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よくある質問

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もう悩まない!高齢者介護 ベテランケアマネが疑問にお答えします!

  • 離れて暮らす母(75歳)が「冷房はもったいない」とエアコンをつけてくれません。熱中症にならないかと心配しています…。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    節電意識が高い高齢者にはこまめな声掛けで熱中症対策の習慣づけを。

    高齢者の中には「冷房はもったいない」「身体に悪い」などの理由から、夏でもエアコンに頼らない方がいます。高齢者は成人に比べて体内の水分量が少なく、温度の変化を感じにくくなっています。とりわ け 認 知 症 の 方 は 季 節を認 識できず夏でも重ね着をしているなど、熱中症のリスクは高まります。高齢者がエアコンをつけない、つけてもすぐに消してしまう理由はさまざまですが、60歳以上は他の年齢層に比べて節電意識が高いことが分かっています。加えて防犯のために窓を開けない、夜間にトイレで起きないよう水分を控えるといった習慣を持つ人も少なくありません。また、リモコンのボタンが複雑で操作が分からないという方もいらっしゃいます。熱中症の発生場所は住居が最も多く、室温30℃湿度75%を超えるとリスクが一気に高まります。真夏日や熱帯夜に室内で過ごす場 合 、積 極 的 に エア コン を 使 い 、十 分 な 水 分 補 給 を 行 い ましょう。

    離れて暮らしている場合は「エアコン使っている? お茶をしっかり飲んでね?」とこまめに電話してみてはいかがでしょうか。コミュニケーションがとれる上に安否確認ができて一石二鳥です。一人にする時間が長い場合は、飲み物を入れた容器とコップを置いておき、残りの水分量のところに印を入れておけば、日中の水分摂取量が目で見て確認できます。もちろん、エアコン以外の熱中症予防策も効果的。窓を開ける、扇 風 機をつけるよう積 極 的に声を掛けましょう。タオルで 保 冷 剤をくる んで 首 に 巻くだ け でも涼しくなりますよ。さまざまな 熱 中 症 対策 グッズを活用して、暑い夏を元 気に過ごしましょう。

  • きれい好きだった妻が、認知症と診断されてから入浴を相談者より嫌がるようになりました。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    「お風呂って気持ちいい!」を思い出す声かけと工夫を

    入浴は身体を清潔に保つだけでなく夜の睡眠効果を促し、血行循環や代謝機能を高め、褥瘡の予防にもつながる大切な行為です。しかし認知症の症状が進むとお風呂が好きだった人が入浴を拒否するケースが多くあります。本人には入りたくない理由があるのです。

    高齢者になると認知症に限らず体力が落ち、入浴を面倒だと感じる場合があります。加えて、認知機能の衰えから入浴手順が分からなくなったり、不安感から裸になることに抵抗を感じているのかも。まずは本人が入浴に納得していることが大切です。拒否されても「お風呂に入らないとダメ」というような無理強いは控えましょう。まずは本人が納得しそうな理由や、興味を引く声掛けで工夫して。例えば入浴剤を入れて「温泉に入りましょうか」と声を掛けてみては? お風呂の気持ち良さを思い出してもらうための足浴や手浴などの部分浴もおすすめです。一人で入ることを不安がる場合は「私が手伝うので大丈夫ですよ」とサポートの姿勢を表してください。入浴の際はできるだけ本人が行い、できない部分を本人の習慣に合わせて手助けするよう心掛けましょう。また浴室は転倒などの危険も伴います。段差などの見直しをはじめ、滑り止めマットや手すりなどで入浴環境を整えましょう。またシャンプーなどのボトルの区別などに困っていないかを観察して、一人で入れる場合でも見守ってくださいね。

    介助には体力を使います。無理をせずタイミングに合わせて訪問入浴やデイサービスを利用することを検討してください。入浴は週に2~3回程度で問題ないのです。入浴を拒否されても、本人が嫌がる理由を理解する思いやりを持って対応しましょう。「お風呂って気持ちいいもの」と思っていただくことが何より重要なのです。

  • 認知症の母と外出するときに注意することはなんでしょうか?

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    入念な準備とゆとりを持った予定をたてて五感を刺激して認知症の悪化予防を。

    認知症の方のみならず、高齢になると外出の機会が減少し、家に閉じこもりがちになります 。しかし、外 出していろいろな人と触 れ 合い四 季 の 景 色を見たりすると五感が刺激され、認知症の悪化防止にもつながります。外出時には体力や疲れへの配慮と、行き先などの予定を事前に立てておくことがポイントです。

    認知症の特徴として、脳が疲れやすいことが挙げられます。特にいつもと違う環境に置かれると、環境に適応しようとしてさらに疲れてしまいますので、長い行程は避け十分に休息がとれるよう、ゆとりを持った計画を立てましょう。トイレの場所は事前に確認し、早めにトイレを促すなどの配慮をします。また認知症の方は疲れてくると、なぜ今ここにいるのか、どこに向かっているのかがわからなくなり、不安を感じることもあります。目的地を何度も丁寧に伝え、パンフレットを見せるなどして、安心してもらいましょう。また体力や持久力、足腰の強さは個人差があるので、日頃からどの程度歩けるのかを把握しておくことが大切です。

    外出時で特に気をつけることは「ちょっと待ってて」などと言って短時間でも一人にしないこと。本人は「はい」と言っても認知症の方は目の前に何か興味があると、言われたことを忘れてそちらに歩いていってしまいます。介助者は「トイレに行くぐらい」「レジの支払いをするぐらい」と簡単に思いがちですが、認知症の方はなぜここにいるのかがわからなくなり動いてしまいますのでご注意を。もしトイレに行くなら、二人で入れる身体障害者用のトイレをお すすめします 。また「お母さん、子どもの頃に戻って手をつなぎましょう」と言い、手をつないだり腕を組んだりしてスキンシップを図りながら外出すると、お母さんの顔にいつもより素敵な笑顔が見られますよ。くれぐれも手を離さず「ちょっと待ってて」と言って一 人にしないこと。疲れたら無理をしないで、介護タクシーなどの利用も考えてみましょう。

  • 高齢の親を自宅でみていたのですが、認知症があり手に負えなくなり、介 護 施 設への入居を検討しています。選び方のポイントを教えてください。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    本人の希望を優先しつつ家族にも無理がない施設選びを。

    認知症は長期的な介護となるケースもありますので、入居後に本人も家族も満足できる施設選びが大切かと思います。どの地域を選ぶのか、自立した生活を楽しむかにより、大きく違ってきます。環境が変わることで戸惑い、負担になることもありますので、ご本人の希望を優先して、できるだけ無理のない地域・施設を選ぶようにしましょう。

    高齢化の進展に伴い、高齢者の住まいは多様化していて「有料老人ホーム」「特別養護老人ホーム」「グループホーム」などさまざまな種類があります。まずは入居する施設の種類を決めるとよいでしょう。。それぞれにメリット・デ メリットが あります の で 、希 望 する条 件 をきちんと話し合いましょう。体調を崩した時にどう対応してくれるか、医療行為を担当する看護師が常駐しているか否かなど、検討のポイントになります。また、高齢者には持病を抱え、定期的に医師の診察を受けなければならない方も少なくありません。施設によっては受け入れ可能な医療体制が異なるため、どこまで医療を保障してくれるかを確認しましょう。緊急の対応、看取り体制なども検討のポイントになります。条件に合う施設を比較・検討し、実際に自分の目で見て、話を聞いたり施設見学をしたりするのもよいでしょう。

    決断が難しい場合は、地域包括支援センターなどの専門機関に相談するのも一案です。こうした専門機関には、介護保険制度や施設の契約体系などについて熟知した相談員がいますので、状況に応じたアドバイスも適切に受けられることと思います。

  • 親の退院に伴い、自宅で介護することになりました。自宅の環相談者より境を整えようと思うのですが、利用できる制度はありますか?

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    住宅改修は介護をする方にもされる方にもメリットがあります。うまく制度を利用しましょう!

    住宅の環境整備を補助するための介護保険の制度として、①住宅改修 ②福祉用具貸与 ③福祉用具購入の3つがあります。

    ①住宅改修在宅の要介護者・要支援者に、介護認定度にかかわらず、一人あたり20万円を限度として補助される制度です。書類審査が通れば本人の介護負担割合で14~18万円まで支給されます。

    ポイント:・申請に必要な書類があるので、住宅改修を始める前に、ケアマネージャー、いきいき支援センターの職員などに相談の上、市区町村の役所に申請する・限度額は1度に使い切る必要はなく、分割で利用することもできる引っ越しや要介護度が上がった場合再度支給される

    ②福祉用具貸与住宅改修ができない住宅にお住まいの方には、段差解消用具や手すりなどの据え置き型の福祉用具を借りることができます。置く場所を考えられてケアマネージャー・いきいき支援センターの職員などに相談するのが良いでしょう。当人の介護負担割合額で借りられます。

    ポイント:介護認定度により利用できるものが異なるので注意

    ③福祉用具購入4月~翌年3月までを1年とみなして、上限額が10万円までの介護負担割合額で購入できます。4月になればリセットされて、また1年間は10万円までは介護負担割合額で購入できます。介護認定度により利用できるものが異なりますので注意が必要です。

    ポイント:購入額が10万円を超えた場合は10割負担となるため注意

    こういった環境整備は介護する方・される方のどちらにとっても重要です。介護される方が安全、安心して自立した生活を送ることができるという点を重視するのはもちろん、介護する方の動きやすさや、負担なく介助できるか、といった視点も必要です。ケアマネージャー・いきいき支援センターの職員などに相談しながら制度を利用して、お互いが無理のないように生活していけるように環境を整えられると良いでしょう。

     

  • 認知症の母を連れて買い物に行くと、いつも同じものを欲しがります。どのようにサポートすればよいでしょうか?

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    孫や友達のプレゼントを買うつもりで買い物に連れて行ってあげましょう!

    買い物は認知行動療法として非常に効果的です。買い物での行動を見てみると①買う物と予算を決める ②実際に商品を見て選ぶ ③買う物の合計金額を計算する など考えることが多く、歩くことで足 腰を鍛えることもできます 。ですので 、一 緒に買い物をすることはお 母さまにとっても非常 に良いことだと思います。

    認知症の人が同じものを欲しがるのは、記憶力と判断力の低下によるもの。本人にとってはそれが必要だと思って手にしているため、無理にやめさせようとするのは難しいでしょう。それよりも、本人に気づかれないように棚に戻す、お店に事情を話して購入後に返品させてもらうといった対応をした方が、お母さまにとってストレスになりません。むしろ、欲しがるものを抑制するよりも、買い物のテーマを決めて取り組むことを お す す めします 。たとえ ば 、孫 の た め の お 菓 子 を 買う、友 達 の プ レ ゼントを買うというように、他人のための買い物を提案してみてはいかがでしょうか?

    孫や友人の顔を思い浮かべながらの買い物となり、想像力のトレーニングになるかと思います。買い物はストレス発散にもなりますので、工夫を凝らして、ぜひお母さまに楽しい思いをさせてあげてください。

  • 遠方で暮らす母が入院し、退院後の介護について検討を始めましたが、私自身は仕事で現在地を離れることができません。遠距離介護と仕事との両立ができるか心配です。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    最新技術での見守りや、利用できる支援やサービスを最大限活用しながら両立を

    コロナ禍によりテレワークやオンライン学習などが当たり前のものとなり、私たちの生活に変化がもたらされたように、人とインターネットをつなぎ、人と人をもつなげる技術であるICT化の波が介護業界にも到来し、急速に進化を遂げています。

    例えば、見守り。AIや赤外線センサー、通信機能などの最新テクノロジーが搭載されたエアコンやベッド、照明機器などを導入することで、それらの使用状況から遠隔地でも見守りや健康管理を行うことができるようなシステムが次々に登場しています。実際にあった事例として、一人暮らしの母親の様子を見守るために室内にカメラを数カ所設置し、自宅や仕事場から様子をチェックしていた方が、転倒したお母さまを素早く発見して119番に通報でき、大事に至らずに済んだというケースが報告されています。高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    導入するためには、Wi-Fiやネットワーク環境を整備するといった事前準備が必要となります。ご高齢の方はIT機器に苦手意識を持たれる方も多いのでサポートが必要にはなりますが、そのハードルを乗り越えると、利便性や安全性が増し、遠距離介護のしやすさや安心感がぐっと向上するはずです。

    ご両親の今後の生活を思うと不安もあるかもしれませんが、ご紹介した通り、これからの新しい時代の介護方法として、遠距離介護の利便性は確実に高まっています。まずは最初の窓口となる地域包括支援センターや専門職であるケアマネージャーへ適宜相談をしつつ、関係者と“ともに親を介護していく”という協力体制を築きながら、無理のない方法を探っていきましょう。

  • 寝たきりの父の介護をしていますが、便漏れがひどくなってきました 。大 柄な体 格なので処理やおむつ交換に苦労しています。私も70代になり、体力が持ちません。何か良い方法はありますか?

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    排せつ介助をするときは「清潔・快適に過ごしてもらいたい」という気持ちを大切に

    排せつ行為はほぼ毎日あることなので、介護者にとっては負担が大きいですね。

    寝たきりや認知症が進んでいる場合は、大人用おむつを使用するという選択肢になります。しかし介護される側にとって「おむつ」は心理的に抵抗があるものです。使用してもらう場合、お父様の自尊心を傷つけないように、細やかな気遣いが欠かせません。例えば、声がけをするときも必要以上に大きな声を出さないように、ボリュームには気を付けましょう。また、介護する側が嫌そうな顔や態度を見せると、排せつ行為そのものがお父様のストレスとなってしまいます。自分でできることは自ら進んでしてもらえるように、お父様のお気持ちを大切にしながら、気持ちよくお手伝いをしてあげてください。

    寝たきりの方のおむつは、体形にあったテープタイプのおむつが良いでしょう。可能ならサイズを測り、おしりにフィットするものを選ぶこと。また、オムツを使用する上での悩みとして多いのが「におい」です。最近は防臭力の強い高機能素材を使った“におわないオムツ袋”も出ています。少しでもおむつ交換の負担を減らすように使用してみてはいかがでしょうか。

    排せつ介助は「汚い・臭い・面倒くさい」ではなく、お父様に「清潔・快適に過ごしてもらいたい」という気持ちですることが大切です。お父様の気持ちに寄り添いながら、皮膚の重なり合う部分まで便などを残さないように丁寧に、優しく抑え拭きをしてあげることです。そうはいってもご自身の限界を感じるときには、お互いのためにも介護サービスや施設の利用も考えてみてはどうでしょう。

  • 足腰が弱って歩くのを嫌がるようになった母に「シニアカー」を購入しました。気に入ってあちこち出歩くようになったのは娘としてうれしいのですが、交通事故を起こさないか心配になってきました。少し控えてほしいのですが、あまり乗るなとも言えず悩んでいます。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    ご家族が一緒になって、安全な乗り方について確認することが第一。乗る前の点検も重要なポイントです。

    「シニアカー」と呼ばれる「ハンドル型電動車いす」は、介護保険制度の福祉用具貸与種目の対象でもあるため、急速に普及してきています。足腰が弱くなり歩行が困難になってきた高齢者にとって、散歩や近隣へのお買い物などの行動範囲をご自身で広げることができるのは、生きがいにもつながっているのだと思います。

    警察庁の発表資料を見ると電動車いすの交通事故は年間180件前後発生しています。事故の多くが朝8時~正午の時間帯に発生していて、道路横断中が最も多いようです。電動車いすは道路交通法上では「歩行者」の扱いのため統計上には表面に出てきませんが、死傷者は年々増加しています。また、歩行者や自転車に対しては加害者にもなる乗り物ということも、意識して乗っていただく必要があります。

    ところで、お母さまは自動車運転免許を取得した経験はありますか? 実は、電動車いすを利用する高齢者の多くが「取得したことがない」と答えています。運転するときの正しい姿勢や乗降の仕方、発進や走行、停止の仕方、安全確認の方法に加えて、飲酒後は乗らない、乗っているときは携帯電話を使わないなどの運転ルールを、ご家族も一緒になって確認していただくといいでしょう。そして、バッテリーや電源ボタン、アクセル、ブレーキなどの安全点検は、ご家族が日常的に必ず実施するようにしてください。

    お母さまの認知機能や身体機能が衰えてきたと感じたら、よく話し合って乗ることを極力控えてもらうようにする方がいいですね。その際は、お母さまの楽しみを奪わないように、言い方などには十分配慮を。ご家族に気兼ねしないで、気軽に送迎を頼みやすい雰囲気づくりや関係づくりを日ごろから心がけてくださいね。

  • 本当は聞こえていないのに、聞こえているフリをしてとんちんかんな回答をする80代の母。「聞こえてないんじゃないの!?」と大きな声で聞くと「聞こえているよ!」と意地になって言い返してきます。会話が成り立 たないことにイライラして、つい 母にきつく当たってしまいます。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    難聴を放置することは認知症のリスク要因。スムーズなコミュニケーションのために工夫を

    日本は今、ものすごいスピードで高齢化が進んでいます。それに伴って「加齢性難聴」の方も急増中。加齢性難聴とは、加齢によって引き起こされる耳の老化現象のことで、耳の中で音を感じる細胞が老化によって働きが低下したり消失したりすることが原因で起こります。50代ごろから始まり、80代になると約90%の人に症状が現れるそうです。お母さまは80代。そういうお年頃ですし、50代のあなたにも気を付けていただきたいくらいです。

    とはいっても、会話が成り立たないと、繰り返し話しかけたり、大きな声を出したりすることでご家族にもストレスがたまりますね。それが申し訳なくて、聞こえているふりをしてしまうのかもしれませんね。

    周囲の人とのコミュニケーションが取りにくくなることで、高齢者が孤立するため「難聴」は認知症を引き起こすリスク要因とされています。また、聞こえにくさの原因が「耳あか」という場合も。加齢によって自浄作用が低下し、耳あかがたまりやすくなるためです。「耳が遠いのは年のせい」と放置しないで、まずは耳鼻咽喉科で診てもらうことをおすすめします。

    日常のコミュニケーションとしては、口の動きをしっかり正 面から見せるようにして、大声ではなく“気持ち大きめ”くらいの声で、ゆっくり、はっきりと話すこと。わかりやすい言葉を選ぶと、さらに聞き取りやすくなります。また、筆談なら伝わることが多いです。指さしで回答を選んでもらうようにするとスムーズですよ。

    聞こえにくさをカバーするものとしては補聴器があります。「補聴器には抵抗感がある」方には、集音器という選択肢もあります。最近はオシャレな首かけタイプが出ていて好評のようです。

  • 母の腰痛が悪化。医者から処方された湿布薬と痛み止めも効かず「起き上がるときが一番痛くてつらい」と言って起きるのを嫌がるようになりました。このまま寝たきりになってしまうのでしょうか。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    適切な治療で痛みを抑えながら、日常生活を送れるようにサポートを

    腰痛は日本人の国民病といわれるほど多くの人が発症する障害です。若い方の場合は「ぎっくり腰」などの急性のものが多いのに対して、高齢者の腰痛は、加齢によって背骨の形や強度が低下し、姿勢が悪化することで慢性的な筋肉疲労や圧迫骨折、神経圧迫を起こしていることが 多いようです。コルセットなどで患 部を安 静に保つことで痛みが軽減されることもありますが、残念ながら加齢に伴う変化によるものなので医療機関でも根本的な治療は難しく、対症療法での対応が中心 になります。

     

