
    • 骨粗鬆症
    • 慢性腎臓病
    • 慢性心不全
    • 貧血
    • 認知症(HDS-R:19点)
    • 高血圧症

    ■ 訪問診療開始の背景と経緯

    もともと高血圧および脂質異常症のため近隣の医療機関を定期受診していたが、平成29年5月に胸痛と発熱を訴え、A病院を受診。検査の結果、上行結腸癌が判明し外科的手術を実施した。

    術後の化学療法は高齢を理由に見送られたが、入院を契機に認知機能の著しい低下がみられ、日中も臥床して過ごす時間が増加。退院後は長女が服薬管理や生活全般の支援を担っていたが、認知症は徐々に進行し、さらに脊椎圧迫骨折を発症したことでADLが大きく低下した。

    こうした身体的・認知的な変化から、今後の生活は通院よりも在宅支援が適切と判断され、当院にて訪問診療を導入することとなった。

    ■ ご家族の意向とケアの方向性

    キーパーソンである長女は、「痛みの管理さえできれば、母は座ることができ、いずれはデイサービスにも通えるのではないか」と希望を述べた。

    在宅生活におけるご本人のQOL向上と、ご家族の介護負担軽減の両立を目指し、チーム内でこの意向を共有。現在は、訪問診療に加え訪問マッサージなど非薬物的アプローチも取り入れ、疼痛緩和を中心とした支援を実施中である。

    今後は、痛みの軽減を図りながら座位保持を促進し、可能であればデイサービス利用へとつなげることを短期目標としている。

    ■ 現在の医療的対応

    特別な医療処置はなし

    内服管理・観察と疼痛評価を中心に実施中

    在宅医療と訪問系サービスが連携することで、「できることを取り戻す」ことを目指した支援が行われているケースである。身体的・精神的な制約がある中でも、ご本人とご家族の「小さな目標」を支えることの意義が大きく感じられる支援例である。

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