よくある質問
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末期がんの方への訪問診療介入
<症例>
男性 74歳<住所>
名古屋市千種区<家族構成>
本人、妻、長女、義息子、孫の5人暮らし<保険情報>
後期高齢者医療保険 2割負担
介護保険 新規申請<疾患>
胆のう癌 肝転移 腹膜播種<導入の経緯>
2023/10 腹痛、発熱あり近医受診。黄疸を認めたためM大学病院消化器内科受診。精査の結果、胆嚢癌肝門部浸潤による閉塞性黄疸と診断。
胆管にプラスチックステント留置、多発肝転移、腹膜播種も認め切除不能StageIV胆のう癌として化学療法施行。
2024/1/24 発熱、胆道系酵素の上昇、ステント閉塞による胆管炎と診断。
2024/1/26プラスチックステントで内瘻化し胆管炎は改善。CTでは化学療法の効果は乏しい状況。
2024/2/2 自宅退院。食欲低下が著明で全身状態悪化。化学療法継続は困難で緩和療法が主体となる見込みである。
2024/3/1寝たきり状態で痛みを我慢している様子で食事は殆どとれてなく、エンシュアも飲めてない、それ以外の水分は何とか取れているとのことで娘様から連絡あり。
外来通院困難の為当院に訪問診療依頼となる。<導入後の経緯>
2024/3/4初診
全身状態はまずまずだが、吐き気あり右上腹部痛、倦怠感もありトイレ歩行は可。初診時より訪問看護ステーション介入となる。・疼痛コントロール
オピオイド導入、ナルサス4mgで開始・栄養
経口摂取は少量のみ
補液、またはTPN検討(左鎖骨下CVポートあり)緩和ケア病棟エントリーならK総合病院。基本は在宅希望。エントリーは希望されたので情報提供書作成。2024/3/11 腹痛。嘔吐ありM大病院に搬送。
2024/3/13呼吸不全。SpO2測定不能とのことで、緊急往診、在宅酸素療法導入。発熱あり。CTRX2.0gを投与して苦痛緩和に努める。発熱の原因は、腫瘍熱、細菌感染など考えられる。
リンデロン投与しており、嘔吐で搬送された経緯を踏まえると、誤嚥による発熱を現時点では第一に考えるので、抗生剤を開始、経過によって状況判断としていく。倦怠感、食思不振。経口ステロイドから、リンデロンに変更されて、倦怠感、食思不振は落ち着いている。腹水。利尿剤は、経口摂取できなくなってoffされている。腹部膨満あり。疼痛。アブストラル舌下錠100。3/13 2:40 8:30 1:30 レスキュー使用
今回より フェントステープ1mg(ナルサス 4mgより増量)。便秘症。念のためレシカルボンで対応できるように対応。皮膚乾燥。保湿剤で対応。2024/3/15疼痛コントロール良好。倦怠感や嘔気もなく、症状落ち着いている。
イレウスはあるかもしれないが、現在の腹部膨満は腹水によるもの。
緊満感は強くなく、まだ腹水穿刺までは不要な印象。
2024/3/19全身状態悪化によりご逝去された。<医療処置>
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