    最も心配なのは、お母さまが痛みのあまり起き上がる気力をなくし、寝付きがちになっていることです。高齢者の場合、一度寝付くと自分では活動を再開することが難しく、安静にしすぎることで下肢の筋力や心肺機能が低下して、本当にあっという間に寝たきりになってしまいます。お医者さまには現状を伝えて適切な薬を処方してもらい、つらい症状を少しでも抑えながらできる限り日常に近い生活を送ってもらうことが重 要になってきます。

     

    ご家族としては、お母さまが痛みに負けずに毎朝決まった時間に起きて活動できるように、寄り添ってあげてください。そして、筋肉をつくるもとであるタンパク質を中心とした、バランスの良い食事を用意してあげることです。お母さまが少し元気になってきたら、インナーマッスルを鍛える体操などをできる範囲で一緒にやっていただけるといいと思います。あなたにとっても、将来の予防につながるのでおすすめです。

  • 70代になっても若々しく、家にいるときもお化粧を欠かさないなど、おしゃれで自慢の母でしたが、久しぶりに実家に帰ってみると身だしなみが乱れて別人のようになっていました。認知症でしょうか。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネジャーが皆さまの疑問にお答えします。

    ■突然、お化粧をしなくなるのは認知症の初期症状かも。年だからと放置しないで、美しく整えてあげましょう

    おしゃれなお母さまがお化粧をしなくなり、着るものに無頓着になるというのは、認知症の初期に見られる症状のひとつです。年だから仕方ないと思って放置しがちですが、症状が進むと幻覚や妄想が出たり、暴力的になったり、徘徊をし始めたりするかもしれません。ご家族としては「認知症であってほしくない」という思いが先になり、受診を先延ばしがちなのですが、早期に受診することで進行を止めたり、改善されることもあります。「これはもしかして認知症?」と思ったタイミングで、医療機関を受診することをおすすめします。

     

    そして娘さんには、お母さまのその状態を放置しないようにお願いしたいのです。女性にとってお化粧やおしゃれは、単なる身だしなみ以上の意味があります。身体の自由が利かなくなって自宅にこもりがちになったこと が 理 由 で あ れ ば 、お 出 か け に 連 れ 出 して あ げ て は い か が でしょう 。その際は、娘さんがお母さまのスキンケアやお化粧のお手伝いをしてあげてくださいね。本格的なお化粧ではなくても、口紅やマニキュアを塗ってあげるだけでもいいのです。そして、美しくなったお母さまに「きれいになったね」と言ってあげましょう。幸福感が高まって前向きな気持ちになり、美容やおしゃれへの意欲を取り戻してくれるかもしれません。

     

    忙しくてご自身でやってあげるのができないのであれば、月に1回でもいいので美容院やエステサロンに連れて行ってあげるのも良いですね。遠方でなかなかそれもできないのであれば、訪問美容サービスを利用するのもおすすめです。いくつになっても女性は美容が好きなもの。美容を通していきいきと過ごしていただけるといいですね。

  • 70歳になる父が近頃怒りっぽく、先日も外食時に箸が出てこないだけで店員さんを怒鳴りつけました。とても温厚な父だったのにと、家族みんな動揺しています。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネジャーが皆さまの疑問にお答えします。

    ■「傾聴」と「共感」で怒りの感情を抑えてあげましょう

    以前は温厚だったお父さまが必要以上に怒っている姿を見ると、ご家族はどう接していいのか悩んでしまいますよね。性格の変化が起こる理由は、主に2つあります。1つ目は、老化に伴う脳機能の低下です。「怒り」の感情は脳の前頭葉が担っていますが、加齢などによって脳が萎縮すると、判断したり感情を抑えたりすることができにくくなってしまいます。これまで理性的に判断できたことも抑えが利かず、感情的になりやすくなるのです。2つ目は心の問題です。特に男性は定年後に人間関係が寂しくなる方も多く、社会的に孤立しがちです。人との関わりが薄れてしまうと自己肯定感が下がって、不満や不安がたまりやすくなるようです。

     

    お父さまが感情のコントロールを見失わないためには、ご家族の協力が必 要 で す 。怒り始 め たときは 、否 定 をしな い で 、受 け 入 れるようにしてくだ さい。目線を合わせてしっかりと話を聞き“共感”してあげましょう。また、新しい行動や出会いなどは脳を刺激し、心の穏やかさにつながります。老人会や趣味の集まりなどへの参加を促してみてはいかがでしょうか。散歩などの運動も効果的です。エネルギーの発散ができる環境をつくって、気持ちを 昇 華させてあげましょう。

     

    あらゆる感情の中で一番コントロールが難しいのが「怒り」。最初は小さな ことでも 、徐 々 に エ スカレ ートして 止 められ なくなることもあります 。今 の 時代、高齢者のカスタマーハラスメントが問題になっていますし、感情的なやり取りが続くとお父さまもご家族も疲れ切ってしまいます。怒る頻度が増えるなどの症状が強く出始めたら、うつや認知症、脳梗塞の初期段階かもしれません。ご家族だけで抱え込まずに医師に相談してみましょう。

  • 料理好きな母ですが、最近は味付けがおかしくなって焦がすことも増え、ひどく手間取るようになりました。料理を続けてもらうためには、どう対 応 すればいいでしょうか 。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネジャーが皆さまの疑問にお答えします。

    ■料理を作る意欲を大切に 見守りながら一緒にできることを

    料理の味の変化は、加齢に伴う「塩味」「甘味」などの味覚機能低下の場合もありますが、認知症の初期症状とも考えられます。料理を完 全にやめさせてしまうことは、お母さまの楽しみを奪ってしまいますし、それによって認知症のリスクを高めることにつながるので、避けたいものですね。しかしこの先、どんどん思うように料理ができなくなると、お母さまは喪失感を抱くようになるかもしれません。自尊心を傷つけることなく、楽しみながら長く料理を続けてもらうためには家族のサポートが大切です。

    まずは、お母さまの得意料理や味付けが単純なメニューをリクエストして見守りつつ、できる限り一緒に料理をしてみてください。火を使うことへの心配があるようでしたら、火を使用しない下準備や盛り付けを中心に行ってもらう方向にシフトしてみるのも手です。買い物リストを作ったり、一緒に買い物に行ったときはお母さまに食材を選んでもらうこともいいでしょう。

    お母さま一人での料理が難しくなり、ご自身がお仕事などで常に立ち会うことができない場合は、訪問介護の「定期巡回・随時対応サービス」を利用してみてはどうでしょう。お母さまが料理を続けられるサポートができると同時に、ご自身の不在時もお母さまの安全にも気を配ることができます。利用には要介護度1以上の認定を受けている必要がありますので、認定を受けていない方はお住まいの自治体の役所か地域包括支援センターに相談してみてください。適切なアドバイスをもらうことで、ご自身やご家族にとって今後の生活に対する不安が少し解消されるはずです。

  • 父(80代)が歩行器を使っていますが、最近限界を感じているようです。車いすの利用を検討すべきでしょうか。導入する時期やスロープの設置など、費用面でも不安があります。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネジャーが皆さまの疑問にお答えします。

    ■症状と気持ちにより添い福祉用具を選びましょう!

    足 腰が弱くなり歩行が困難になると、ひきこもりがちになります。自分の足で歩けることが一番ですが、歩行器に限界を感じるようであれば、車いすの利用も一つの手です。車いすを使うことで体力の温存ができ、また行動範囲が広が るとい うメリットが ありま す 。例 え ば 、家 で は 歩 行 器 、外 で は 車 い す など 、お 父様のご希望に合わせて少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。

    原則として福祉用具は貸与が基本でしたが、2024年4月に行われた「介護報酬改定」で、固定用スロープ、歩行器、単点杖、多点杖は貸与か購入かを選べるようになりました。今後の状態にもよりますが、医師などの意見をもとに、ケアマネージャーや福祉用具専門相談員からの提案を受けてから、どちらかを選択することができます。高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネージャーが皆さまの疑問にお答えします。

    貸与の場合、毎月の費用はかかりますが、定期的にメンテナンスもしてもらえ、利用から6カ月以内に少なくとも1回はモニタリングが行われて、貸与を継続するか購入に切り替えるか、どちらが良いかを見直すことができます。一方、初めに支払うことで金銭面の負担が抑えられるので、長期間使うことが決まっていれば購入する方が良いでしょう。ただし、修理費は自己負担のため、体に合わなくなっても“もったいない”からと、無理に使い続けてしまいがちに。その結果、けがにつながる可能性も考えられます。

    お父様の症状と気持ちに寄り添いながらご家族でよく話し合い、けがなく安心して過ごせるよう環境を整えることが大切です。不安なことや迷うことがあれば、ケアマネージャーや福祉用具専門相談員などに気軽に相談してください。

  • 要介護3で重い糖尿病を患っている父の介護で自宅を空けられないため、家 族で出かけることはもちろん、やりたいこともできません。い つまでこのような 生 活 が 続くのでしょうか 。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネジャーが皆さまの疑問にお答えします。

    ■介護疲れを軽減させるために「レスパイト入院」を上手に利用しましょう

    お父様が重度の糖尿病と要介護3ということですから、出かけることもままならず大変つらい状況ですね。息抜きができず、ずっと自宅で介護する生活が続くと心身に支障をきたす可能性があり、健康な状態とはいえません。介護支援のスペシャリストであるケアマネジャーに不明点や疑問に思ったことを納得のいくまで相 談して、サポートしてもらえるような環 境づくりをしていきましょう。

    ショートステイ(短期入所生活介護)では、生活面の介助を中心に代行してくれますが、医療的なサポートは引き受けてもらえません。医療的ケアが必要な場合、介護老人保健施設や療養病床のある病院・診療所での医療型ショートステイ(短期入所療養介護)や看護小規模多機能型居宅介護でのレスパイトケアの利用がおすすめです。レスパイトとは「休息」や「息抜き」の意味で、介護者に休息を取ってもらうことを目的にしています。介護する側・介護される側双方にとってレスパイトケアを利用することは、身体的・精神的な負担の軽減につながります。

    もしくは病院などの医療機関でのレスパイト入院という選択肢もあります。レスパイト入院は、医療保険で短期入院できる制度なので、急変時に対応してもらえます。投薬やリハビリなどを中心としたサービスのため、医療処置が必要な方にとって安心できますね。病院によって受け入れ条件が異なりますので事前に調べておきましょう。

    どちらの受け入れにしても、基本的に予約制で当日の受け入れを行っていないところがほとんどです。申し込みをしても2~3カ月先まで予約が埋まっている施設もあります。希望する施設が決まったら早めにケアマネジャーに連絡し、日にちに余裕を持って予約を入れてもらうようにしましょう。

     

  • 要介護3で寝たきりの母は歯磨きを嫌がってさせてくれません。しかし「歯が痛い」と言うので歯医者に連れていきたいのですが、歯医者に行くのも嫌がります。どうしたらいいか教えてください。

    高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネジャーが皆さまの疑問にお答えします。

    ■まずは訪問歯科を利用しましょう。自宅での口腔ケアはコミュニケーションを取りながら

    要介護高齢者の多くは義歯の不適合や虫歯に伴う歯の痛み、歯ぐきの腫れ、口内炎など歯科的な問題を抱えているといわれています。定期的な歯科検診をおすすめしたいところですが、寝たきりで通院が難しい場合は、Sさんがお母さまを医療機関へ連れていくことになります。それが困難な場合、訪問歯科診療を利用してみましょう。まずは、かかりつけの歯科医院に訪問診療をお願いしてみてください。かかりつけ歯科医が対応してくれない、またはかかりつけ歯科医がない場合は、市町村保健センターなどの行政機関や地域の歯科医師会、ケアマネジャーなどに問い合わせを。「在宅療養支援歯科診療所」に登録されている歯科を紹介してもらえるはずです。

    さて、お母さまの歯の痛みですが、今後もお母さまが気持ちよく過ごすために、口内炎や歯肉の腫れなど、お口のトラブルがないか、口の中をチェックすることを日常のケアに取り入れてみてください。その上で、かかりつけ歯科医に相談する流れが良いと思います。高齢者介護や認知症について、ベテランケアマネジャーが皆さまの疑問にお答えします。

    ご存じかと思いますが、日ごろから口の中の健康を保つために毎日ケアをして、きれいな状態にしておくことが大切です。口の中が不潔な状態になると、歯肉炎や歯周病を引き起こしてしまうからです。歯周病になると、炎症物質が歯周ポケットから血管に流れて全身を巡り、誤えん性肺炎や脳梗塞を引き起こす原因にもなります。また、口の機能が低下すると食事を取ることが難しくなり、食べる楽しみを失ってしまいかねません。それがきっかけで、うつ病や認知症を誘発してしまうこともあります。

    お母さまが歯磨きやうがいを嫌がるようなら、ケアの時間を短くしてあげてはい か が でしょうか 。毎 日 完 璧 にケアを 行 う 必 要 は ありませ ん 。少 しでも 汚 れ を取り除けたらよいとポジティブに考えましょう。お母さまとできるだけコミュニケーションを取り、好みのケア用品を探して、口腔ケアをすると気持ちいいと少しでも感じてもらえるといいですね。

ちくさ病院 訪問診療に関する問い合わせ先一覧

訪問診療を始めた理由

  • KPをサポートすることにより自宅療養継続中の事例

    <年齢・性別>

    85歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし。長男、次女は守山区。長女は日進。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者 1割

    福祉給付金資格者証

    要介護3 1割

    <主病>

    #2型糖尿病

    #慢性心不全

    #発作性心房細動

    #慢性腎臓病

    <訪問診療開始の経緯>

    A病院で誤嚥性肺炎、心不全で入院。2022年9月初旬に強い退院希望で退院。

    退院翌日に自転車運転中に転倒、救急要請されB病院へ搬送された。頭部画像所見に明らかな異常所見なく,脱水治療で状態改善を認めた。胸水貯留や服薬多数などの調整を行っていたが,本人退院希望強く,2022年10月初旬に退院された。

    ベースにアルコール性肝硬変があり,脾腎シャントと心不全に伴う脱水により高アンモニア血症を来した既往があり,BCAAとリフキシマ,下剤で対応されていた。

    自宅で過ごしたい希望あり当院訪問開始となった。

    KPの妻は献身的であるが、本人が妻につらく当たるような場面があり、妻がかなり疲弊してしまう場面がある。

    CM、訪看、ご子息はこの状況を理解しており、妻のサポートをきちんとしていけるかが自宅での療養生活を継続できるかの最大の課題となっているが、介入から約1年が経過しているが細やかな情報交換、情報共有が功を奏し現在も何とか自宅療養を継続できている。

  • 肺がん末期の患者さん

    <年齢・性別>

    64歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市西区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし。敷地内に長男夫婦が住んでいる。

    <医療保険・介護保険情報>

    国民健康保険 3割

    要介護3 1割

    <主病>

    #肺がんの末期

    #癌性疼痛

    #高血圧症

    #糖尿病

    <訪問診療開始の経緯>

    2021年8月 COVID-19罹患の際のCTにて, 腫瘤影認め,左上葉切除を2021年10月に実施。しかし 2022年2月に歩行障害,膀胱直腸障害あり,精査の結果脊椎転移を認め,術後再発と診断し緊急手術、放射線治療も行い化学療法を開始。しかし大腿骨や骨盤骨転移あり,PD(癌進行)。

    その後病態が進行、 PS(全身状態評価)も食事量も低下傾向、予後として1-2ヶ月程度と見込まれる。嗄声も出現しており, 窒息のリスクも高くなっている状況だが, 自宅にいられるうちは家で経過をみたいということで当院の訪問診療が開始となった。

    訪問看護と訪問医をはじめとした在宅チーム全体のサポートと家族の手厚い介護により介入後1か月ほどで家族が見守る中静かに息を引き取りました。

    医療処置:在宅酸素療法

  • 残された時間を自宅で生活したいという希望を叶えるため訪問診療介入

    <症例>

    男性 73歳

    <住所>

    名古屋市瑞穂区

    <家族構成>

    本人、妻の2人暮らし

    長女は別居

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担 福祉給付金資格者証

    介護保険 要介護2 1割負担

    <疾患>

    慢性心不全

    大動脈弁閉鎖不全症

    僧帽弁閉鎖不全症

    <導入の経緯>

    2005年に急性心筋梗塞、心原性ショックの為入院。

    以来15年程外来通院をしていた。

    2020年10月に自宅で心室細動となり救急搬送。

    心機能が非常に悪くなっており、末期心不全状態。

    その後入退院を繰り返され2021/12の段階で予後数か月の見込みとなった。

    自宅生活では体重増加を来してしまうことから、緩和目的の転院の選択肢もあったが、ご本人から残り少ない予後であれば好きなことをして自宅で生活したいとの強い希望があり、退院し訪問診療介入となった。

    在宅での水分、塩分制限や症状緩和を通し、希望であった在宅生活、看取りの方向となった。

    <導入後の経緯>

    導入後しばらくは体重管理や食事制限も良好で自宅で過ごされた。

    2021年2月皮膚の強いかゆみや食欲低下が顕著にみられ体重管理も不良になる。

    2021年4月心不全+腎不全の状態となり、終末期であることを伝え、緩和治療強化することを宣言。

    疼痛について積極的に薬剤量を増やしていく対応となる。

    同月呼吸状態悪化によりご逝去された。

    <医療処置>

    HOT、Baカテーテル

  • SpO2低下に伴い、在宅酸素療法を導入、ご自宅でご逝去されたケース

    <年齢・性別>

    93歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市港区

    <家族構成>

    本人、次男の二人暮らし

    KPは次男

    長男は亡くなられているが、同区内にいる長女も支援可能

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    身体障害者手帳あり

    福祉給付金あり

    要介護5 1割

    <主病>

    #うっ血性心不全

    #両側肺塞栓症

    #左気胸

    #急性胆嚢炎/胆嚢破裂

    #神経因性膀胱

    #左手背皮膚剥離

    〈訪問診療開始の経緯〉

    C病院よりご紹介。

    2022年1月に肺炎にて入院され、同年2月28日に退院されたが、その後状態悪化あり3月7日に再入院となった。慢性心不全の増悪もあったため利尿剤増量にて病状は改善し、R病院の療養病床への転院も検討されたが、ご家族の希望により自宅での療養を希望された。2022年4月初旬に自宅へ退院し、訪問診療開始となった。

    〈導入後の経過〉

    病状悪化時は自宅での看取りのご希望であり、食事ができなくなった場合は経管栄養や胃瘻は希望せず、末梢点滴は希望された。

    入院中からあった背部、殿部、左下肢の褥瘡に関してはゲーベン処方で経過を見ていたが、増悪が見られたため、4月25日からエアマットの導入となった。

    5月20日には右下肢の褥瘡に対してデブリードマンを施行。特別指示書での訪問看護の頻回介入もあってか、8月19日の時点で、褥瘡は概ね改善傾向にあった。

    9月12日、夜間血尿あり緊急訪問、紫~褐色の血尿が未明まであった。

    レベル低下や血圧変動はないが倦怠感持続。SpO2が下がり始めていることもあり、在宅酸素療法を開始。9月15日にご逝去された。

     

    医療処置:尿道留置カテーテル、褥瘡処置、在宅酸素(2022年9月開始)

    注意事項:アルコール厳禁

  • 「腎がんの末期」の患者さん

    <年齢・性別>

    90歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし。KPは長男。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 2割

    要介護1 1割

    <主病>

    #腎がんの末期

    #維持療法の必要な術後難治性食道炎

    #肝嚢胞

    #気管支喘息

    <訪問診療開始の経緯>

    2021年12月、腎臓癌が見つかりA病院にて手術予定だったが肺転移が見つかったため12月下旬から化学療法(オプジーボ、ヤーボイ)開始となった。2022年1月中旬、背部痛、食欲低下、腹部膨満のため消化器内科受診された。腹部膨満の原因が肝嚢胞の可能性があり、ご本人/ご家族と相談し嚢胞ドレナージ+PEITを施行。3.5Lほどドレナージし1月27日チューブ抜去した。

