よくある質問
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受診拒否が強く月1回での訪問診療介入
<症例>
女性 82歳
<住所>
名古屋市千種区
<家族構成>
娘と2人暮らし 遠方に息子1人
<保険情報>
後期高齢者医療保険 1割負担
介護保険 未申請
<疾患>
高血圧症
<導入の経緯>
反復的な発言:同じ話を何度も繰り返す。家族や近隣住民の間でも認識されている。
エピソード:
– 夜間に月1回程度、大声をあげることがある。
– 昼間にも叫ぶことがあると推察されるが、同居の長女は不在時が多く詳細は不明。
日常生活の状況
生活自立度:身の回りのことはすべて自分で行っている。
買い物・外出:自分でマックスバリュまで買い物に行き、食事も自分で用意。
物品への執着:ティッシュ、トイレットペーパー、ガムテープなどに強いこだわりあり。
金銭管理:自身で行っており問題は見られない。
健康状態
血圧:2024年8月に200超の記録あり。
現状:上記受診歴なし。持病があるか不明。
受診拒否強いため月1回の診察、精神科介入も含め当院で訪問診療開始となる
<導入後の経緯>
本人の状態:
– 訪問診療時、接触を拒否。身体測定や血圧測定も不可能。
– 自ら「生活を変えて治す」と発言し、治療拒否の姿勢を示す。
– 日常生活は自立しており、金銭管理や家事も問題なく行えているが、入浴は不規則で長時間入浴の傾向あり。
– 精神科的問題として、認知症や統合失調症、パーソナリティ障害の可能性が考えられる。
娘様の状態:
– 夜間の独り言や叫びがあり、母の行動で睡眠が妨げられている。
– 娘様自身も内科的・整形外科的な不調を抱え、心身ともに疲弊している。
– 過去に母を包丁で刺すなどの家族内暴力のエピソードあり、心理的負担が非常に大きい。
長男様の意見:
– 同居する姉(娘様)の状況を懸念しており、母娘の別居を希望。
– 金銭的な問題があるため、具体的な対応に課題あり。
問題点
高血圧の管理不全:8月時点で血圧200超。降圧治療が必要だが、本人が治療を拒否。
精神科的問題の疑い:認知症のBPSDや統合失調症、長期間未治療の精神疾患の可能性。
家族の心理的負担:同居娘様が著しく疲弊しており、母娘間の別居が最善策と考えられるが、経済的な課題あり。
福祉的支援の不足:現状、医療介入よりも福祉的な支援が求められている。
精神科的なフォローの必要性が高く、地域包括ケアや福祉サービスの連携が鍵となる事例です。
家族とともに持続的なサポート体制を構築していく方向で進める必要があります。
<医療処置>
無し
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