    化学療法後、ADL低下傾向にあり自宅退院希望があるため2022年2月初旬より当院訪問診療開始となる。

     

    医療処置:在宅酸素療法、エルカトニン注射、点滴

     

  • 「下咽頭がんの末期」の患者さん

    <年齢・性別>

    86歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市西区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし。KPは夫。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護2 1割

    <主病>

    #前立腺がん

    #下咽頭がんの末期

    <訪問診療開始の経緯>

    2022年10月よりA病院にて下咽頭癌に対しRT(65.4Gy/35fr)施行

    照射後、腫瘍残存、肺転移があり、2023年1月 S-1内服を開始した。

    2023年7月病状進行に伴い経口摂取不良、体動困難となりA病院入院。脱水は改善したものの経口摂取量、ADLともに低下していた。

    家族も病気、療養中であり通院が困難であるが、

    自宅療養を希望されたため2023年7月末より当院訪問診療を開始した。

  • ご家族のリハビリ入院の強い希望があり、当院の訪問診療を選択

    <年齢・性別>

    84歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし。子供は長女一人。長女はさいたま市に住んでおり、3か月に1度くらい帰る予定。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護2 1割

    <主病>

    #COPD

    #胃癌術後(H18年)

    #高血圧

    #骨粗鬆症

    #アルツハイマー型認知症

    <訪問診療開始の経緯>

    2021年8月に自宅で転倒し腰椎圧迫骨折にてA病院へ入院。退院後も転倒繰り返し、徐々に腰痛増強しADL低下、寝たきりの生活となった。2022年8月、自宅トイレで倒れていた。市外の病院へ救急搬送、コロナ陽性判明。岡崎へ搬送、入院となった。リハビリ転院の受け入れ先がなく、自宅退院。長女はさいたま市在住、妻も目が不自由なため通院介助困難、訪問診療の導入となった。リハビリ入院など必要に応じて対応してほしいという家族の強い希望があり、当院を希望した。

  • 胃がんの患者さん

    <年齢・性別>

    82歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市天白区

    <家族構成>

    本人、同居人の二人暮らし。長女は天白区(日中仕事)長男はがんで死別。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護2 1割

    <主病>

    #胃がん

    #肝臓がん

    <訪問診療開始の経緯>

    2021年8月に胃癌と診断され入院精査勧められるも拒否。2022年5月頃より食思不振出現し近医外来にて週に1回程度点滴していた。貧血の進行見られ6月に短期入院した際にCTにてリンパ節転移、肝転移、第12胸椎転移みとめた。通院困難となり訪問診療希望されたため2022年8月末より当院介入開始となる。

    経済的にかなり困窮しており、とにかく早く済ませたいという家族の意向。

    面談時に少しの持ち出しですら払うことができないとの訴えあり。

    丸福取得等、利用できるサービスを提案することが肝要であることを事前に医師に伝えた。

  • アルツハイマー型認知症の患者さん

    <年齢・性別>

    91歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市中区

    <家族構成>

    本人、長男、長男妻の三人ぐらし。夫は他界(平成15年)。子供は他に娘が二人(北区と稲沢市)。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護2 1割

    <主病>

    #アルツハイマー型認知症

    #帯状疱疹

    <訪問診療開始の経緯>

    2022年7月半ば頃から転倒が増え、風呂に入らなくなり、おかしいと思った家族が本人に確認したところ「針で刺すような痛みを感じる」と訴えがあり、自力で動けなくなった。

    その数日後、Aクリニックの紹介で皮膚科受診し帯状疱疹の診断。軟膏処方され一度の通院で終了となった。

    認知症の診断は受けていないが、幻視、幻聴、妄想や昼夜逆転、記憶障害、抑うつあり(この数年の間に友人と死別され症状悪化)。

    また右乳頭陥没、乳房変形があり、翌月8月初旬にB病院乳腺科受診し精査し、悪性ではなく脂肪壊死との診断であった。

    7月の転倒以降右膝の痛みもあり通院困難となりかかりつけと呼べる医療機関もないため当院へ訪問診療の相談があり、8月末より介入となった。

  • 100歳独居の方の訪問診療導入事例

    <年齢・性別>

    100歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市名東区

    <家族構成>

    本人独居、夫は他界。KPの長女は守山区小幡、協力的。長男は長野県。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護2 1割

    <主病>

    #慢性心不全

    #右化膿性肩関節炎

    #脊柱管狭窄症

    #甲状腺機能低下症

    #脂質異常症

    #心房細動

    #狭心症

    <訪問診療開始の経緯>

    令和3年12月末に発熱、呼吸困難にてA病院受診。右化膿性肩関節炎の診断で入院。その後、リハビリのために1月末にB病院へ転院。その後包括病床へ。4月に退院し自宅で独居となる。令和4年7月末に胸部不快のため、救急でA病院に受診。通院は本人、家族にとって負担もあり、当院訪問診療の介入開始となる。

  • 脊柱管狭窄症、左坐骨神経痛による歩行困難のため訪問診療導入

    <年齢・性別>

    87歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市西区

    <家族構成>

    本人、夫他界、長男同居、長女すぐ近く

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護1 1割

    <主病>

    #高血圧

    #狭心症

    #高脂血症

    #糖尿病

    #膵管内粘液産生乳頭状腫瘍

    #子宮脱(以上、名鉄病院)

    #右膝変形性関節症

    <訪問診療開始の経緯>

    2001年より異型狭心症、糖尿病、逆流性食道炎などにてA病院、B病院などに通院。

    2022年6月から脊柱管狭窄症、左坐骨神経痛による左下肢痛が強く歩行困難となった。

    認知機能低下もあり、内服忘れ、被害妄想、 食事に介助が必要など身の回りのことが出来なくなってきた(息子と同居、娘は近隣在住)。

    通院が困難なため訪問診療依頼があり介入の運びとなる。

  • アルツハイマー型認知症の患者さん

    <年齢・性別>

    80歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    本人独居。KP息子は緑区。

    <医療保険・介護保険情報>

    生活保護

    要介護1 1割

    <主病>

    #アルツハイマー型認知症

    #逆流性食道炎

    <訪問診療開始の経緯>

    独居でADはほぼ自立。食事は配食サービス利用中

    相談時、賞味期限切れの食べ物が冷蔵庫から出てきたりするが処分を拒否したり、腐った臭いに気付かなかったりと鈍麻になっている様子であった。ヘルパーがサービスに入った際に右上腕から首にかけて広範囲の湿疹を発見。かかりつけ医に受診したところ帯状疱疹との診断を受け、抗生剤とゲンタシン処置にて対応。その際に主治医より、医師を引退するとのお話があり、ケアマネより訪問診療を本人に提案し本人も家族もご納得されたため、当院介入の運びとなった。

     

  • 肺がんの患者さん、仙骨褥瘡あり

    <年齢・性別>

    87歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、夫、長男同居。KP長女:近くに住んでいる

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者 1割

    要介護3 1割

    <主病>

    #左原発性肺癌

    #癌性胸膜炎

    #胸膜癒着術後

    <訪問診療開始の経緯>

    脳梗塞、認知症でクリニック通院中であった。2021年11月から左肩痛が出現。近医整形外科でMRI撮影したところ左肺尖部に腫瘤ありA病院へ紹介。

    左上葉の原発性肺癌を認めたため疼痛緩和目的にRT施行。以降オピオイド導入し疼痛コントロールは良好となる。

    左胸水が増加、2022年5月末から同年6月半ばまで入院し胸腔ドレナージ、胸膜癒着術を施行し胸水のコントロールはついている。

    BSCの方針となり、当院に訪問診療依頼あり介入の運びとなる。

     

    医療処置:仙骨褥瘡

  • 肺がんの患者さん

    <年齢・性別>

    87歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、夫、長男同居。KP長女:近くに住んでいる。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者 1割

    要介護3 1割

    <主病>

    #左原発性肺癌

    #癌性胸膜炎

    #胸膜癒着術後

    <訪診療開始の経緯>

    脳梗塞、認知症でクリニック通院中であった。2021年11月から左肩痛が出現。近医整形外科でMRI撮影したところ左肺尖部に腫瘤ありA病院へ紹介。

    左上葉の原発性肺癌を認めたため疼痛緩和目的にRT施行。以降オピオイド導入し疼痛コントロールは良好となる。

    左胸水が増加、2022年5月末から同年6月半ばまで入院し胸腔ドレナージ、胸膜癒着術を施行し胸水のコントロールはついている。

    BSCの方針となり、当院に訪問診療依頼あり介入の運びとなる。

    医療処置:仙骨褥瘡

  • 本人の強い希望によりご自宅での訪問診療開始

    <年齢・性別>

    74歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    本人、妻、娘夫婦同居。日中は妻が主介助者。。

    <医療保険・介護保険情報>

    高齢受給者証 2割

    要介護5 3割

    <主病>

    # 胃癌pT4aN3b1M1 (PER) StageIV

    <訪問診療開始の経緯>

    胃癌術後、化学療法中の2022年5月末に穿孔性腹膜炎と診断され手術施行。横行結腸にて穿孔を来しており、穿孔部よりロ側の横行結腸にて双孔式人工肛門を造設し、ドレナージ行い手術終了。

    腹腔内は胃癌による腹膜播種が多発しており、全身状態も不良であるため、 今後の加療については難しいことを本人に説明済み。予後は3ヶ月程度の見込み。

    本人家族が自宅での療養を希望されたため退院前カンファレンスを行った。カンファレンス時点では在宅でのお看取り希望され、当院訪問診療介入の運びとなる。

    化学療法は中断。ご家族ご本人の希望は苦痛なくご自宅で過ごしたいとのことであった。

    ご家族としては本当は病院や施設での最期を考えていたが、本人の性格的に病院生活などはできないため、本人の希望に沿う形とした。

     

    医療処置:腸瘻管理  ストマ管理

  • 前立腺がんの患者さん

    <年齢・性別>

    86歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市東区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし。KPは市内の長女。長男も市内。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護1 1割

    <主病>

    #前立腺がん

    <訪問診療開始の経緯>

    PSA1448で2021年10月末に生検後、前立腺癌と診断される。

    多発骨転移を認め、A病院の泌尿器科で内分泌治療施行していた。

    相談を頂いた2022年5月ではPSA6.22と低下傾向だった

    当初尿閉でバルンカテーテル留置していたが2022年5月に抜去。

    抜去後残尿もほぼなく経過していた。

    ご家族が当院での訪問診療をご希望されたため2022年5月より介入の運びとなる。

     

    医療処置:無し (バルーンカテーテル留置していたが本人の希望で抜去済)

  • S状結腸がんの患者さん

    <年齢・性別>

    78歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市東区

    <家族構成>

    本人、長男の二人暮らし。KPは長男。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    身体障害手帳 有

    福祉給付金資格者証

    要介護3 1割

    <主病>

    #S状結腸がん

    #多発肺転移、肝転移、大動脈周囲リンパ節転移

    <訪問診療開始の経緯>

    2021年9月頃までは比較的自分で動かれ生活されていたが同月転倒による腰椎圧迫骨折(L3)をされ体動困難となった

    同年11-12月にさらに痛みが増しほぼ寝たきり状態となり12月半ばにA病院で新規圧迫骨折(Th12)が明らかとなりB病院へ入院。

    2022年2月初旬、退院し老健へ入所。歩行器で歩行可能なレベルまで回復し5月初旬に自宅へ退所。

    退所と同時に訪問診療希望され当院介入の運びとなった。

  • 経済的負担を軽減するため、相談員が丸福の取得を提案し、訪問診療の介入により、丸福取得、診療を継続できているケース

    <年齢・性別>

    89歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市瑞穂区

    <家族構成>

    本人、長男、長男の妻、孫二人 5人暮らし。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護2 1割

    <主病>

    #HT

    #脳出血後遺症

    #高脂血症

    #アレルギー性鼻炎

    #アルツハイマー

    #前立腺肥大症

    #大動脈周囲リンパ節転移

    <訪問診療開始の経緯>

    近くのクリニックに通院していた患者。

    85歳までお仕事をしていたが退職後、徐々に物忘れの症状が出現。

    令和3年からアリセプト開始。

    しかし冬頃から急激に認知症の症状が進み介護認定を受け要介護2となる。

    ご家族より訪問診療の希望があたったが、実際の診療費について説明すると、経済的にかなり厳しいということで検討したいということになった。

    相談員より、医師に丸福の取得ができないか相談したところ、実際に診察をしてみないとわからないが取得できる可能性は高そうだということであったため、ご家族に一度初めてみてもし丸福の取得ができなければキャンセルしてはどうかと提案し、ご家族もご納得されたため当院の訪問診療開始の運びとなった。

    実際に開始後に無事に丸福を取得することができた。

  • S状結腸がんの患者さん

    <年齢・性別>

    68歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人と夫の二人暮らし。夫は24時間対応できる。日進市に長男。

    <医療保険・介護保険情報>

    国民健康保険 3割

    要介護3 1割

    <主病>

    ##S状結腸がん

    #多発肺転移

    #肝転移

    #大動脈周囲リンパ節転移

    <訪問診療開始の経緯>

    2019年11月、S状結腸癌に対し腹腔鏡下S状結腸切除術、術後縫合不全認め、同月、回腸人工肛門造設術施行した。術後化学療法していたが2020年4月に肝転移、2021年4月に肺転移認め、根治術困難とし化学療法継続していた。

    2021年3月後半より倦怠感増強、家でも寝ていることが多くなり化学療法中止、BSC方針とした。

    通院困難となってきていることから2022年4月より当院訪問診療開始となる。

     

    医療行為:ストマあり(夫が交換、処置)

  • 膵頭部癌の患者さん

    <年齢・性別>

    70歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし。

    <医療保険・介護保険情報>

    生活保護

    介護保険新規申請

    <主病>

    #膵頭部癌・十二指腸潰瘍

    <訪問診療開始の経緯>

    2021年12月、白色便・肝機能障害・黄疸にてA病院の消化器内科へ受診。精査にて膵頭部癌による閉塞性黄疸が疑われた。横行結腸間膜にも浸潤疑い。同月、胆管ステント留置。治療方針について本人・妻と相談の結果、手術やケモは希望されず、BSCを希望された。同月下旬に退院し緩和方向で外来フォローとなった。

    2022年3月上旬、嘔吐・食欲不振にてA病院へ救急搬送。精査にて膵頭部癌の十二指腸浸潤による十二指腸閉塞疑い。同月下旬に胃十二指腸ステント留置施行し食事摂取可能となり退院された。しかし自宅に戻ってから膵癌による全身状態悪化みられ症状コントロール目的で再入院となった。

    再度自宅での療養を希望され、訪問診療の導入が妥当との判断から当院介入の運びとなった。

    医療処置:オピオイド使用・点滴施行中

  • 通院介助困難および今後の指導のため訪問診療導入

    <年齢・性別>

    81歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    本人、次男の二人暮らし。KPは次男。夫は他界。長男は県外。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療 1割負担

    福祉給付金資格者証

    要介護4

    <主病>

    #褥瘡(右腰部)

    #認知症

    <訪問診療開始の経緯>

    2019年秋頃、ケアマネがビルの管理人の方から認知面に関して相談を受けたことが始まりであった。それ以降、周りの方からも認知症ではないかという意見が散見するようになる。また転倒も繰り返していた様子で、2021年春あたりから外出する自信がなくなり、家に引き込みがちになった。横になっている時間が長くなり、褥瘡ができたためリハビリ目的もありA病院に入院となった。寛解し、2022年4月に退院予定となる。

    同居の次男は当初は母親(患者本人)は(多少の物忘れはあっても)認知症ではないと考えていた。A病院入院中のHDS-Rは10/30点であったが、退院を間近に控えた時期でも生活環境を改善し、医療・介護の手助けがあれば認知症は改善すると思っていた。

    ケアマネジャーとA病院の退院調整担当者は主介護者の認識が甘いことに危機感を感じ、通院介助困難であることと今後の指導も含め訪問診療が最適と考え、本人と家族に説明し承諾されたためと員介入の運びとなった。

  • 肺線維症の患者さん

    <年齢・性別>

    82歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし。長男区内。長男はかなり協力的。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療 1割負担

    福祉給付金資格者証

    要介護4

    <主病>

    #肺線維症

    #鉄欠乏性貧血

    <訪問診療開始の経緯>

    肺線維症でA病院に通院されていた。慢性呼吸不全もあり在宅酸素を導入。2021年12月末に呼吸困難を訴え搬送された。肺線維症の急性増悪でステロイドパルスを行われる。ステロイドパルスにて呼吸状態改善して、以降ステロイドを内服に切り替えて漸減。呼吸状態は酸素安静時1L、労作時2Lで入院前と変わらない状況まで改善。2022年2月にA病院を退院後、B病院にてリハビリ。B病院退院後に3月半ばにB病院に家族のみ通院。自宅退院となったが、ADLが上がらず室内歩行が限界であり、A病院への受診も困難な状況。A病院での治療は一旦終了し。今後は当院にて治療を希望。処方の継続と在宅酸素の指示書作成のため、当院介入の運びとなった。

  • 外来受診と訪問診療を併診しているケース

    <年齢・性別>

    82歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、夫、次女、孫の4人暮らし 長女は県外。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療 1割負担

    福祉給付金資格者証

    要介護4

    <主病>

    #直腸癌

    #多発肝転移

    #肺転移

    #リンパ節転移

    #脾転移

    #肋骨転移

    <訪問診療開始の経緯>

    A病院の循環器内科と消化器外科に受診していた。

    直腸癌原発の多発肝転移、肺転移、リンパ節転移、脾転移、肋骨転移で予後半年との診断。

    2月末にせん妄にてA病院に入院。3月半ばより吐き気の訴えと食事量低下し、CT検査を行うも吐き気につながるような病変はなし。

    家族と本人は自宅退院を希望しているため、点滴等の環境を確保するために訪問診療を導入する運びとなった。

    主治医はBSCの方針であるが、本人と家族はA病院とのつながりが切れることに不安があり通院継続を希望していたため、当院相談員よりA病院へ家族の希望を踏まえた上で併診の提案をしA病院も承諾して頂いたため、その方向性で訪問診療開始となった。

     

    医療処置:ピック留置(エルネオパ1000ml/日)

  • 夫の介護負担もあり、訪問診療開始

    <年齢・性別>

    85歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、夫の二人暮らし。同居の夫は認知症。長女は東京、次女は東区。KPは次女。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療 1割負担

    要支援2

    <主病>

    #2型糖尿病

    #脂質異常症

    #高尿酸血症

    #高血圧

    #乳癌術後

    #味覚嗅覚障害

    #胸椎後方除圧固定術後

    <訪問診療開始の経緯>

    上記疾患にて近医に通院中であった。

    2022年2月末に転倒し側溝にはまり右膝を打撲した。右膝腫脹があり、ひきずって歩いている。近医、整形外科通院しプンク(穿刺)もしてもらっている。OAにてヒアルロン酸関注を週に1回の頻度で施行している。

    夫の介護負担もあり通院困難となり当院訪問診療開始の運びとなった。

  • 独居みよりなし80歳男性のケース

    <年齢・性別>

    80歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    独居。みよりなし。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療 1割負担

    福祉給付金資格者証

    要介護4

    <主病>

    #膀胱がん

    #糖尿病

    #脂質異常症

    #胸椎後方除圧固定術後

    <訪問診療開始の経緯>

    2014年6月にA病院にて膀胱癌の診断あり、同年9月経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行した。その後通院中断していたが、2020年12月から血尿が出現。

    2021年12月半ばに、足を滑らせて体動困難となりB病院へ搬送。

    CTで全身転移を伴う巨大な膀胱腫瘍と第4胸椎の病的骨折と診断された。

    進行性の両下肢麻痺認め、搬送から10日後、胸椎後方除圧固定術施行。

    2022年1月に化学療法を導入(ゲムシタビン+カルボプラチン)。

    退院に伴い、訪問診療の導入が妥当であると判断され当院介入の運びとなった。

  • すい臓がんの患者さん

    <年齢・性別>

    70歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし。KPは妻。

    <医療保険・介護保険情報>

    生活保護

    介護保険申請中

    <主病>

    #膵頭部癌 #十二指腸潰瘍

     

    #膵頭部癌 BSC方針

    #2021.12 SEMS留置後

    十二指腸閉塞

    #2022.3 胃十二指腸ステント留置

    <訪問診療開始の経緯>

    2021年12月に白色便・肝機能障害・黄疸にてA病院の消化器内科受診。

    精査にて膵頭部癌による閉塞性黄疸が疑われた。横行結腸間膜にも浸潤疑い。

    2021年12月、胆管ステント留置。治療方針について本人・妻と相談の結果、手術やケモは希望されず。BSC希望。2021年12月下旬に退院し緩和方向で外来フォローとなった。

    2022年3月初旬、嘔吐・食欲不振にてA病院に救急搬送。

    精査にて膵頭部癌の十二指腸浸潤による十二指腸閉塞疑い。同月下旬に胃十二指腸ステント留置施行し食事摂取可能となり退院。次自宅に戻ってから膵癌による全身状態悪化みられ症状コントロール目的で再入院。退院後、自宅での療養を希望され、外来通院困難にて当院訪問診療介入の運びとなった。

    医療処置:オピオイド使用・点滴施行中。

  • 直腸癌の患者さん

    <年齢・性別>

    83歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    本人、夫、次女、孫の4人暮らし。KPは次女。KPの次女は日中仕事で付ききりの介護ができないことが不安要素。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    福祉給付金資格者証

    要介護4

    <主病>

    #直腸癌

    #多発肝転移

    #肺転移

    #リンパ節転移

    #脾転移

    #肋骨転移

    <訪問診療開始の経緯>

    A病院の循環器内科と消化器外科に受診。

    直腸癌原発の多発肝転移、肺転移、リンパ節転移、脾転移、肋骨転移で予後半年と本人に告知済み。

    2022年2月末にせん妄にてA病院に入院。翌月3月半ばの週より吐き気の訴えと食事量低下し、すぐにCT検査を行うも吐き気につながるような病変はなかった。

    家族と本人は自宅退院を希望しているため、点滴等の環境を確保するために訪問診療を導入する運びとなった。

    主治医はBSCの方針であるが、本人と家族はA病院とのつながりが切れることに不安があり通院継続を希望しているため、方向性に関しては自宅に帰った後に本人、家族の気持ちを再度確認することとした。

    医療行為:ピック留置:エルネオパ1000ml/日

  • 経済負担軽減のため訪問診療導入

    <症例>

    女性 81歳

    <住所>

    名古屋市中区

    <家族構成>

    本人、夫、長女同居

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    介護保険 要介護2 1割

    福祉給付金あり

    <疾患>

    レビー小体型認知症

    脳梗塞後遺症

    腰椎圧迫骨折

    <導入の経緯>

    2022年10月からケアマネ変更に伴い、様々なサービスが開始になった。

    同居の長女が介護保険サービス等を使わず独力で介護を行っていたが、金銭負担等あり困窮していた。

    訪問診療などのサービスも知らず、毎回タクシーを使い通院を継続しており、本人と夫それぞれが通院のために毎月3万前後使っていた。

    変更されたケアマネより、訪問診療などのサービスを提案され、長女さまへの説明に上がったところ承諾され、介入に至ることとなった。

  • 胸部食道癌ステージⅢの患者さん

    <年齢・性別>

    78歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    独居。結婚歴なし。妹さんが様子を見ながら、泊まったり行ったり来たりしようと思っている。夜は一緒にいる予定。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護3

    <主病>

    #胸部食道癌

    <訪問診療開始の経緯>

    つかえ感が出現し、A病院で精査行い胸部食道癌ステージⅢと診断された。

    令和3年11月より術前化学療法でDOS療法を開始したが食事摂取困難なほど腫瘍による食道狭窄を認め、転院し経鼻経管栄養を開始した。

    またその後肺塞栓症や高Na・K血症を発症し、2コースで中止。

    令和4年1月終わりにBSC方針となりご本人も了承された。

    腫瘍は縮小経口で経口摂取可であるが、部分寛解で増悪の可能性も考えられる。

    肺塞栓症は抗凝固剤使用し安定している。

    ご本人がご自宅退院希望されており、当院訪問診療開始の運びとなった。

  • 腎臓がんの患者さん

    <年齢・性別>

    90歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、長女の二人暮らし。夫は他界。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護1

    <主病>

    #左腎癌

    #肺転移

    <既往>

    <訪問診療開始の経緯>

    2021年12月、腎臓癌が見つかりT病院にて手術予定だったが、肺転移が見つかったため、12月24日から化学療法(オプジーボ、ヤーボイ)開始となった。

    2022年1月11日背部痛、食欲低下、腹部膨満のため消化器内科受診された。腹部膨満の原因が肝嚢胞の可能性があり、ご本人・ご家族と相談し嚢胞ドレナージ+PEITを施行。3.5Lほどドレナージし1月27日チューブ抜去した。

    化学療法後、ADL低下傾向にあり自宅退院希望があるため2022年2月3日当院訪問診療開始の運びとなった。

  • 高血圧症の患者さんの事例

    <年齢・性別>

    98歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、三女の二人暮らし。主人は他界。子供は三人。KPは同居の三女。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 3割

    要介護2

    <主病>

    #高血圧症

    <既往>

    <訪問診療開始の経緯>

    もともと近医より訪問診療を受けていた患者。

    2021年12月末、構音障害出現しA病院にてCT撮影されたが症状はすぐ改善し原因不明と診断されたエピソードあり。

    2022年1月半ば、転倒され頭部外傷にてB病院へ入院された。

    退院後全身状態が悪化し寝たきり状態となり食事摂取量の低下もみられ当院へ訪問診療依頼があり、介入の運びとなった。

  • 誤嚥性肺炎の患者さん

    男性 95歳

    <住所>

    名古屋市東区

    <家族構成>

    本人はグループホームに入居

    キーパーソンは長女

    今回、長女宅に退院

    長女、次女、三女がいる

    <保険情報>

    医療保険 後期高齢 3割負担

    介護保険 要介護3 3割負担

    <疾患>

    誤嚥性肺炎

    関節リウマチ

    認知症

    <導入の経緯>

    3~4年前より認知症あり、グループホームに入所されていた。

    誤嚥性肺炎にてN大学病院に入院された。

    短期間で誤嚥性肺炎を繰り返しており、経口摂取再開は危険が大きいが、胃瘻やCVオート造設は希望されず、末梢静脈点滴を継続の方針とされた。

    末梢静脈栄養では予後は2ヶ月程度と考えられ、看取り方針となると説明されている。

    心肺停止時DNR。

    既往に慢性関節リウマチあり、プレドニゾロン8mg内服されていたため、点滴内にプレドニゾロン5mgとした。

    今回の退院は、コロナ禍で娘や孫の顔が見えないのは寂しいということが家族会議で決まり、長女宅で看ていくこととなった。

    介入から約2か月、ご自宅にてご逝去される。

  • 絞扼性イレウス、肺アスペルギルス症疑いの患者さん

    <年齢・性別>

    87歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    本人、長男、嫁の三人暮らし。KPは嫁。妻は他界。次男は市外。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護3

    <主病>

    #絞扼性イレウス

    #肺アスペルギルス症疑い

    <既往>

    #敗血症性ショック多形鋼板

    #真菌感染

    #多形紅班

    #肺炎

    #認知症

    #廃用症候群

    <訪問診療開始の経緯>

    2021年10月下旬側腹部通を認め、嘔吐症状も出現し、その後状態が悪化。

    A病院へ救急搬送され開腹下でイレウス解除術(腸切除せず)を施行した。

    術後に敗血症きたしたが、徐々に改善。

    リハビリ施行中に肺アスペルギルス症、薬疹を伴う紅斑症状が出現し、一時的に胃管挿入したが退院前に抜去。食事量にばらつきはあるが点滴は終了となった。

    咳や痰、呼吸困難症状は認めていない。

    紅斑は薬疹を疑われ、掻痒感があるためステロイドを継続使用していた。

    退院後に訪問診療希望され、当院介入開始となった。

  • COPDの患者さんの事例

    訪問診療導入事例
    <年齢・性別>
    80歳 男性
    <居住エリア>
    名古屋市千種区
    <家族構成>
    本人独居。姪が知立。キーパーソンは姪。
    <医療保険・介護保険情報>
    後期高齢者医療保険 1割
    福祉給付金資格者証
    要支援2
    <主病>
    #COPD
    #慢性呼吸不全
    #左肺底部結節(肺がんの可能性あるが精査加療せず
    <既往>
    #気管支喘息
    #胸膜プラーク(アスベストありと)
    #糖尿病
    #高血圧
    #喀痰Mycobacterium lentiflavum陽性 MAC抗体陽性(治療せず)
    <訪問診療開始の経緯>
    元々A病院に月1回の受診をしていたが、立ち上がりなどで動くだけでSPO2が70代後半まで落ちてしまうようになり、エレベーターのないアパートの2階に住んでいるため、通院が困難となってきた。最終受診は12月で、1月の受診は行くことができず、やむを得ず姪が薬のみ取りに行った。その時に医師より訪問への切り替えの打診があった。
    それを受け、ケアマネより当院に連絡が有り、訪問診療介入の運びとなった。
    面談時、本人は訪問に切り替えたいという気持ちはあるものの最後に先生に挨拶がしたいというご希望があったたため、状態をみて受診が可能であれば受診をするか、難しければビデオ通話などで最後に挨拶をすることにした。医療行為:在宅酸素療養(安静時、労作時 3~4ℓ)
  • 医療行為として、PICC管理、Ba挿入、喀痰吸引、仙骨褥瘡処置の患者さん

    <年齢・性別>

    73歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市東区

    <家族構成>

    本人、内縁の妻の二人暮らし。KPは内縁の妻。

    <医療保険・介護保険情報>

    前期高齢者医療保険 2割

    要介護2

    <主病>

    #肺扁平上皮癌

    <既往>

    #虫垂炎(若いころ)

    #高血圧

    #高尿酸血症

    #糖尿病

    <訪問診療開始の経緯>

    A病院にて肺癌に対し化学療法を行っていたが徐々に全身状態が悪化していった。

    2021年11月初旬に尿路感染症による敗血性ショックでA病院の泌尿器科に入院となった。尿路感染は抗生剤投与にて改善したが、反面、全身状態はさらに悪化し、食事も経口摂取が困難となりPICC留置し中心静脈栄養を開始した。

    また右胸に癌性の胸水貯留あり、右胸膜炎の診断で胸腔ドレナージを実施した。

    予後1~2ヶ月と内縁の妻にI.Cしたところ自宅での看取りを希望し、2021年12月に退院、訪問診療開始となった。

  • 急性骨髓性白血病、ご自宅で最期を迎えたいという希望あり訪問診療開始

    <症例>

    男性 91歳

    <住所>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、妻同居

    娘婿がキーパーソン

    <保険情報>

    医療保険 後期高齢 1割負担

    介護保険 申請中 1割負担

    <疾患>

    急性骨髄性白血病

    胆嚢炎

    慢性心不全

    <導入の経緯>

    急性骨髓性白血病にて八事日赤病院 血液内科通院中であった。

    右側腹部痛があり、精査・経過等から胆嚢炎<胆嚢癌の穿孔が疑われた。

    急性骨髓性白血病による血小板減少にて出血傾向→胆嚢癌からの胆道出血→閉塞性黄疸→腹痛の機序と思われる。

    超高齢や出血傾向、瘻孔形成を来していることを考慮すると、手術や抗癌剤治療はもちろん、確定診断のための穿刺も困難であり、保存的治療の方針となった。

    入院中は輸血を行っていたが、退院後は輸血を差し控えること、胆道感染増悪の可能性はあるが、経口摂取は継続して頂き、経口摂取困難時も代替栄養を含めた延命治療は行わない方針となった。

    ご本人もご自宅で最期を迎えたいという希望あり訪問診療を利用されることとなったケース。

  • 膀胱がん、尿道皮膚ろうの方でご自宅にてご逝去

    <症例>

    女性 94歳

    <住所>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    本人・次女同居

    キーパーソンは次女

    長女は西区在住

    <保険情報>

    医療保険 後期高齢 3割負担

    介護保険 要介護3 3割負担

    <疾患>

    不安定狭心症

    膀胱がん末期

    両肺多発転移性腫瘍

    胸水貯留

    <導入の経緯>

    膀胱がんの加療の為、入院されていた。

    肺・肝転移みとめBSCの方針となり、在宅加療の希望あったため当院介入開始。

    最終的には自宅看取りの方針だが、不安が強く入院希望される場合は入院先で受け入れされる予定はあった。

    当院として在宅では初の尿道皮膚ろうを付けられた方である。

    退院前カンファレンス時に入院先の医師から当院の医師に交換の手順を指示いただき、在宅でも交換ができたケース。

    在宅療養中に急性肺炎を起こされたが入院希望なく、抗生剤治療、酸素療法など施行した。呼吸苦が強くなり、緩和目的でモルヒネ持続皮下注開始となった。

    その後、ご自宅にてご逝去された。

  • 呼吸状態や独居という背景から自宅退院は難しいことをは息子さまへIC済みであったが、ご本人の自宅退院に対する希望強く、訪問診療開始

    <年齢・性別>

    82歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、長男の二人暮らし。夫は他界しており、子供は二人。長男は同居しているが、引きこもりで疎遠のため、実質独居に近い状態。次男様は海外在住。KPは甥子さまであるが羽島在住のため遠方で中々来られない。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    福祉給付金資格者証

    要介護5

    <主病>

    #間質性肺炎(2018年~HOT使用)

    #縦隔気腫

    #関節リウマチ

    <既往>

    #H8.口腔癌

    #2014年胆嚢摘出術

    #2018年腰椎圧迫骨折

    #両眼白内障

    #2021年骨粗鬆症

    <訪問診療開始の経緯>

    上記診断あり、近医でプレドニゾロン、ケアラム、シンポニーを2018年より開始するが、増悪認めA病院へ紹介となった。何度も間質性肺炎の急性増悪を繰り返し、内服減量やオレンシアの注射、ステロイドパルス療法なども施行した。2018年からはHOT開始し、最終2021年10月下旬より入院となった。安静時はHOT2Lで呼吸状態安定しているが、労作時はSat80前半となり3-4L使用中であった。関節症状は落ち着いており縦隔気腫は縮小傾向であった。呼吸状態や一人暮らしという背景からも自宅退院は勧められないことは息子さまへIC済みであったが、ご本人の自宅退院に対する希望強く、訪問診療開始の運びとなった。

  • 在宅療養を自宅から施設入所にする流れで、同じ医療機関にみてもらいたいという希望があり、当院が介入

    <症例>

    女性 89歳

    <住所>

    名古屋市南区

    <家族構成>

    本人独居

    キーパーソンは義妹

    本人の夫の弟とその妻(義妹)は同区内在住

    <保険情報>

    医療保険 後期高齢 1割負担

    福祉給付金あり

    介護保険 要支援2 1割負担

    <疾患>

    左肺がん

    がん性胸膜炎

    胸水貯留

    頚椎症

    <導入の経緯>

    独居で生活をされているが、ADLは自立されており、できるだけ自身のことは自分で行っている。

    できないことは友人や義妹に頼み生活をしている。

    左変形性膝関節症に対し人工股関節置換術を行う際の検査で肺がんが見つかり、本人家族への説明はあったものの経過観察を選ばれる。

    胸水の貯留も見られたため、通院先からはコントロールのために入院提案もあったが、本人の強い希望により、在宅で胸水穿刺を行い、自宅療養が困難になったらホスピス入院や施設入所を希望。最終的には施設に入所後、施設でご逝去となるが、自宅療養および施設療養ともに当院で診療させていただいたケース。

  • 在宅での腹水穿刺および輸血対応を含めた在宅見取りを希望

    <年齢・性別>

    73歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    本人、長女の二人暮らし。長男名古屋市内在住

    <医療保険・介護保険情報>

    前期高齢者医療保険 2割

    福祉給付金資格者証

    要介護4

    <主病>

    #浸潤性膀胱がん

    #多発リンパ節転移

    #腹膜播種

    #腹水

    #癌性貧血

    <既往>

    #慢性C型肝炎

    #肝硬変

    #糖尿病

    #高血圧症

    <訪問診療開始の経緯>

    2020年10月、膀胱腫瘍疑いにてA病院腎臓内科から泌尿器科へ紹介されMRIにて浸潤性膀胱癌(T3b以上 N1Mx)の診断となった。12月初旬に経尿道的膀胱切除術を施行。

    病理組織は高度型度尿路上皮癌。その後GC(GEM/CDDP)療法(抗がん剤点滴での治療法の一つ)や放射線治療行ったが血小板低下がありGC療法を中止し、キートルーダ(免疫チェックポイント阻害薬)施行するも皮疹出現したため休止し、その後PD(癌進行/病態進行)。腹水に対しては利尿剤開始するも悪化傾向あり穿刺にて排液。また貧血に対しても適宜輸血施行。

    名古屋市在住の娘様宅へ退院されるとのことで在宅での腹水穿刺および輸血対応を含めた在宅見取りのために訪問診療を希望され、当院にて介入の運びとなった。

  • 抗癌剤治療の継続を希望されず、BSC方針となったため、訪問診療開始

    <年齢・性別>

    78歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、夫の二人暮らし。長男名古屋市内在住

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    福祉給付金資格者証

    要介護4

    <主病>

    #左乳癌再発

    #転移性骨腫瘍

    #脊椎転移

    #廃用症候群

    <訪問診療開始の経緯>

    左乳癌の再発に対して2012年よりA病院にて内分泌治療継続していた。

    2021年9月末頃からふらつき、転倒繰り返すようになり、MRIにて頭蓋骨転移、髄膜播種の診断を受ける。T9(胸椎)にも新規転移認めた。

    2021年10月 全脳照射、T9への照射のためにA病院に入院したが、ADLと認知機能は緩やかに低下がみられ、本人・家族とも話し合いの上、今後これ以上の抗癌剤治療など希望されずBSC方針となったため、2021年10月末に退院し当院訪問診療開始となった。

  • 在宅見取りを見据えての日常的な疼痛管理、適宜在宅での腹水穿刺などを目的として訪問診療開始

    <年齢・性別>

    69歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人と妻の二人暮らし。長女近くに在住(協力的)

    <医療保険・介護保険情報>

    国民健康保険3割

    介護保険申請中

    <主病>

    悪性胸膜中皮腫

    癌性腹膜炎

    <訪問診療開始の経緯>

    2020年1月心筋梗塞後のCTにて左優位の胸水と両側胸膜下にすりがらす影を認め2020年2月よりA病院にてフォローを開始した。

    左胸痛や労作時呼吸困難より同年4月入院し、5月に悪性胸膜中皮腫の診断がおりた。

    2020年6月より化学療法を開始(CDDP+PEM)。6コース施行し、CR(完全奏功・完全寛解)となる。

    しかし2021年2月下旬、労作時呼吸困難、右多量胸水より精査し悪性胸膜中皮腫の診断。

    2021年3月30日、2nd lineとしてNivolmabを投与開始、5コース施行したが、胸水増加と左胸膜肥厚を認めPD(状態悪化・進行)と診断。

    7月27日よりBCS。癌性疼痛に対してオピオイド内服開始、腹水増加に対しては適宜腹水穿刺施行となった。

    今後の通院が困難なため、在宅見取りを見据えての日常的な疼痛管理、適宜在宅での腹水穿刺などを目的として訪問診療開始となった。

  • 在宅での腹水穿刺を検討の上、在宅診療開始

    <年齢・性別>

    70歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし。KPは妻。子供は5人。市内に二人、市外に二人、県外に1人。

    <医療保険・介護保険情報>

    生活保護

    介護保険申請中(入院中)

    <主病>

    多発性肝細胞癌

    C型肝炎

    INF治療後

    非代償性肝硬変

    DM

    <訪問診療開始の経緯>

    C型肝炎による肝硬変、多発肝細胞癌による腹水貯留のためA病院に入院。

    肝細胞癌は多発しており、肝機能低下認め治療適応がないためBSC方針。

    入院中は利尿剤にて腹水コントロール行っていた。退院に伴い通院困難のため当院訪問診療介入開始となる。

    退院後は在宅での腹水穿刺が必要となる可能性があるため、訪問看護も併せて調整。

    それに伴い、介護保険も新規申請した。

  • 施設に入る前のワンクッションとして訪問診療を導入

    <年齢・性別>

    78歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市昭和区

    <家族構成>

    本人、長女の二人暮らし。妻は癌で他界。長男は東京。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護1

    <主病>

    非代償性肝硬変、肝性胸水、肝性脳症、認知症疑い、難聴

    <訪問診療開始の経緯>

    2011年食道静脈瘤破裂。2019年より肝性脳症を繰り返す。

    2021年10月より肝性胸水貯留があり定期的な胸水穿刺が必要となる。

    入院中に約800㎖抜水(右胸水)。800mlの抜水に要する時間は約2~3hで胸水穿刺後は呼吸困難感が薄れ症状改善を認める。

    ADLに関してはほぼ自立だが、難聴が酷く、コミュニケーションはやや困難。

    大切なことは本人に必ず理解してもらい話を進める必要があるため、時には筆談も必要となる。

    発言等はしっかりしているが、短期の記憶障害など、認知症が疑われるようなエピソードもあり。

    ただし、認知症の診断を付けられるレベルではないとのこと。

    内服は自己管理できないため、入院中は看護師が行なっていた。

    妻は癌で他界しており、主介護者の長女とは同居であるが、長女も日中は仕事があり、介護疲れも溜まっており、介護負担の減少も狙い訪問診療を導入することとなった。

    今後、負担が増えるようであれば施設検討だが、相談時は本人の自宅退院希望が強かったため、施設に入る前のワンクッションとして訪問診療を導入しての自宅退院とした。

  • 両変形性膝関節症を鎮痛薬でコントロール、高血圧の心配から訪問診療で内科介入

    <症例>

    女性 88歳

    <住所>

    名古屋市中区

    <家族構成>

    本人独居

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    介護保険 要支援1 1割負担

    <疾患>

    高血圧の疑い

    両変形性膝関節症

    <導入の経緯>

    独居生活中だが、教え子が同じ建物に住んでおり、生活のサポートをしてくれている。

    両変形性膝関節症は長年手術が必要と主治医から話はあるが、本人希望で行っておらず、鎮痛薬でのコントロールをしている。

    最近の生活で血圧が180mmHgと高い日々が続き、内科受診を検討。

    主治医が整形外科医であることもあり、内科の相談は難しいことや今の足の状態で新たに内科にかかることが不安であるという訴えもあり、担当ケアマネージャーから訪問診療の提案がされた。

    ご本人からも訪問診療のほうが良いとの話があり、介入に至る。

  • 家族が家で看たいとの希望を強く訴えたため、自宅退院方向での調整となり、訪問診療開始

    <年齢・性別>

    78歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし。KPは妻。長男は県外、次男は市外。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護4

    <主病>

    #1.右急性硬膜下血腫

    #2.慢性硬膜下血腫穿頭術後

    #3.前立腺癌  (肋骨・仙骨部へ転移あり)

    #4.糖尿病

    #5.脂質異常症

    #6.白内障術後

    <訪問診療開始の経緯>

    2021年6月5日転倒頭部打撲にてA病院受診。

    CT所見にて、右急性硬膜下血腫あり経過観察となった。

    7月30日に歩行困難となり同院受診し右慢性硬膜下血腫あり、入院の上、穿頭術施行。

    8/17リハビリ目的でB病院へ転院となる。

    C病院にて前立腺がんの治療が行われていたが、本人、家族との話し合いの結果、化学療法は希望せずBSC方針となった。

    相談時、自主性の低下がみられ、経口摂取量も減少傾向であった。

    日中の過ごし方は点滴施行しながらほぼベッド上での生活であった。

    10/15頃より意識レベルが低下し、療養病棟への転棟を勧めるも家族が家で看たいとの希望を強く訴えたため、自宅退院方向での調整となり、同時に訪問診療の導入となった。

  • 基幹病院に3カ月に1回の受診継続、当院と併診することで訪問診療開始

    <年齢・性別>

    61歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、妻、息子の三人暮らし。KPは妻。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    特定医療費受給者証

    要介護4

    <主病>

    多系統萎縮症

    <訪問診療開始の経緯>

    2019年2月ごろよりふらつきを自覚し始めた。

    その後も症状が徐々に悪化していき歩行も不安定となる。

    同年5月頃より、尿意切迫感も認められるようになる。

    MRIにて小脳脳幹の萎縮を認め、被殻のT2低信号、中小脳脚のT2高信号等を認めた。

    孤発性で緩徐進行性の小脳失調、自律神経障害(排尿障害)、MRIの所見より多系統萎縮症の診断がおりた。

    初診時より2年が経過し車いすでの生活となる。睡眠時無呼吸症候群に対してはCPAP実施していたが、呑気が見られたため中止した。

    その際に気切、胃ろうの説明をしたが2021年6月時点では希望しないと回答。

    相談時、経口摂取は良好だが排尿障害は徐々に悪化傾向であった。

    近くのかかりつけ医とA病院の神経内科へ定期的に通院していたが、通院が困難となり、患者本人と家族より訪問診療の希望があり、基幹病院への3カ月おきの受診は継続の上で、月2回の訪問診療を開始することとなった。

  • 「在宅医療への希望が強くなり、訪問診療開始」

    <年齢・性別>

    77歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、夫の二人暮らし。KPは夫。娘は千種区内に住んでいる

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 2割

    要介護4

    <主病>

    非結核性抗酸菌症

    <訪問診療開始の経緯>

    元々、関節リウマチでT病院、非結核性抗酸菌でH病院に通院していた。

    両側足関節炎増悪、非結核性抗酸菌症の増悪でT病院リウマチ科に入院。

    改善傾向となり退院の運びとなった。

    両側足関節炎に関しては、入院直後にステロイドの関節注射で速やかに症状改善。

    非結核性抗酸菌症に関しては入院前はH病院でクラリス+グレースビット+ファロムで加療していたが、病勢進行しており余命半年でこれ以上の治療がないと言われていた事もあり、寿命が尽きるならばT病院でお願いしたいという希望があり入院となっていたが、その後、本人、家族の在宅生活希望が強くなった。

    治療としても内服加療に切り替わっているため、非入院下での加療も不可能でない状態とT病院医師が判断され、在宅医をつけての退院の運びとなった。

  • 「通院の介護負担が大きく、訪問診療開始、また、退院後の妻の介護疲れ予防のための当院でレスパイト入院も利用」

    <年齢・性別>

    73歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし。KPは妻。

    <医療保険・介護保険情報>

    前期高齢者医療保険 2割

    要介護4

    <主病>

    脊髄小脳変性症 脊柱管狭窄症

    <訪問診療開始の経緯>

    脊柱管のう腫で強い痛みを感じ、A病院へ入院。その後リハビリのためにB病院へ店員となった。

    退院許可がおり、本人が自宅への退院を強く希望したが、残尿が多く、バルーン留置での退院となることと通院への介護負担が大きいため、退院後の訪問診療が必要となり当院への相談があった。

    退院後、週に3日のデイサービス利用が必要であり、デイの曜日変更が困難なためタイトなスケジュール調整が可能であることと、退院後の妻の介護疲れ予防のためのレスパイトも含めて適宜入院等の対応もできるほうが望ましいという理由が、ご家族が当院を選択した理由であった。

  • 「直腸癌、ご本人の強い希望により訪問診療開始」

    <年齢・性別>

    80歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし。KPの次女は徒歩圏内。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護2

    <主病>

    直腸がん

    <訪問診療開始の経緯>

    肛門の痛みを自覚し、2021年3月に近医にてCS⦅下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)⦆施行したところ直腸癌との診断。精査加療目的にて基幹病院に受診。CT検査で多発肝転移、腫瘍の後腹膜への浸潤を認め、通過障害、出血傾向を認めなかったため化学療法を先行して2021年4月より開始。化学療法6クール施行するもPD(治療行為にもかかわらず、治療前よりも病気が進行または腫瘍が増大した状態)であったため、年齢も考慮し※BSC方針を提案したが、本人の強い希望で薬液変更して化学療法施行予定であった。

    しかし、倦怠感が増悪し、食事摂取もできず黄疸進行、CTで肝転移の増大認め、御本人・奥様・娘様にICしBSC方針となる。

    御本人の強い希望にて自宅退院となり、当院が介入することとなる。

    ※BSC(ベストサポーティブケア)とは

    がんに対する積極的な治療は行わず、症状などを和らげる治療に徹すること。

    効果的な治療が残されていない場合などに、あるいは患者さんの希望に応じて、積極的ながんの治療は行わず、痛みをとったり、QOL(生活の質)を高めたりすることを目的にしたケアに徹することを指す。

  • 「経済的な理由により訪問診療での介入開始」

    <年齢・性別>

    77歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市名東区

    <家族構成>

    本人独居。長男緑区。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護2

    <主病>

    アルツハイマー型認知症、脊柱管狭窄症、糖尿病

    <訪問診療開始の経緯>

    本人独居。相談の1年ほど前から理解力が低下し、物忘れが多くなってきており、日常生活に支障が出てきている状況であった。時折体調不良の訴えがあり、相談があった4か月ほど前に近くの基幹病院に受診し、1週間ほど検査入院をしたが、内臓系に異常は見つからなかった。

    歩行も不安定で、休み休み近くのドラッグストアに行くのがやっとの状況であった。

    既往に糖尿病もあり、定期的な通院が必要な状況であったがタクシーまで歩くことも困難なことがしばしばあり、長男の通院介助も困難な状況であったため、訪問診療を検討することとなった。

    面談時、本人は費用面を非常に気にしており、長男も認知症状の進行を遅らせるために通院が必要だと考えているので経済的な支援はしないという方針であった。しかし一方で、費用面を気にせずに訪問診療の導入が可能であるなら導入してもらうことは構わないという考えもお持ちであったため、福祉給付金資格者証の取得ができないか検討した。

    介入中のヘルパーから日常生活についてのエピソードの聞き取りを行い、担当予定の医師にそれらを報告したところ、認知症の状態としては十分に取得可能なのではないかという意見をもらえた。

    以上のことを長男に報告し、近医にて相談し取得してから訪問診療を導入するか、もしくは訪問診療を行いながら取得を目指していくのはどうかと相談をした。

    長男より、とりあえず訪問診療を導入し、丸福の取得ができなかったときはまた考えますというご回答であったため当院での介入を開始した。

    導入後、丸福の取得ができたため現在も引き続き介入が続いている。

  • 「肺がん、前立腺がん、胃がん、胃がんについては未告知を継続する方向性で訪問診療介入」

    <症例>

    男性 85歳

    <住所>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    本人、妻が同居

    長女、長男は別居

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 2割負担

    介護保険 要支援2 1割負担

    <疾患>

    肺がん

    前立腺がん

    胃がん

    <導入の経緯>

    肺がん、前立腺がんは治療が終了となり、主治医からも在宅療養への切り替えを進められた。

    胃がんに関しては別の医療機関を受診していたが、上記内容を伝えると在宅への切り替えを了承され、在宅療養となった。

    胃がんに関しては本人、奥様に未告知であり、長女と長男は知っている。

    過去に肺がんが見つかった際に奥様が不穏になったこと、奥様に現在認知症があり、正常な判断が困難であろうことから未告知を継続する予定である。

    本人は胃の調子が悪いなという程度であるそうで、今回の在宅医療導入まではADL自立、訪問リハビリのみで緊急時加算なしという環境もあり、月2回からの訪問診療開始となる。

  • 通院困難により訪問診療介入、多職種と連携し虐待防止につなげる事例

    <年齢・性別>

    87歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人独居。長男南区。次男千種区。

    <医療保険・介護保険情報>

    生活保護受給

    要介護2

    <主病>

    高血圧症、心不全、統合失調症、不眠症、卵巣がん術後

    <訪問診療開始の経緯>

    生活保護受給者。長男より長年、次男と共に虐待を受けていた。令和元年に4カ月に渡り、市内の精神科病院に保護入院をしていた。

    退院後は緑区からの措置を受け、名東区へ身を置くようになった。

    長男には本人(母親)に連絡を取ったり、会ったりはしないという条件を提示し、長男もそれを受託したはずであったが、本人も次男も理解力が低く、長男が泣きついてきたことで頻回に会うようになってしまい、千種区の本人宅に長男が頻繁に来るようになってしまった。

    このままでは、元の状態に戻ってしまう恐れがあるため改めて長男には本人宅にこないよう通達したが、約束が守られるかが不明なため、できる限り介護サービスを利用し、人の目を入れるようにした。

    そのようなサービス計画の中で、本人は自力での通院も困難であることと医療的な人の目をいれることも必要であるとケアマネ、保護係、福祉課が判断し、当院へ相談があった。

    面談時、サービス担当者会議を行い、万が一長男が来ていることがわかった場合の対応方法などを細かく打合せし、介入開始となった。

  • レスパイト入院を利用して、介護を負担を軽減しながら訪問診療を導入

    齢・性別>

    74歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、夫の二人暮らし

    <医療保険・介護保険情報>

    前期高齢者医療保険 2割負担

    要介護3

    <主病>

    中枢神経系原発びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、てんかん、認知症

    <訪問診療開始の経緯>

    リンパ腫治療のために入院歴があり、退院後も基幹病院に経過観察のために外来定期受診を続けていた。しかし、ADL低下がみられ、屋内移動も車いすが必要な状態となった。介助があればトイレ移乗は行っているが、オムツ内失禁も見られるようになったり、精神的な不安定さから夫に対しての暴言もみられるようになったため介護負担が増大している。

    このような背景から、通院介助の軽減と、適宜レスパイト入院の利用などで主介護者である夫の介護負担軽減を狙い当院の訪問診療の利用を希望された。

  • 介護サービス、医療受診に対して強い拒否があるケース

    <年齢・性別>

    82歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    本人、妻の二人暮らし

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    要介護4

    福祉給付金資格者証

    <主病>

    糖尿病、高血圧、認知症

    <訪問診療開始の経緯>

    介護サービスに強い拒否があり、利用ができていない状況。受診に対しても拒否が強く数か月間通院ができていない状況であった。

    本人様は妻が外出すると、勝手に外に出てしまい帰ってこられなくなるほど認知が進んでおり、妻の介護負担軽減のためにも訪問系のサービスへ何とかつないでいく必要があった。

    本人様の歩行能力の低下傾向にあり、自宅内は何とか移動できているが、目を離すと自宅内でも倒れこんで動けなくなってしまうこともしばしば見られるようになっていた。

    ケアマネージャー様からの相談であったが、現在のかかりつけ医にはまだ相談ができていない状況とのことであったため、相談員より、まずは現在のかかりつけ医に訪問診療の妥当性についてご意見を求めるよう提案した。

    問い合わせの結果、担当医からも訪問診療が妥当であるだろうと回答を頂けたため、当院により介入の運びとなった。

    訪問医に対しての拒否が心配されたが、事前に相談員が何度か自宅訪問を行い、本人様の了承を頂き、初診日も同行することで拒否なくスムーズにすすめることができた。

  • 入退院を繰り返すことが増えたため、自宅療養の時間を作るために訪問診療を導入

    <症例>

    男性 85歳

    <住所>

    名古屋市東区

    <家族構成>

    本人、妻が同居

    長男、次男おり、次男がサポーティブ

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 3割負担

    介護保険 要介護2 3割負担

    <疾患>

    前立腺がん

    骨転移

    慢性腎臓病

    糖尿病

    <導入の経緯>

    妻と二人暮らしであったが、妻の認知症症状もあり本人が買い物など生活の中心でいた。

    R2.6より腰痛が出始め、同月にM大学病院の老年内科に入院。

    入院中の精査により、左腸骨骨転移線が見られ、前立腺がんと診断された。

    入院中の主治医からは尿閉の為、1日3回の自己導尿が必要と言われたが、本人希望が強く退院後は自尿排泄を続けている。

    ADLは自立であるが、入退院を繰り返すことが増えたため、自宅療養の時間を作るために訪問診療の導入に至った。

  • 当初診療拒否であったが、周囲のサポートにより1年以上、診療継続できている事例

    <年齢・性別>

    77歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市北区

    <家族構成>

    本人、長男、長男の妻の三人暮らし。妻は施設入所中。次男は県外。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    要介護1

    <主病>

    アルツハイマー型認知症

    <訪問診療開始の経緯>

    1階部分で本人独り暮らしのような状態。長男夫婦は2階部分に住んでいる。

    本人は長男の妻に対して暴言や被害妄想があり攻撃性があるため、本人以外は車庫から出入りしている状態であった。

    通院も拒否があり、家族としても現在の生活に疲弊してしまっている状態。

    何とかできないものかと長男よりケアマネに対して相談があり、ケアマネが訪問診療を提案し当院に問い合わせが入った。

    状況をお聞きしただけでは、本人状況や家族の状況がわからなかったため、一度長男と面談をさせてほしいとお願いし、お会いさせて頂くことになった。

    面談で決めたことは、長男が毎回診察に立ち会うことと訪問看護は介入ができているため、内服管理は長男と訪問看護にお願いするという二点。

    次に本人にお会いすることにした。

    長男からは、本人は通院拒否があり、本人に意思確認をしても拒否されてしまうとお聞きしていたが、やはりできれば本人からOKを貰いたいという気持ちがあり、お話をさせて頂くことにした。

    初めはやはり「来なくても良い」との一点張りであったが、テーブルの上に健康診断の紙があったので、「まずは健康診断をしてもらおう」ということでお話を続けた結果、本人からも先生に来てもらって構わないというお言葉を頂き、書類作成は長男様に代行してもらうこともご了承を頂けた。

    長男にはチャレンジとなってしまうため、今後本人の拒否が強いようであればやはり訪問継続が難しくなってしまうかもしれない旨は了承を頂いた。

    事前に担当医とも入念に打合せし、当日は面談した相談員も診察に立ち会うことにした。医師と話をすると本人も生活上の悩みを少し吐露する場面もみられた。

    本人と先生との間も信頼関係が生まれ、症状も軽減されており、介入から1年以上経過する現在も順調に介入が続いている。

  • 患者さんから自宅に帰りたいと希望あり、抗生剤治療終了したため訪問診療開始

    <症例>

    男性 93歳

    <住所>

    名古屋市熱田区

    <家族構成>

    本人独居

    長男は他県在住

    次男が泊まり込み

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    介護保険 要介護2 1割負担

    <疾患>

    胆管炎

    MSSA菌血症

    慢性心不全

    慢性腎不全

    <導入の経緯>

    6月から徐々にADLが低下し始め、伝い歩きはできても全身倦怠感が強く出るような状態であった。

    通院も難しいということで訪問医の相談があったが、転落あり退院後の介入となったケース。

    本人は入院に対して拒否気味であったが、動けないとなると話は別であった。

    そのため、8/3ベッドから転落し、中京病院に救急搬送されたときはそのまま入院となった。

    結石性胆管炎あり、EST・採石、抗生剤投与しCRP低下しつつあったが、徐々に活気失われ食事摂取量低下し補液併用となった。

    8/11血圧低下・徐脈傾向。

    本人より自宅に帰りたいと希望あり、抗生剤治療終了したため往診開始となる。

    本人は独居であったが次男さんが泊まり込みで支援すると話され、在宅環境を整えてのスタートとなった。

  • 通院拒否、通院介助困難により精神科も併せて訪問診療介入

    訪問診療導入事例 「通院拒否、通院介助困難により精神科も併せて訪問診療介入」

    <年齢・性別>

    86歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人と夫の二人暮らし。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    要介護1

    <主病>

    アルツハイマー型認知症

    <訪問診療開始の経緯>

    本人は気持ちの面で不安定な部分があり、不安になると過呼吸となり、相談を頂く前年度には何度かそれが原因で緊急搬送をされていた。

    2年前の夏まではラジオ体操や老人会、近隣の友人とのお茶の集まりなどに参加していたが、物忘れがあり、そのことで自信を喪失してしまい、そういった集まりには参加ができなくなってしまった。

    相談時は、週3回のヘルパー利用で生活の支援を行っていたが、妄想などがあり、意味不明の言動や行動が多くなってきており、主介護者の夫も高齢ということもありサポートが難しい状態となってきた。

    施設入所なども勧めたが、本人と夫は施設入所に対しては積極的ではない。

    相談を頂く前の数か月は薬の調整を近医にて行ってきたが改善は見られない状態であった。

    本人の通院拒否も出てきており、夫の通院介助負担も大きくなってきたため、当院の訪問診療で薬の調整を行いつつ、必要に応じて精神科のサポートもできないかとケアマネージャーより相談を頂いたので、その方向性で介入となった。

  • 残された時間を自宅で生活したういという希望を叶えるため訪問診療介入

    <症例>

    男性 73歳

    <住所>

    名古屋市瑞穂区

    <家族構成>

    本人、妻の2人暮らし

    長女は別居

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担 福祉給付金資格者証

    介護保険 要介護2 1割負担

    <疾患>

    慢性心不全

    大動脈弁閉鎖不全症

    僧帽弁閉鎖不全症

    <導入の経緯>

    2005年に急性心筋梗塞、心原性ショックの為入院。

    以来15年程外来通院をしていた。

    2020年10月に自宅で心室細動となり救急搬送。

    心機能が非常に悪くなっており、末期心不全状態。

     

    その後入退院を繰り返され2021年12月の段階で予後数か月の見込みとなった。

    自宅生活では体重増加を来してしまうことから、緩和目的の転院の選択肢もあったが、ご本人から残り少ない予後であれば好きなことをして自宅で生活したいとの強い希望があり、退院し訪問診療介入となった。

    在宅での水分、塩分制限や症状緩和を通し、希望であった在宅生活、看取りの方向となった。

  • ADL低下、通院困難、糖尿病管理のため、訪問診療導入

    <年齢・性別>

    76歳 男性

     

    <居住エリア>

    名古屋市昭和区

     

    <家族構成>

    本人独居

    キーパーソンは姪

     

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    介護保険申請中

     

    <主病>

    糖尿病、前立腺がん

     

    <訪問診療開始の経緯>

    近くのクリニックがかかりつけ医であったが、きちんと定期的な通院ができていない状況で、受診したりしなかったりといったことを繰り返していた。

    ADL低下し、尚更通院ができなくなり、糖尿病の管理もあるため訪問診療のほうがベターであろうということでケアマネージャーより本人に提案しご本人もそのほうが良いということで同意された。

    本人様は面倒なことが嫌いな性格であり、対人に対しても好き嫌いが激しいなどのキャラクターであることがネックだとケアマネージャーは感じていたため、そのことを当院相談員に情報として共有してくださっていた(元々の性格なのか認知症の症状なのかは不明)。

    ケアマネージャーと相談員とで話し合った結果、導入までの手続きなどは姪を通したほうが良いだろうという結論に至り、姪を通して手続きを進めていくことにした。

    かかりつけ医への連絡も姪を通して行ってもらうことでスムーズに進めることができた。

  • 訪問診療導入事例 膵がん末期、本人、家族の強い希望により訪問診療導入

    <症例>

    男性 85歳

    <住所>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、妻が同居

    長男は天白区在住

    次男、長女は遠方他県に在住

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    介護保険申請中→要介護5 負担2割

    <疾患>

    膵癌末期、多発肝転移、腹水

    <導入の経緯>

    食欲不振あり、M大学病院を受診し膵癌+多発肝転移と診断された。

    受診翌月よりGEM 5クール施行するもPD、肝メタ増大。

    初診から半年後よりTS1 1クール施行しPD、肝メタ増大、腹水貯留と判断される。

    その後、BSCの方針となる。

    疼痛ほとんどなく、カロナール1800mg×3の投与でコントロール良好。

    天白区在住の息子さまがキーパーソンであり、M大学病院医師より予後2ヶ月と説明されている。

    ご本人、ご家族ともに在宅希望あり、当院ちくさ病院紹介となる。

    利尿剤でのコントロール不良である場合は腹水穿刺も視野に入れての退院であった。

  • 1日でも長く自宅での生活を続けていきたいという希望を叶えるため訪問診療介入

    <症例>

    男性 73歳

    <住所>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、妻の2人暮らし

    長男、長女は別居

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    介護保険 要介護2 1割負担

    <疾患>

    大腸がん末期

    上行結腸癌による腸閉塞(腹腔鏡下右半結腸切除術後)

    慢性腎不全

    <導入の経緯>

    2020年3月に上行結腸癌による腸閉塞を発症され、西部医療センターにて腹腔鏡下右半結腸切除術を受けられた。

    pT4aN2aM1(P1)  stageⅣの診断で、術後抗がん剤療法はご本人、ご家族(妻、子)ともに希望されず、2020/5時点で予後は半年から一年の見込みと伝えられている。

    1日でも長く自宅での生活を続けていきたいというご要望があり、そのサポートに向けて介入が決まりました。

    W医療センターへの通院を辞め、在宅医療に切り替えとなった方です。

    退院前カンファレンス等がなかったため、ご自宅にて今後の方向性などを確認。

    最後は在宅ではなく、家からお近くの当院ちくさ病院の入院で最後を看取りたいという奥様の強いご希望あり。

  • ご本人の通院拒否、キーパーソンの介護力低下により、24時間体制でのサポートと定期的な受診が必要となり、訪問診療開始

    <年齢・性別>

    83歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、長男の二人暮らし。

    キーパーソンは長男

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    要介護2

    <主病>

    アルツハイマー型認知症

    <訪問診療開始の経緯>

    近くのクリニックがかかりつけ医であったが、本人の通院拒否もあり、しばらく通院ができておらず長男が薬だけを取りに行っているような状況が続いていた。

    それでも大きな体調変化はなく、しばらく経過していたが、デイサービスでの血圧が高くなり、デイ利用時には何度も再検をしベッド上での臥床時間を取る必要があるような状態となってしまった。

    そういった状態を受けてキーパーソンの長男が急な体調変化などに対して24時間体制でのサポートの必要性や定期的な受診が必要であると判断され、かかりつけ医に相談し、訪問診療への切り替えの運びとなった。

  • 急に歩行が難しくなり、今後の状態をフォローするためにも訪問診療開始

    <症例>

    女性 82歳

    <住所>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、夫、三男が同居

    長男は名東区、次男は緑区在住

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    介護保険 要介護2 1割

    <疾患>

    アルツハイマー型認知症

    サルコペニア

    排尿困難(Baカテーテル留置)

    <導入の経緯>

    身の回りのことは1人でできていたが急に歩けなくなり病院受診をした。

    しかし、異常は認められなかった。

    腰の痛みがあり、食事量も少なく体重減少が著しかった。

    自宅での入浴が困難なため、入浴はデイサービスを利用。

    Baカテーテル留置をされており、処理は三男さんが対応している。

    かかりつけ医というかかりつけ医がおらず、直近の通院はA大学病院であり、今後の状態フォローや通院が難しそうなことから訪問診療の導入を決められた。

  • 長男の介護負担が大きくなる懸念があり、訪問診療を導入

    <年齢・性別>

    81歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    本人、夫、長男、長男の妻の4人暮らし

    キーパーソンは長男

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    要介護3

    <主病>

    左大腿骨頸部骨折 統合失調症

    <訪問診療開始の経緯>

    相談時はリハビリ病院に入院中であった。

    退院後に通所リハビリを体験予定となっており、問題なければそのまま利用開始とする予定であったが、元々本人の拒否が強いため、サービス利用は難しいであろうと長男はあきらめていた。

    同居の夫も物忘れが顕著で介護保険申請中のため介護力としては期待できず、長男の介護負担が大きくなりすぎる不安があった。

    退院後の内服管理ができるか、食事面の管理ができるかなど家族のサポートが必要な面が多い中、長男が今後の受診に連れ出せるのかといった不安を抱えていることもあったため、訪問診療の利用が最適解であろうとの判断になり、当院での介入の運びとなる。

  • 「大学病院への通院介助が困難、訪問診療を導入することで通院介助の負担を軽減」

    <症例>

    女性 91歳

    <住所>

    名古屋市中区

    <家族構成>

    本人、長男が同居

    次男夫婦は守山区

    次男嫁が週1訪問している

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    介護保険 要介護3 1割

    特定医療費受給者証あり

    <疾患>

    巨細胞動脈炎

    関節リウマチ

    腰椎すべり症

    <導入の経緯>

    2か月に1回、長男さんの介助でA大学病院へ通院している。

    自宅内では歩行器で生活をしており、トイレへ行き排泄をしているが下痢やめまいに悩まされている。

    かかりつけ医が大学病院ということもあり、訪問看護が介入はしているが何かあったら相談できる先が少ない。

    長男さんは自営業であり、仕事柄出張も多く、2か月に1回の通院自体も負担になりつつある。

    今回、介入している訪問看護事業所から、訪問医を併診で利用することを提案され、訪問診療につながった。

    面談をしている中で、長男さんからはA大学病院への通院をなくしてでも訪問診療に変えたいという話があったが、ご本人はまだかかりたいとの意向あり、大学病院への通院頻度を変更する予定となった。

    巨細胞動脈炎の難病更新申請は当院でも対応可能であり、ご本人の意思、通院状況によってはほぼ訪問診療になることが想定される。

  • 通院拒否、内服管理のため、訪問診療と訪問看護セットで介入

    <年齢・性別>

    86歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    妻と二人暮らし

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    福祉給付金資格者証

    要介護3

    <主病>

    脳梗塞 胃がん

    <訪問診療開始の経緯>

    脳梗塞や胃がんについて基幹病院へ通院していたが、通院拒否がみられるようになり、安定して受診ができていない状態となっていた。

    近医にて血圧の薬などを処方してもらっていたが、そのクリニックにも半年以上通院できず、血圧も190程度まで上がってしまっている状態のため、訪問診療を検討していると千種区のケアマネジャーさんより相談があった。

    介護サービスは月曜日に訪問リハビリ、水曜日と木曜日はデイサービスを利用していた。

    面談で確認した際、内服管理もほとんどできていない状況であったため、訪問診療と訪問看護の利用開始をおすすめし、ご納得されたため介入開始の運びとなった。

  • 筋肉骨格系疾患により通院継続が困難となり、訪問診療介入

    <症例>

    女性 79歳

    <住所>

    名古屋市昭和区

    <家族構成>

    本人独居

    同区内に弟がいる

    <保険情報>

    生活保護受給

    介護保険 要介護3 負担割合1割

    <疾患>

    第一腰椎圧迫骨折

    高血圧症

    <導入の経緯>

    転倒や圧迫骨折などのケガを何度も繰り返している。

    それが原因なのか、日常的な手のしびれ、膝や肩の痛みもありベッド上での生活が多くなってしまっている。

    そのため、下肢筋力の低下にてふらつきや足の脱力感などで不安定になっている。

    夜間はポータブルトイレ利用、日中は室内のトイレ利用している。

    膝や肩に注射を行うなどあり、通院継続していたが、状況的には悪循環から抜け出せないこともあり、訪問診療の相談に至った。

  • 内科・整形は当院の訪問診療が介入、眼科はかかりつけのクリニックを併診

    <症例>

    男性 78歳

    <住所>

    名古屋市中川区

    <家族構成>

    本人、妻が同居

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    介護保険 要支援1 負担割合1割

    福祉給付金受給あり

    <疾患>

    網膜色素変性症

    左膝関節症

    高血圧症

    <導入の経緯>

    網膜色素変性症により身体(視覚)障害者手帳所持。

    1人での外出が困難であり、外に行くためには妻の介助が必須である。

    左膝関節症はA病院で診断され、その後リハビリのために近くにあるB整形外科へ通院していた。

    介護保険申請後、B整形外科より介護保険での提供になるとの話があった。

    妻の負担軽減のために在宅療養も視野に入れていたものの、訪問リハビリの指示書や訪問マッサージの同意書を対応してくれないことが発覚し、訪問診療へ切り替えを図ることとなった。

    眼科に関しては、数か月に一回でも外出機会になることや信頼が厚いことから併診で継続となっている。

    なお、眼科の医療機関へは初診介入前に今回の経緯のご報告や情報連携をしっかりとった。

  • 体調減退によって、通院困難とケアマネさんが判断し、本人と家族の話し合いのうえ訪問診療開始

    <年齢・性別>

    85歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市北区

    <家族構成>

    妻と二人暮らし

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    要介護2

    <主病>

    高血圧症、脳梗塞、心房細動

    <訪問診療開始の経緯>

    これまでは歩行器を使用すれば屋内はなんとか移動が可能であり、排泄や入浴なども行えていたが、身体能力が低下して、1か月前くらいから身体に力が入らず動けなくなってしまった。

    近くの基幹病院に受診し、検査を受けたが、脳梗塞などはあるが、それ以上は見つからず加齢による体調減退との診断であった。

    その後、ADLは少し回復し自宅内は歩行器で移動可能になったが、通院となると困難であるとケアマネが判断し、本人と妻に訪問診療の話をした。

    妻も通院の介助は大変であるという理由で、正式に当院に訪問診療の依頼を頂き介入の運びとなった。

  • 生活保護 歩行困難により、通院が難しくなる。保護係からも訪問診療を勧められ、当院介入

    <症例>

    男性 69歳

    <住所>

    名古屋市中区

    <家族構成>

    本人

    婚姻歴なし

    子供なし

    兄弟は九州にいるが疎遠

    <保険情報>

    生活保護受給

    介護保険 事業対象者→介護認定申請中

    <疾患>

    認知症

    糖尿病疑い

    <導入の経緯>

    理容師の仕事をしていて2年前に仕事を辞める。

    7月に熱中症で外で倒れてばんたね病院入院。

    片付けができず、食べるとお復がゆるくなり便失禁もあり部屋がかなり汚い状態になり事業対象者となった。

    紙パンツ着用。

    現在介護認定申請中。

    会話はしっかりされ、物静かな方。

    傘を杖代わりに使用(杖を購入するお金がない)。

    ガスが止まっている状態。

    歩行困難になってきており、通院ができないため保護係からも訪問診療を勧められ、相談に至った。

  • 通院が困難となり、訪問診療を利用

    <年齢・性別>

    80歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人と夫の二人暮らし。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    丸福有。

    身体障碍者手帳有(3級)

    要介護5

    <主病>

    間質性肺炎

    <訪問診療開始の経緯>

    夫と二人暮らし。ご相談を頂く6年前に間質性肺炎の診断を受ける。

    夫の通院介助にて基幹病院へ毎月検査に行きながら、近所のかかりつけ医にてフォローを行っていた。

    しかし、ご相談を頂く1年ほど前から症状が悪化し始めた。

    住んでいるマンションはエレベーターがなく、通院のためには階段昇降が必要であり、移動時の労作負担が大きいため、外出時には呼吸苦を起こしやすい居住環境であった。

    だんだんと通院が困難となり、夫だけがかかりつけ医のところに薬を取りにいくことが頻繁となってきたため、ケアマネより本人と夫に訪問診療はどうかと話をしたところ、可能であればそうしたいとの回答であったため、当院に訪問診療の相談を頂いた。

    夫より、主治医へ話をしてもらい、了承を得られたため次週より介入の運びとなった。

  • 本人の強い希望で自宅への退院後、訪問診療開始

    <年齢・性別>

    84歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市守山区

    <家族構成>

    妻と二人暮らし。妻は外出が多い。長男は守山区内。長男の妻は看護師。長女は緑区。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    福祉給付金資格者証

    特定医療費受給者証

    要介護5

    <主病>

    進行性核状性まひ、アルツハイマー型認知症

    <訪問診療開始の経緯>

    平成30年8月にアルツハイマー型認知症の診断を受け、服薬治療を開始した。

    令和2年に進行性核状性まひの診断を受けた。同年10月より、訪問看護、訪問リハビリ(ST)の利用を開始。

    しかし、翌年3月にけいれん発作を起こし入院。てんかん治療を開始した。嚥下機能が悪化し、全介助でのペースト食の指示が出た。

    移乗、移動に関しても日により波はあるが全~軽介助が必要となった。

    本人の強い希望で自宅への退院となったが、退院後すぐの5月終わりごろに誤嚥性肺炎で再び入院となった。

    退院後、在宅生活継続のために在宅医療の導入が必要になるとのことから当院にて介入開始となった。

  • 通院介助が困難となってきたこと、緊急時の対応をとれる環境を作るため

    <年齢・性別>

    85歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    長男と二人暮らし。主介護者は長男。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    要介護3

    <主病>

    アルツハイマー型認知症

    <訪問診療開始の経緯>

    同居の長男は仕事が多忙で、出張が多いため、月曜日から土曜日はデイサービスを利用しており、出張の時はご本人様が独りになることを避けるためにお泊りサービスを利用して過ごされている。

    日常生活動作の全てに声掛けや指示が必要な方で、お一人でいるときは無為に過ごされている状態。

    これまで何とか通院介助してきたが、通院介助が困難となってきたこと、緊急時の対応をとれる環境を作りたいという理由から訪問診療を希望された。

    短期記憶が困難な方で、介護サービス提供者のことも認識できないため、訪問医がキーボックスなどで鍵を開けて、診察をすることが困難という課題や長男の出張中の緊急時にどう対応すればよいかという課題があった。

    定期の診察に関しては、長男が比較的休みを安定して取りやすい土曜日にし、出張等でどうしても対応が困難な場合は診察を跳ばすか、往診等で対応することで提案した。

    緊急時に関しては、デイサービス中に往診の必要があると気づいた場合はデイサービス側から長男に連絡をとっていただき、往診をご希望された場合は自宅に送迎して頂き、自宅で診察をし、搬送等が必要であればそのように対応するという形で提案した。

    長男とお話をし、それでお願いしたいとのことであったため当院にて訪問診療の介入となった。

  • 通院が定期的できないことから、訪問診療と訪問看護をセットで導入し、同居家族をサポート

    <症例>

    女性 79歳

    <住所>

    長久手市

    <家族構成>

    本人、長男、長女、次男

    次男が引き取り同居

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    介護保険未申請

    <疾患>

    進行性間質性肺炎

    肺線維症

    <導入の経緯>

    2021年8月まで薬剤師として働かれていた

    八事日赤にて間質性肺炎と診断されたが経過観察のみであり通院継続もできていなかった

    症状悪化に伴い、2021年12月に公立陶生病院を受診したが、1月の再診含め2回しかできず、6月の転倒により緊急搬送にて入院となった

    1月に主治医より介護保険申請を促されたが申請を行っておらず、今回の退院に伴って改めて申請をすることになった

    同居家族としては自分がサポートできるという考えがあり、通院が定期的に行えないことから訪問診療の導入に至った

    退院前カンファレンスで以降のすり合わせを行い、次男が仕事に行っているときは対応も困難である点も踏まえ訪問看護を導入をし、環境を構築している

  • 糖尿病のインスリン注射、褥瘡の管理のため

    <症例>

    男性 77歳

    <住所>

    緑区

    <家族構成>

    本人、長女、次女、孫(次女の娘)

    本人独居

    <保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    福祉給付金あり

    介護保険 要介護2

    介護保険負担割合 1割

    <疾患>

    糖尿病

    慢性腎不全

    高脂血症

    神経障害性疼痛

    便秘症

    左第一指褥瘡・壊死

    <導入の経緯>

    2020年12月に発熱と左第一指壊死にて南生協病院へ緊急入院となり、その後中日病院へ転院された。

    中日病院では療養病棟に入院する基準には該当せず、名東区にある施設へ2021年4月から入所となった。

    本人は治療が終われば自宅に帰れるものだという認識であったこともあり、入院中にハンガーストライキを起こすなど不安定であった。

    退所及び自宅復帰の実現に向けて、担当ケアマネージャーがつき、訪問診療と訪問看護を調整していくということで相談をいただいた。

    キーパーソンとされていた次女、孫が仕事で忙しく対応もできないことや、それらを理由に非協力的なこともあり、退所に伴い身元保証を付けた。

    糖尿病のコントロールのためのインスリン注射や褥瘡の管理などで訪問看護と密な連携を取りつつ、金銭等の生活支援も得られる環境作りができたケース

  • 通院介助の負担軽減と日常の体調管理を目的として

    <年齢・性別>

    91歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市東区

    <家族構成>

    独居。甥の孫が主介護者。

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割

    福祉給付金資格者証

    要介護3

    <主病>

    高血圧、高脂血症、骨粗しょう症、認知症、間質性肺炎、不安症

    <訪問診療開始の経緯>

    現在、独居で生活しているが、不安症が悪化している。

    歩行状態は歩行器で可能。

    排泄は日中トイレ、夜間はポータブルトイレを使用している。

    入浴は訪問看護師が入浴介助をしている。ヘルパーは毎日介入し、配食も一日2食利用している。

    主介護者の甥の孫は介護のために早期退職をしなくてはならなくなり、その妻は精神的な負荷で入院が必要となるなど、介護者夫婦の生活に支障が出るほど介護負担が大きくなり、通院介助の負担軽減と日常の体調管理を目的として訪問診療の依頼があったため、介入の運びとなった。

  • 整形外科医の訪問可能、在宅医師数が多いという理由から、当院に依頼あり

    <年齢・性別>

    73歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市昭和区

    <家族構成>

    本人、夫、長男、長女の4人暮らし

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    福祉給付金資格者証

    要介護5

    <主病>

    レビー小体型認知症、正常圧水頭症疑い、褥瘡

    <訪問診療開始の経緯>

    精神疾患が疑われる夫と、うつ病の長女が同居している。主介護者は夫で、一人ですべての介護をしている状態。

    令和1年12月までは歩行が可能であったが、12月末から急に動けなくなってしまった。令和2年1月初旬に緊急搬送されたときに、臀部に褥瘡が見つかった。褥瘡治療と社会的入院を目的として、区外の病院に約40日入院した。

    自宅に退院後、他の医療機関の往診を利用。訪問看護師を週に2回、訪問リハビリ(PT)を週に2回、訪問入浴を週に1回利用していた。

    令和3年5月末、夫が車いすへの移乗時に本人を落としてしまい、右足を骨折してしまった。それ以降、毎週の整形外科への通院が必要となった。

    骨折後に前医が訪問した際、タブーを口にしてしまい、夫の不信感が高まってしまった。さらに、整形外科医に診てもらえないこともあり、夫からの要望で医療機関の変更をせざるを得なくなった。

    依然、相談員から渡された資料をケアマネが見て、整形外科医の訪問が可能な事と、今後もしまた医師変更の要望があった場合に、医師数の多い医療機関の方が良いと判断し、当院へ介入の打診があった。

    整形外科医の介入も可能であったため、翌月より、訪問開始となった。

     

  • 訪問診療の対応力と主介護者の負担軽減のため

    <年齢・性別>

    73歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市東区

    <家族構成>

    本人、妻、三男の三人暮らし

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    福祉給付金資格者証・自立支援医療受給者証

    要介護5

    <主病>

    レビー・ピック複合型認知症

    <訪問診療開始の経緯>

    介護負担が大きく週6日デイサービスを利用しており、水曜日のみ自宅で過ごされている。

    認知症治療で有名なクリニックに3か月に1度通院していた。

    しかし、重度の認知症で、激しい拒否はないが、コミュニケーションがとれず、言語もすでに言葉になっていない状態であった。

    かかりつけのクリニックではタイムリーな対応が困難であることや、マイナートラブルへの対応、主介護者の妻の加齢と通院介助の負担増の観点よりかかりつけ医より訪問診療への変更の勧めがあった。

    ケアマネージャーさんと家族のお話合いで、バックベッドがあることでの安心感を家族さんが感じられたことから当院へ打診があり、介入となった。

  • 同居の妻の通院介助が困難、糖尿病悪化の懸念などから訪問診療を導入

    <年齢・性別>

    83歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市千種区

    <家族構成>

    本人、妻(要支援1)の二人暮らし

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    要介護2

    <主病>

    COPD、高血圧、Ⅱ型糖尿病

    <訪問診療開始の経緯>

    令和元年9月、尿路感染にて入院となったが、本人の希望によりすぐに退院。

    しかし、退院後すぐに歩行困難となり、急性期病院に再度入院となった。

    リハビリのために、回復期病院に転院し、年末に自宅退院の運びとなった。

    自宅退院後、しばらくは問題なく生活をしていたが、同居の妻も介護利用をしているため、通院介助が困難となってきたため、訪問診療の相談があった。

    ご相談を頂いた時は室内は伝い歩き、調子が良い時には徒歩5分ほどの距離にあるスーパーまで何とか買い物に行ける程度の歩行状態であった。

    しかし、COPDの影響で労作時の息切れも著明となってきていること、妻の通院介助が困難なこと、甘いものが大好きでお菓子や清涼飲料水などを過剰に摂取していることでの糖尿病悪化の懸念などから訪問診療の導入の妥当性があったため、当院にて介入する運びとなった。

    年金受給額が少なく、子供たちから生活費を支援してもらわなければならないほど、経済状況は困窮していたが、今後必要になる受診時のタクシー代のことや、将来的に要介護度があがれば医療費控除を受けられる可能性などを考慮すると金銭面での負担も変わらないとの判断であった。

    また、男性PTや男性ヘルパーに対して強い口調や拒否がみられるとの事前情報があったため、女性の医師で調整し介入となった。

  • 右片麻痺があり受診が困難なため

    <年齢・性別>

    61歳 女性

    <居住エリア>

    名古屋市南区

    <家族構成>

    夫同居

    <医療保険・介護保険情報>

    後期高齢者医療保険 1割負担

    要介護2

    <主病>

    左脳出血、右片麻痺

    <訪問診療開始の経緯>

    意識障害がみられ病院は搬送し、左脳出血がみられた為、緊急で内視鏡血種除去術

    を施行。一時的に気管切開するも、その後、気管孔閉鎖し発語も少しずつできるようになった。老健にてリハビリをし、屋内は車いすで自走が可能な状態となった。

    退所後は在宅で過ごす方向性だが、右片麻痺があり受診が困難なため、訪問診療の介入となった。

    平日はショートを利用することも多いため、訪問診療は土曜日を希望されたため、当院の

    土曜日枠にて対応することとなった。

  • だんだん歩くことに対して自信がなくなってきたため

    <年齢・性別>

    81歳 男性

    <居住エリア>

    名古屋市港区

    <家族構成>

    奥様同居(要介護5)、長男同居(病気の為、仕事はしていない)

    <医療保険・介護保険情報>

    生活保護

    要介護2

    <主病>

    関節リウマチ

    <訪問診療開始の経緯>

    自宅内は車いすで移動ができているが、近隣病院に居行く際、タクシーに歩行器を積んで行き、院内は歩行器で移動していた。訪問看護のリハビリが週3回介入しているが、だんだんと歩くことに対して自信がなくなってきたと本人より訴えがあり、次回受診を最後に訪問診療に切り替えたいと本人より希望があったため訪問診療介入となった。

ちくさ病院について

  • 本人は寝たきりで文字が書けず、家族も遠方に住んでいます。訪問診療の契約はどうすれ良いでしょうか?(千種区のケアマネージャーさんより)

    郵送にて対応可能です。

    契約書一式と説明書類をご家族のもとに郵送させて頂きます。

    お電話にて内容説明させて頂きます。

  • レスパイト入院のときは何をもっていけば良いですか?(千種区のケアマネージャーさんより)

    入院時は普段飲んでいる薬を必ずお持ちください。

    また入院相談時にはかかりつけ医の「診療情報提供書」が必要となります。

    アメニティに関しては、レンタルもしくは持ち込みを患者様に選択して頂きます。

    またオムツはレンタルとなりますので、お持ち込み頂かないようお願い致します。

  • ちくさ病院はどんな病院ですか?

    ちくさ病院は名古屋市二次救急指定病院の全床地域包括ケア病棟です。
    24時間対応の在宅医療、訪問看護、訪問介護に対応し、地域包括ケアに力を入れています。
    経験豊富な常勤医師が在籍し、精神科や整形外科、皮膚科などの専門医が状況に応じて介入できる手厚い医療を提供しています。

訪問医療について(個人宅)

  • 訪問診療依頼前に確認しておいて欲しいポイント

    医療介護関係者から「訪問診療を導入する前に、何を確認しておくべきなのか」といった確認を頂くことがあり、「訪問診療依頼前に確認しておいて欲しいポイント」をまとめさせていただきました。

    導入までの基本的な流れ

     まずは、当院の訪問診療導入までの基本的な流れをご案内いたします。

    • 担当相談員へお電話にてご相談ください
    • お名前、大まかな地域を教えて頂いた上で、導入をする上で課題となりそうなポイント、ネックとなりそうなポイントなどをお電話でお知らせください(詳細な基本情報などはステップにて確認致します)
    • ステップをご送付ください(サービス導入可能な曜日や時間をステップ内に記載していただくか、週間サービス予定表を別紙にてご送付ください)。
    • 受け入れ可能かのご回答を相談員よりお電話させて頂きます(初診日、定期訪問予定もお知らせいたします。)
    • 事前面談、事前契約(相談員よりご本人、ご家族にご連絡をさせて頂き面談の日程を決定し、ご訪問させて頂きます。)
    • 初診

    確認しておいて欲しいポイント

    入院・外来共通

    ①同意の状況

    ご本人は訪問診療の導入に同意しているのか、ご本人に意思決定が困難な状況の場合、ご家族は同意しているのかといった基本的な同意の状況をご確認して頂きたいです。完全な同意までは至っていない場合は、その理由をお知らせください(費用面で迷っているなど)。

    ②専門医の介入の必要性、医療行為の有無

    専門医(精神科医など)の介入が必要かどうか、医療行為はあるのかをご確認してください。

    ③今後の受診について

    退院後の受診予定はあるのか、併診となるのかなどをご確認してください。

    ④介入までのスピード感

    退院予定はいつなのか、退院日に合わせての訪問が必要なのかなどの確認、外来の場合も残薬や訪問看護指示書の状況などご確認してください。

    ⑤おおよその方向性

    特にターミナル期の患者様の場合、最期まで在宅で居たいのか、まだ揺れているのか、最期は緩和に行きたいのかなど、“その時点”でどういうお気持ちなのかをご確認して頂けると助かります。

    外来

    外来通院中の場合は、まずは現在のかかりつけの先生に相談済みなのかをご確認して頂きたいです。

    診療情報提供書の依頼状況なども併せてご確認して頂けると大変助かります。

    また、現在受診中のクリニックが複数ある場合は、どこにかかられているのかをわかる範囲で教えて頂けると助かります。

    すべて当院でまとめるのか、専門科に関しては通院したいという希望があるのかなど、方針も教えて頂きたいです。

    入院

    ①退院前のカンファレンスの有無

    ②緊急時対応の方向性に関してのご本人、ご家族のご希望

    ③退院後の受診の必要性

    ④介護保険の状況(申請中、申請予定など)

    ⑤腹水・胸水の穿刺などが必要となる方の場合、最終の穿刺の予定

    ⑥点滴が必要な方の場合、初診時に点滴が必要となるのか

    など。

    まとめ

    確認したいことがあれば相談員から質問させて頂くので、きっちりかっちりご確認して頂く必要はありませんが、「確認して頂けると助かるな」という項目を記載させて頂きましたのでご参考にしていただけますと幸いです。

  • 現在、精神科クリニックと内科のクリニックに通院していますが、家庭の事情で通院介助が困難となってしまいました。内科の先生は本人がまだかかり続けたいと言っています。精神科のみの訪問診療をお願いすることはできますか?(患者さんの御家族より)

    当院では精神科のみの訪問診療は行っておりません。

    内科的なフォローをしていない場合、内科的な部分での緊急往診の対応ができなかったり、訪問看護さんへの指示もメンタル面だけになってしまい、安心して在宅療養を送って頂くための体制が取りづらいためです。

  • 現在、要介護3ですが、要介護4の認定をとって福祉給付金資格者証を取得したいと考えています。要介護4以上を取得できるよう訪問診療に来てもらっている先生に書類を書いてもらえますか?(患者さんの御家族より)

    主治医意見書の作成をすることは可能です。

    しかしながら、主治医は現在の患者さんの状況を書くことしかできません。

    要介護度は認定員さんによる認定調査などを考慮して決定されますので、希望した介護度が取れるわけではありません。

  • かかりつけの先生に紹介状を依頼しました。どのようにお渡しすれば良いですか?初回診察時でも良いですか?(患者さんのご家族より)

    可能であれば、かかりつけの医療機関に完成した時点で当院宛てにFAXにて送付して頂けるようお願いして下さい。

    原本の受け渡しに関しては、初回診察時でも構いません。

    窓口に受け取りに行くことが難しい場合は、原本も当院宛てに郵送して頂けるかをかかりつけ医療機関に確認してみて下さい。

  • 訪問診療をお願いした場合、ちくさ病院の訪問看護さんも一緒に調整してもらうことは可能ですか?(千種区のケアマネージャーさんより)

    可能です。

    患者さんの御希望があれば、当院の訪問看護も一緒に調整させて頂きます。

    ただし、訪問診療と訪問看護は訪問可能範囲も違いがありますので、地域のよっては対応できない場合もございます。ご了承ください。

  • ショートステイ先にも緊急往診対応で来てもらえますか?(名東区のケアマネージャーさんより)

    要相談です。

    まずはショートステイ先がどこになるのかの確認が必要です。

    ショートステイ先に嘱託の医師がいる場合は、基本的にその医師が対応することになります。

    まずはショートステイ先に外部のかかりつけ医が往診対応することが可能かを確認してください。

    また、ショートステイ先が遠方の場合も、対応が困難となる場合がございます。

    ケースバイケースでご回答致しますので、都度ご相談をお願い致します。

  • 費用について質問です。現在70歳未満で、自己負担限度額が市民税非課税世帯(区分オ)です。大学病院に癌治療のための通院を続けており毎月24600円を支払っています。今後も大学病院には通院予定ですが、併せて訪問診療を使いたいと考えています。この場合、ちくさ病院でも24600円の限度額となるのでしょうか。(守山区の患者様より)

    1. 24,600円にはなりません。

    まず、区分オの自己負担限度額は35,400円が基本となっていますが、その状態が3か月継続すると、4か月目からは24,600円となります。

    ご質問の患者様の場合も、3か月以上継続で35,400円を超える支払いとなっていたと考えらえます。

    次に、併せて当院の訪問診療を利用した場合についてです。

    区分オに該当しており既にひとつの医療機関で限度額を超えての支払いが発生している状態で別の医療機関を受診した場合、その医療機関で発生した支払額が21,000円を超える場合、全額免除となり、手続きをすると返還される仕組みとなっています。

    <例>

    • A病院 24,600円(限度額)+ B病院 24,000円

    ⇒B病院の24,000円は全額返還され、支払額はA病院の24,600円のみ

     

    • A病院 24,600円(限度額)+ B病院 20,000円

    ⇒B病院の支払額が21,000円を超えていないため、免除対象とならない。

    ⇒支払額は 24,600円+20,000円=44,600円

     

    尚、医療費にはお薬代も含まれます。

    つまり、診療費+薬代が21,000円を超えるかがポイントとなってきます。

  • 服薬時の誤嚥などの嚥下事故が心配です。どのように薬を飲ませたらよいのでしょうか(患者さんの家族より)

    上体をきちんと起こしゆっくりと服用させて服用後はすぐに横にせずできれば30分程度は起こしておいてください。

    服用時は充分な水分とともに服用させてください。

    服用前に一口水を飲ませてその後嚥下のすべりをよくします。

    市販の嚥下補助ゼリーオブラートを利用することも効果的です。

    顆粒や散剤を服用した後はすぐに水を口の中でゆすぐようにしながら飲ませて下さい。

    服用時にリスクを感じた場合はまずはかかりつけ医や薬剤師の方に相談して下さい。

  • 仕事の関係で診察に立ち合うことができません。本人は鍵を開けることができないため、鍵を預けたいです。可能でしょうか。(患者さんの家族より)

    鍵をお預かりすることはできません。

    担当のケアマネージャーさんがいる場合はキーボックスを取り付けるなど他の方法がないか相談してみて下さい。

  • 在宅でリュープリン注射は対応可能でしょうか。(退院調整看護師さんより)

    可能です。

    ただし、これまでリュープリン注射の履歴がなく、当院の訪問診療での新規開始は対応不可となっております。

    履歴のある方のみの対応となる点にご注意下さい。

  • 精神障害1級を取得している利用者様で、障害年金を受け取っている方がみえられます。書類の作成をお願いすることはできますか(瑞穂区のケアマネージャーさんより)

    可能です。

    ただし、医療保険の適用ではありませんので、自費での書類作成費用が発生しますのでご注意下さい。

  • 精神科には受診したことがありませんが、精神的な疾患の可能性があるのではと感じている利用者さんがいます。精神科の先生に訪問してもらうことは可能でしょうか(西区のケアマネージャーさんより)

    可能ですが、本当に精神的な疾患をお持ちなのかは慎重に評価をしていく必要があります。

    専門医による評価を行い、疾患ではないとの診断となる場合もございます。

    その場合は、精神科医による継続フォローは適応外となります。

    ご理解をお願い致します。

  • 胃ろうの物品は購入が必要ですか。(千種区のケアマネージャーさんより)

    特に必要ありません。

    必要物品に関しては診察時にご自宅にお持ち致します。

    ただし、半固形の栄養剤を使用している場合の加圧バッグは自費購入の必要があります。

  • レスパイト入院中はリハビリをしてもらえますか。(守山区のケアマネージャーさん)

    1日2単位(40分)のリハビリテーションを行うことが可能です。

    ご自宅での生活をより良くするためのリハビリを実施させていただきます。

    リハビリの内容・頻度は入院後に担当医師が判断させていただきます。

     

  • 訪問診療で装具を作製することは可能なのでしょうか(天白区のケアマネージャーさま)

    可能です。ただし、当院が作製するわけではありません。

    連携をとっている会社が診察に同行し、測定や調整を行いご提供するという流れになります。

    ご自宅で実施するため作製費の他に出張費がかかります。

    おおよその費用はお伝え出来ますので、気になる場合は一度ご連絡ください。

  • 引っ越しの予定があります。住んでいる場所が変わっても訪問を継続してもらうことは可能でしょうか(天白区のケアマネージャーさん)

    引っ越し先が当院より半径16㎞以内であることと、その時にルートを組むことが可能であれば、お引越し後も対応させて頂きます。

    ただし、担当医は変更となる場合もございます。

    もし、当院にてご対応が困難な場合は、引き継ぎ可能な医療機関さんをご紹介させて頂きますので、一度ご相談ください。

     

  • 本人が認知症です。家族も県外に住んでおり、毎回診察に立ち合うことも困難です。このような状態で訪問診療を開始することは可能でしょうか。(患者さんのご家族様より)

    対応可能です。

    本人が鍵の解錠ができ、診察が可能な状態であれば、訪問診療を開始することができます。

    解錠が困難な場合、キーボックスを設置するなどの方法もございます。

    しかし、患者本人の理解力が低く、治療方針の理解が得られない場合などもございます。

    初回診察や、その他方針変更のあるタイミング(サービス担当者会議など)には可能な限り、お立合いをお願いしております。

  • 小規模多機能型住宅への訪問診療をお願いすることはできますか。(天白区のケアマネージャーさんより)

    対応可能ですが、いくつかクリアしなければいけない条件がございます。

    訪問診療は直近30日以内に自宅にて診察をしなければならないと制度で定められているため、

    月に2回訪問診療に伺う場合、1回は小規模多機能型住宅にて診察、もう一回は自宅にて診察という形をとる必要があります。

    また、提供する医療機関側の問題としては、診察の場所がそれぞれ違うため、診療のルートをうまく組む必要があります。

    ご家族や施設の方とのお話し合いの上で、できる限りご対応させて頂きますので一度ご相談ください。

    ※補足

    令和2年度診療報酬改定で、医療機関の退院日からサービスを利用開始した場合、サービス利用開始前30日以内に自宅で訪問診療を受けていなくても、宿泊サービス利用時に訪問診療を受けられるようにする、と一部ルールの改定がありました。

    つまり、退院後すぐに小規模多機能施設に入所される場合は、初回診察は施設で可能ということになります。

  • 訪問診療をお願いしている患者さんの同居の家族の往診をお願いすることはできますか。(守山区のケアマネージャーさんより)

    申し訳ございませんが、対応しかねます。

    当院は訪問診療をご利用中の患者様に対してのみ往診対応をしています。

    同居のご家族が定期的な(月2回)訪問診療をご利用いただくことはもちろん可能ですが、「一度限りの往診」は対応することができません。

    インフルエンザワクチンや新型コロナウィルスのワクチン接種も同様に、訪問診療利用中の患者様に限らせて頂いております。

  • 現在、じん肺で呼吸器内科にかかっています。仕事中にアスベストを吸い込んでの疾患であるため労災認定されています。呼吸器疾患に関しては医療費がかかっていないのですが在宅診療を利用する際も同様に無料となりますか。

    在宅診療を行う医療機関が労災保険指定医療機関であれば、じん肺を主病名とすることで訪問診療費を軽減することが可能です。

    労災に認定された疾患に関しては、診察料および薬剤費は事業主負担となります。

    なお、その疾患以外に関しての診察料や薬剤費は、負担割合に応じて自己負担額がかかります。

    当院は労災保険指定医療機関のため、在宅診療に切り替えてもご負担を軽減することが可能です。ぜひ一度ご相談ください。

  • 訪問診療の費用ですが医療機関によって金額が異なることがあります。どのようにきまっているのでしょうか。(緑区のケアマネージャーさんからの質問)

    訪問診療の費用は医療保険と介護保険とで成り立っており、患者様のご状態や訪問回数、負担割合によって金額が変わっていきます。

    これらに関しては医療機関ごとの差はほとんどないです。

    しかし、この医療保険の費用において医療機関ごとで異なる部分があり、在宅療養実績加算(在宅緩和ケア充実加算)という点になります。

    これは、前年1年間の実績に基づいて国に定められる加算であり、看取り件数や緊急往診の回数から算定されます。

    この加算があって金額が高くなるではなく、しっかりと在宅療養の対応ができる医療機関の証明であると思っていただければ幸いです。

  • 現在、近くのクリニック(内科)に通院中です。 先生のことを信頼しているので、引き続き、そのかかりつけ医の先生には通いたいと思っていますが、夜間が心配なので、訪問診療を併用したいという利用者さんがいます。そういったことは可能でしょうか。 ちなみにそのかかりつけの先生は往診はしておられません(昭和区のケアマネージャーさんからのご質問)

    今回のご質問では、近くのクリニックに通院が可能であるため、在宅医療の対象患者には該当しないと考えられます。

    在宅診療の対象の患者については、「在宅で療養する患者で、疾病、傷病のため通院による療養が困難な者」と定義されています。

    年齢や重症度、ADLや要介護度などの明確な基準はないものの、2014年度の報酬改定で「少なくとも独歩で、家族・介助者等の助けを借りずに通院できる者などは、通院は容易と考えられる」という見解が示されています。

    かかりつけの先生に相談し、訪問看護や定期巡回サービスなどの介護サービスを利用してみてはいかがでしょうか。

  • 近いうちに身体障害者手帳の更新があります。訪問診療で診断書および意見書を記載していただけますか。

    当院で現在対応可能な障害者手帳は、身体(肢体不自由、腎機能障害、呼吸器障害、膀胱・直腸障害、心機能障害)および精神です。

    しかしながら、更新時の診断書を書くためには、直近3カ月の診察が必要になるため、訪問診療に切り替えてすぐに対応できるものではありません。

    更新時期に余裕を持ってご相談いただけますと幸いです。

  • 訪問診療で精神科と内科の両方を診てもらうことは可能ですか?(北区のケアマネージャーさんより)

    可能です。

    訪問診療は月に2回の診察を行います。

    ちくさ病院では、ケースに応じて2回の診察で主治医(内科医)と専門医(精神科医)が診察を行う体制をとっております。

    細やかな薬の調整や、医師の指示が必要な場合は、交互に訪問させていただき、

    比較的病状が安定している場合は、適宜精神科医が訪問させていただくなど

    臨機応変にご対応させていただきます。

    患者様のご状態やご要望に応じて体制を組みますので、ご不明点はご相談ください。

  • 訪問看護を合わせて利用する際、連携のとりやすい事業所をご紹介して頂けますか?(千種区のケアマネージャーさんより)

    もちろん、ご紹介可能です。

    患者さんに必要なケアの内容によっては対応可能なステーションを探す必要があります。土日対応、24時間対応、精神科対応など、私たちがこれまでに連携をとってきた症例をもとに候補をご紹介させて頂きますので、ご本人様、ご家族様と一緒にご相談の上、決定させて頂ければ幸いです。

  • 訪問診療と往診の違いは何ですか?

    訪問診療と往診は、どちらも通院が困難な患者様に対して医師が自宅を訪問して診療を行う医療サービスですが、明確な違いがあります。

    訪問診療とは

    定期的に医師が患者様の自宅を訪問して診察、治療、健康相談、療養相談などを行うことを指します。

    ポイントは「定期的に診療する」ということです。

    2回/月、あるいは1回/月、訪問するスケジュールを定め、計画的に治療を行います。

    各医療機関や介護事業所と連携取りながら計画的に診療を進めていきます。急変時には入院先の紹介や入院の手配なども行います。

    往診とは

    通院困難な患者様の要請を受けて、医師がその都度、診療を行うことを指します。

    急変時に救急車を呼ぶほどでもない場合、かかりつけ医にお願いして診察に来てもらうなど、基本的には困ったときに臨時で訪問してもらう診療になります。

  • 訪問診療は介護認定が要支援でも受けられるのでしょうか?

    要支援の方でも訪問診療はご利用可能です。

    原則、訪問診療は、おひとりで「通院が困難な方」が対象になりますが、介護認定が必要というものではありません。

    介護認定を受けていない障害の方や介護保険を利用されていない方でも訪問診療をご利用いただいております。

    訪問診療の対象になるかどうかわからないければ、お気軽にご相談ください。

  • 訪問診療の際、薬は医療機関が持ってくるのでしょうか?

    在宅医療(個人宅)の場合、薬は院外調剤薬局での処方になりますので、

    診察時に医師が発行した処方箋を有効期間の4日間のうちに調剤薬局へ提出し薬を出してもらい家族が取りに行く。

    または訪問調剤を利用し薬局から配送してもらうという流れになります。

  • 在宅医療に変えたい時、元々行っていた病院の紹介状は必要ですか?

    より円滑な医療をご提供させていただくために、原則紹介状(診療情報提供書)を入手いただくことをお願いさせていただいております。

    しかしながら、発行にかかる費用はご本人・ご家族様のご負担であることや、医師との関係性もあって頼みにくいなどの理由があり、回収が不可能なケースも対応は可能です。

    その際は相談員による事前面談の際に状況詳細を聞き取らせていただきますので、一度ご相談ください。

  • 精神障害手帳の新規申請に行ったことがありません。どういった流れで申請できますか?(熱田区のケアマネージャーさんより)

    精神障害手帳の新規申請には初診から6か月以上経過していることが条件になります。

    場所は居住地の区役所にて申請可能です。

    申請には次の書類が必要になります。

    <申請に必要な書類>

    精神障害手帳用の診断書

    区役所で受け取り または ウェルネット名古屋からダウンロード可能

    • マイナンバーがわかるもの(なければなしでも受け付けは可能)
    • 印鑑(本人の印鑑。認印で可)
    • 保険証
    • 代理の方が申請に行く場合は代理の方の身分を証明できるもの

    精神障害手帳の申請と同時に自立支援医療の申請もすることができます。診断書に現在の治療内容をしっかりと書いてもらうようにしましょう。その際に、医療機関と薬局の名称と所在地が必要となります。

    受領までに約2か月ほどの期間が必要となります。

  • 連携を取りやすい訪問看護ステーションはどういったものですか?(北区の訪問看護師さんより)

    地域や対応できる範囲にもよるため、正直一概に申し上げることは中々難しいところではあります。

    最近は、在宅での輸血対応希望、急な点滴指示、土日も含めてのターミナル患者様の特別指示書の対応なども増えております。そのような場面で、スピード感をもって対応して下さる訪問看護ステーション様、患者様とそのご家族の不安なお気持ちに寄り添って下さる訪問看護師さんにはいつも感謝しています。

    患者様にとってどうしたら一番良いのかを一緒に考え、細やかにご連絡をくださるステーション様はやはり連携がとりやすいですね。

  • 受診拒否されている精神疾患等の患者様をご紹介したいと思う際に、せっかく訪問して頂いても、鬱・パニック障害の方などは、次回お断りをされる場合があります。ご紹介をしてご迷惑をかけてしまうと思うと悩んでしまいます(港区のケアマネージャーさんより)

    当院が現在介入中の患者様でも鬱・パニック障害の患者様は多数いらっしゃいます。ご質問にあるように、継続が困難となり打ち切りになった患者様もみえられますが、問題なく継続している患者様もいらっしゃいます。お悩みにならず、一度ご相談ください。

     

  • 「いつもとちょっと違う」と思った程度でも来ていただくことはできますか?

    ちくさ病院ではそういったいつも患者さまのことを診られている方のによるささやかな異変の察知を重要視しています。
    そういった異変を感じられた際は、夜間・休日を問わず、24時間365日いつでもまずはお気軽にご連絡ください。

  • 自宅でのレントゲン検査も可能ですか?

    はい、可能です。
    ポータブルのレントゲン検査設備の用意があり、来院することなくご自宅で検査することができます。
    しかし、機材の大きさの都合により、ご自宅の間取りによっては対応できない場合がございます。まずはお気軽にご相談ください。

訪問医療について(介護施設)

  • 引っ越しの予定があります。住んでいる場所が変わっても訪問を継続してもらうことは可能でしょうか(天白区のケアマネージャーさん)

    引っ越し先が当院より半径16㎞以内であることと、その時にルートを組むことが可能であれば、お引越し後も対応させて頂きます。

    ただし、担当医は変更となる場合もございます。

    もし、当院にてご対応が困難な場合は、引き継ぎ可能な医療機関さんをご紹介させて頂きますので、一度ご相談ください。

     

  • 小規模多機能型住宅への訪問診療をお願いすることはできますか。(天白区のケアマネージャーさんより)

    対応可能ですが、いくつかクリアしなければいけない条件がございます。

    訪問診療は直近30日以内に自宅にて診察をしなければならないと制度で定められているため、

    月に2回訪問診療に伺う場合、1回は小規模多機能型住宅にて診察、もう一回は自宅にて診察という形をとる必要があります。

    また、提供する医療機関側の問題としては、診察の場所がそれぞれ違うため、診療のルートをうまく組む必要があります。

    ご家族や施設の方とのお話し合いの上で、できる限りご対応させて頂きますので一度ご相談ください。

    ※補足

    令和2年度診療報酬改定で、医療機関の退院日からサービスを利用開始した場合、サービス利用開始前30日以内に自宅で訪問診療を受けていなくても、宿泊サービス利用時に訪問診療を受けられるようにする、と一部ルールの改定がありました。

    つまり、退院後すぐに小規模多機能施設に入所される場合は、初回診察は施設で可能ということになります。

診療範囲について

  • 引っ越しの予定があります。住んでいる場所が変わっても訪問を継続してもらうことは可能でしょうか(天白区のケアマネージャーさん)

    引っ越し先が当院より半径16㎞以内であることと、その時にルートを組むことが可能であれば、お引越し後も対応させて頂きます。

    ただし、担当医は変更となる場合もございます。

    もし、当院にてご対応が困難な場合は、引き継ぎ可能な医療機関さんをご紹介させて頂きますので、一度ご相談ください。

     

  • 認知症・精神疾患の在宅ケアでは、どんなことをしてもらえますか?

    認知症になっても住み慣れたご自宅でご家族と一緒に暮らし続けていけるようにケアします。
    認知症や精神疾患に対して最新の知見を踏まえて、患者様に合った治療を総合的に行います。

  • 対応可能な診療科目を教えてください

    内科 / 外科 / 整形外科 / 脳神経外科 / リハビリテーション科 / 消化器内科 / 循環器内科 / 神経内科 / 腎臓内科 / 代謝・内分泌内科 / 老年内科 / 消化器外科 / 皮膚科 / アレルギー科 / 精神科
    など、幅広い診療科目に対応しています。

    内科・精神科・皮膚科・整形外科については、専門医が在籍しています。

    また、ご状況に応じて連携している専門医療機関のご紹介もいたしますので、まずお気軽にご相談ください。

対応地域について

  • 対応可能な地域を教えてください。

    名古屋市千種区のちくさ病院を中心に、半径約16km圏内を訪問範囲としています。

    近隣の千種区/東区/昭和区/瑞穂区/北区/守山区などはもちろん、その他の緑区/南区/港区/中川区/熱田区/中村区/西区/熱田区/天白区/名東区にも訪問しております。

    守山区の上志段味エリア、緑区の桶狭間エリア、北区の庄内川より北のエリア、港区の稲永エリア、中川区の千音寺・戸田エリアにも訪問診療にお伺いさせていただいている患者様がおります。

    市街では、愛知県尾張東部エリア(瀬戸市/長久手市/春日井市/尾張旭市/日進市東/郷町/豊明市/みよし市)や愛知県尾張西部エリア(小牧市/犬山市/一宮市/津島市/稲沢市/岩倉市/愛西市/清須市/北名古屋市/弥富市/あま市/豊山町/大治町/蟹江町)など近郊エリアも対応可能です。

    その他の地域は個別にご相談に応じますので、お気軽にご相談ください。

対応体制・スタッフについて

  • サービス担当者会議について質問です。医師にサービス担当者会議に参加をお願いしても良いのでしょうか。お忙しい気がして、参加依頼を躊躇してしまうことが多いです。(港区のケアマネージャーさんより)

    ぜひご依頼ください。

    医師も積極的に担当者会議に参加させて頂いています。

    もし、他の患者さんの診察の関係で参加が難しい場合でも、事前にご確認事項等を教えて頂ければ、共有事項等を確認の上、相談員が担当者会議に参加させていただく場合もございます。

  • 相談員とはどんな人ですか?

    ちくさ病院の相談員は、在宅医療に関わる、医師や看護師といった医療スタッフだけでなく、ケアマネージャー・医療ソーシャルワーカー(MSW)・介護ヘルパーなど各分野の専門スタッフをつなぐ存在です。
    医療と介護間の円滑な連携やより密なコミュニケーションをサポートしています。
    カンファレンスの日程調整といった手間な業務も請け負い、各専門スタッフの雑務による負担を最小限にいたします。

    「医師に直接伝えにくい…」ということも、お気軽にご相談いただけます。

  • 24時間・365日体制について詳しく教えてください

    24時間対応可能なコールセンターを設置し、常時3名の主治医(もしくはコール医)と常時2名の往診待機医が対応できるように体制を整えています。クラウドシステムを活用した徹底的な情報共有を行っているので、共有の抜け漏れが少なく、安心しておまかせいただけます。

訪問看護ステーションについて

  • 訪問看護の対応時間を教えてください

    訪問看護についても、24時間365日対応可能となっています。
    まずは、ご相談ください。

  • 訪問看護のみでもお願いできますか?

    はい、おまかせください。
    院内に訪問看護の専門部署を設置しているため、より柔軟な在宅医療ケアサービスをご提供できる体制を整えています。

セミナーについて

  • 勉強会講師の依頼について。ケアマネサロンや自身の事業所内の勉強会の講師を依頼することはできますか。(熱田区のケアマネージャーさんより)

    対応可能です。

    当院では「出張勉強会」ということ形で、居宅介護支援事業所事業所様や訪問看護ステーション様向けに勉強会を実施しております。

    リアル、WEBどちらの形式開催可能です。

    WEB形式にご不安があっても大丈夫です。しっかりとサポートさせていただきます。

    下記ご希望を記入のうえ、在宅医療推進部 杉山までご連絡ください。

    テーマ:

    講師の希望職種(医師・看護師・理学療法士などのリハビリ職):

    希望日程:

    開催形式:対面orWEB

     

    (連絡先)
    ちくさ病院 在宅医療推進部 杉山
    TEL:052-741-5347
    mail:a.sugiyama@chikusa.or.jp
  • 医療的な分野の勉強会(セミナー)をお願いしたいです。依頼は可能でしょうか。(港区のケアマネージャーさんより)

    当院では医師、訪問看護師、相談員による事業所向けの勉強会を実施しております。

    当院のスタッフが事業所までお伺いして行う形式やWEB形式で依頼することも可能です。

    勉強したいテーマや開催予定日時などに合わせて実施させて頂きますので、下記、ちくさ病院の在宅医療推進部 杉山までご連絡ください。

    また、毎月、WEB勉強会をYoutubeのLIVE配信で皆様に配信しております。

    メルマガや当院公式LINEにて詳細を配信しておりますのでこちらもぜひご利用ください。

    勉強会(出張、WEB)依頼の問い合わせ先

    在宅医療推進部 杉山

    tel:052-741-5347(専用)

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